コラム

電気自動車のメンテナンス費用は実際どれくらい?ガソリン車とも比較してみた

電気自動車のメンテナンスコスト

世界中で電気自動車の普及が進んできていますが、地球環境を守るために世界各国の政府が購入を推進していることもあり、補助金を受けられるなどのメリットが多いのが魅力です。EVは一般の車と比べてメンテナンス費用が安いという印象をお持ちの方が多いようですが、本当のところは一体どうなのでしょうか。今回は電気自動車にかかるメンテナンス費用について、ガソリン車と比較しながら解説していきます。

月々のメンテナンス費用はどれくらい?EV車の燃料費(電気代)について

まずは電気自動車の燃料費から見ていきましょう。EVの燃料費=電気代と置き換えられますので、どれだけ充電したかによって月々の燃料費というのも変わってきます。一般的にガソリン車の場合、月々のガソリン代は5000円〜10000円の間くらいであることが多いようですが、EVだと3000円〜6000円の間くらいにおさまることが多いです。このため、月々のメンテナンス代(電気代)という観点から見れば、電気自動車の方が安く抑えられるということが言えそうです。しかし、注意しなければならないことが2つあります。それは、

・車を充電できる場所が限られている
・自宅で充電できるようにするためには費用と手間がかかる

ということです。
ガソリン車が燃料を補充する場合は基本的にガソリンスタンドを利用することになりますが、ガソリンスタンドはいろいろな箇所に存在しますので、燃料を補充する場所が見つからなくてガソリンが切れてしまうということはほとんどありません。
しかし、EVを充電する場所は限られています。充電ステーションなどの電気を補充できる場所は、ガソリンスタンドと比べると少ないです。これはEVが昔よりも普及してきたとはいえ、ガソリン車などと比較するとまだまだ数が少なく、充電できる設備が完全に整備されていないからだと言えます。自宅に充電できる設備をつくればこのデメリットはある程度解消されますが、その場合相応の費用と手間がかかることになるでしょう。

このように、一か月の燃料費こそ電気自動車に分があると言えますが、充電できる設備が少なかったり、自宅に充電設備を整える際の初期費用や手間がかかったりといったデメリットも存在します。これらの欠点が気にならないくらいのメリットを感じるかどうか、購入前に一度考えることをおすすめします。

電気自動車の方が負担が軽い?その他のメンテナンス費用について

燃料費以外のメンテナンス費用についてもガソリン車と比較していきましょう。長期的に車を維持していく上でかかるお金と言えば、

・部品などの交換代
・保険料

この2つが挙げられます。まず、部品などの交換代についてですが、ガソリン車の場合は定期的に交換を強いられることが多いです。エンジンオイルは半年ごとの交換を推奨されることが多いですし、ブレーキの摩耗がEVよりも大きいことから、タイヤなどの部品も数年に一度は交換する必要がでてきます。一方、EVはガソリンを燃料としないのでエンジンオイルを交換する必要はありません。また、ブレーキによる摩耗も少ないため、タイヤなどの部品もガソリン車ほど交換する頻度は多くありません。

ただし、一つ注意しておかなければならないことがあります。それはバッテリーが高額になる可能性があるという点です。EVでは電気を動力源としており、大きな負担にも耐えられる専用のバッテリーを搭載しています。このためガソリン車のバッテリーよりも交換費用が高額になりやすいという点は注意しておく必要があります。ちなみにバッテリーそのものは少なくとも10年くらいはもつとされているので、交換頻度はそれほど多くならないでしょう。しかし、バッテリーが高額だからという理由で経年劣化したものを少しでも長く使い続けようとするのはおすすめしません。バッテリーの性能の劣化により、フルに充電した後の走行可能距離も短くなります。充電コストが増えることになりますので、少しでも劣化を意識したら早めに交換することをおすすめします。

そして保険料についてですが、車両のモデルなどによって保険の内容や料金も変わってくるので、一概にどちらの方がお徳とは断言できません。しかし、電気自動車には最先端の技術が使われていることが多いため、保険料が高めになることもあるようです。反対に、最新の技術でも安全性能に優れたモデルであれば、保険料は抑えられる傾向にあります。電気自動車を選ぶ際はこの点について事前に理解しておくことが大切です。

今後は電気自動車のライバルとなる可能性も?PHEVとも比較してみた

最後に今後電気自動車の競争相手になるかもしれないPHEVともメンテナンス費用の比較をしてみましょう。PHEVとは、ガソリンエンジンと電気モーターという二つの動力源を兼ねそろえた車両のことです。普段は電気モーターで走りますが、バッテリーが低下するとガソリンエンジンが動力を提供してくれます。これにより、普段はEVとして環境に配慮した走りを実現させ、長距離を走る際はガソリンエンジンのメリットを活用するといったことが可能です。

まず、電気自動車とPHEVの燃料費を比較していきましょう。電気自動車は充電する費用、つまり電気代のみとなりますが、PHEVの場合は電気代に加えてガソリン代もかかることになります。ただし、充電用のバッテリーがEVのものよりも小さいため、その分電気代も抑えられることになります。このため、燃料費においては両者に大きな差はないと言えるでしょう。
続いてバッテリー費用についてですが、どちらも性能の優れたバッテリーが取り付けられているため、交換する際は料金が高くなってしまうという点には注意が必要です。ただし、前述したようにPHEVのバッテリーは電気自動車のものよりも小さいので、その分価格が抑えられています。このためバッテリーの交換費用に関してはPHEVに分があると言えそうです。

最後にバッテリー以外の交換費用についてですが、PHEVではガソリンエンジン関連の維持費が必要となります。つまり、ガソリン車と同様エンジンオイル交換などをしなければならないということです。一方で、EVはこれらの交換が一切不要となります。このため、これらの交換費用に関しては電気自動車の方が経済的であると言えるでしょう。

まとめ

電気自動車とガソリン車を比較した場合、月々の燃料費(電気代)に関しては、電気自動車の方が安く抑えられる傾向にあります。また、部品の交換費用もEVの方が少なく済むことが多いです。ただし、バッテリーの交換費用が高額になりやすいといった欠点もあります。また、電気自動車と同様環境に配慮された車であるPHEVと比較しても、どちらも優れた点があるため完全に優劣をつけることはできません。しかし、メンテナンス費用だけでなく、環境にも貢献できるということを加えて総合的に判断すると、EVが一番お金にも環境にもやさしいということが言えます。メンテナンス費用で考えた場合、どの車を選べば良いのか分からないという方は、電気自動車を選んでおけば間違いないと言えるでしょう。