コラム

テスラの維持費は安い?高い?ランニングコストを中心に解説

自動車は、購入時の支出に目が行きがちですが、毎年ランニングコストがかかります。ガソリン車を所有すると、自動車税やガソリン代など維持費がバカにならないと実感しますよね。
そこで、電気自動車(EV)に乗り換える場合、維持費はどうなるのか気になると思います。“エコカー減税”なんて言葉を聞いたことがある方は、なんとなく出費が減るイメージをお持ちかもしれません。この記事では、EVを代表するテスラ車を例に挙げて、ランニングコストについて詳しく説明します。

テスラの維持費は年間でどれくらい?

一般的に、自動車の維持費の内訳は、自動車税、自動車重量税、燃料費(電気代)、保険料、駐車場代、整備費用、車検(2年おき)、などがあります。自動車にかかる税金として、自動車税と自動車重量税、そして購入時にかかる環境性能割も忘れてはいけません。ご存知の方も多いと思いますが、自動車税は所有する車種の総排気量などによって税率が決まり、毎年5月末までに納めるものです。自動車重量税は、新車登録や車検のタイミングで納める税金です。
テスラは電気自動車ですので、定期的にバッテリーを充電する必要があります。維持費で一番大きな割合を占めるのは、電気代になるでしょう。その他に、保険料や駐車場代も毎年のコストに上乗せされます。

結論から申し上げると、テスラの維持費は、おおよそ毎年10~12万円程度を見込んでおけばいいと言えます。電気代は年間の走行距離によって変動するものの、大体4~7万円と仮定します。任意保険に加入すると費用がかさみ、1年目は7万円程度かかる場合もありますが、無事故を継続すれば年々下がっていくはずです。
テスラでは、12ヶ月ごとの点検を推奨しており、「モデル3」は約2万4000円、「モデルX」だと約4万2000円かかります。購入3年目および以降2年おきに車検を受けるため、その年は維持費が通常より多くなるでしょう。車検は業者によって費用が異なりますが、約6~7万円支払うものと考えてください。

テスラのモデル3の自動車税や維持費を具体的に見てみた

ここからは、テスラ車を購入した場合の維持費について、もう少し掘り下げていきましょう。大衆向けの人気車種「モデル3」を購入するケースで考えます。環境性能割は電気自動車だと免税です。自動車税は、電気自動車の場合2万5000円かかります。総排気量1リットル未満の乗用車と同額です。ただし、新車登録翌年度分のみ75%減税されます。2年目以降は2万5000円を毎年支払うことになります。

自動車税に関して重要な点は、東京都と愛知県にお住まいの場合、2018年4月1日から2025年3月31日までの間に新規の新車登録を受けた電気自動車は、自動車税を5年間免除になる制度があることです。都道府県によって、減免額や補助制度に違いがあるため、必ず公式ホームページなどで確認してください。
自動車重量税についても、電気自動車はエコカー減税が適用され、新車登録時と初回車検分が免税されます。つまり、東京都在住の方が「モデル3」を購入すると、5年間は自動車関連すべての税金を支払わなくていいわけです。そうなると維持費の中で最もウエイトを占めるのは、必然的に燃料費(電気代)ですよね。充電するために街中のEVスタンドを利用する機会も増えますが、EVスタンドで充電するには通常「充電認証カード」が必要です。
東京電力ホールディングスと中部電力が共同設立した「e-Mobility Power」を例に挙げると、利用にあたり下記の料金がかかります。

●初回登録手数料:1,980円
●普通充電プラン:月会費1540円、都度料金3.85円/分
●急速・普通併用プラン:月会費4180円、都度料金は急速27.5円/分、普通3.85円/分

会員登録していないビジター料金は、最大出力90kW以上の急速充電が5分まで一律385円、以降77円/分です。週1回以上利用する場合、月会費を支払い安く充電するほうがお得だといわれています。また、充電認証カードの発行費用や月会費は、各カードによって異なります。

燃料費を削減するために、公共施設にある無料の充電スポットを活用する方法も重要です。以前は、東京都庁の地下駐車場にある充電設備を無料で利用できるなど、都内にも無料スポットがあったのですが、現在は有料化の流れが進んでいます。自宅駐車場に充電器を設置する場合には、電気料金が安い深夜帯に充電を行うと、電気代のコストを減らすことができます。テスラに限らず電気自動車の維持費は、電気代に大きく影響されます。なるべく効率的な充電を心掛けましょう。

結局、テスラの維持費は安い?高い?

従来のガソリン車と比較して、テスラの維持費は安いと言えるのでしょうか。駐車場代や保険料を同額と仮定し、差が生じる部分の一つはメンテナンス(オイル交換など)の費用です。電気自動車には、オイル交換するエンジンやギアがそもそも取り付けられていません。

ブレーキパッドを交換することもほとんどないです。電気自動車は回生ブレーキという、アクセルを離すとブレーキがかかり、エネルギーを回収する仕組みが搭載されています。ブレーキを踏む場面があまり無いので、廃車まで一度も交換しないというケースも珍しくないのです。
税金面は先ほど説明した通り、テスラなど電気自動車の方が圧倒的に有利です。お住まいの場所によっては購入から5年間税金が0円なわけですから、相当お得に感じるでしょう。

実際にテスラを購入したオーナーのレビューによれば、ガソリン車より維持費が月1万円程度安いという声もあります。また、シトロエンやメルセデスベンツといった欧州の自動車メーカーと比べても、テスラ車は維持費がかからないという意見が多いです。高級外車とよばれる車種は、メンテナンス費用なども高くなりがちです。テスラは、修理費こそ高額な反面、普通に運転する分には維持費がおおよそ計算でき、高いとは言えません。

まとめ

ここまで、テスラを所有する場合にかかる維持費について紹介してきました。電気自動車に馴染みがないと、「最新のクルマだから維持費も高いのでは?」と不安に思っていた方もいるかもしれません。しかし、自動車税が有利になるほか、メンテナンス費用もあまりかからないといったメリットも多いです。
現状ですと、購入6年目以降から維持費が増えることになるので、5年間で買い替えを検討するのが賢いとも考えられます。自宅近辺に充電設備があるなら、電気自動車は地球にも懐にも優しいクルマではないでしょうか。