コラム

太陽光発電に蓄電池を後付けすることは可能?メリット、デメリットや料金について解説

蓄電池を後付けするメリット、デメリット

地球温暖化という世界的な課題に対して、日本の各自治体も持続可能なエネルギー供給を実現すべく、様々な取り組みを行っています。その中でも太陽光発電が生み出す再生可能エネルギーへ強い注目が集まっています。この太陽光発電システムは、クリーンエネルギーの代表格として、自治体の補助金などを活用し、多くの家庭や企業で導入が進んでいます。しかし、太陽光発電システムの導入だけでは十分なエネルギー効率を実現することが難しい場合もあります。そこで注目されているのが蓄電池の後付けです。

蓄電池を太陽光発電システムに後付けすることで発電した電力を効率的に貯蔵し、必要な時に使用できます。これにより、電力の自給自足や電力料金の削減、さらには停電時のバックアップ電源としての利用が可能になります。しかし、蓄電池の導入には初期費用や設置スペースの確保などいくつかの課題も伴います。
本記事では太陽光発電システムに蓄電池を後付けすることの具体的なメリットやデメリット、導入にかかる料金について詳しく解説します。

太陽光発電に蓄電池を後付けする価格は?

太陽光発電システムに蓄電池を後付けする際の価格は、システムの容量や種類、設置場所などによって大きく異なります。一般的には、蓄電池本体の価格、設置工事費、既存の太陽光発電システムとの連携費用などが含まれます。

蓄電池そのものの価格は容量によって異なります。例えば、一般家庭向けの6kWhから12kWhの蓄電池は100万円から200万円程度が相場です。容量が大きくなるほど価格も上がりますが、その分多くの電力を蓄えられるため電力の自給自足率が向上します。設置工事費は設置場所や配線の状況によって異なります。一般的には20万円から50万円程度になることが多いようです。また、既存の太陽光発電システムとの接続が必要な場合、追加の工事費用が発生することがあります。

蓄電池の導入には国や地方自治体からの補助金制度を利用することができます。補助金を活用することで初期費用を大幅に削減することが可能なので、積極的に利用を検討してみましょう。補助金の詳細や申請方法については、各自治体のウェブサイトで確認できますので、お住まいの自治体の公式サイトをチェックしてみましょう。

蓄電池のメリットとデメリットは?

蓄電池を後付けすることで得られるメリットとデメリットについて詳しく見ていきましょう。

蓄電池のメリット

まず、蓄電池の大きな魅力と言えば電力の自給自足が可能になる点です。蓄電池を導入することで、太陽光発電で得た電力を効率的に貯められます。その電力は必要な時に使うことができるので、これにより電力の自給自足が可能になり、電力料金の削減が期待できます。また停電時のバックアップ機能を備えることができる点もメリットの一つです。災害や停電時に蓄電池があると家庭内の重要な電力供給を維持することができますので、生活の安全性と快適性が向上します。

太陽光発電システムに蓄電池を設置するメリットとしては、エネルギー効率の向上が見込める点もあります。太陽光発電システムでは太陽の出ていない夜間や曇りの日などは発電ができませんが、昼間に発電した電力を夜間に使用することで発電と消費のバランスを取ることができ、エネルギーの効率的な利用が可能になります。

蓄電池のデメリット

蓄電池を設置することは良いことばかりではありません。デメリットについても把握しておきましょう。まず、初期費用の高さがネックになります。蓄電池の導入には高額な初期費用がかかります。価格や設置工事費を考慮して、費用対効果を十分に検討する必要があります。設置スペースを確保しなければならないという問題もあります。蓄電池は一定のスペースを必要とします。家庭内に適切な設置場所がない場合、設置が難しくなることがあります。
さらに初期費用だけでなくメンテナンス費用も見込んでおく必要があります。蓄電池の寿命は10年から15年程度であり、定期的なメンテナンスのための費用も考慮する必要があります。

「太陽光発電に蓄電池を後付けするのはやめとけ?」その真偽を解説

「太陽光発電に蓄電池を後付けするのはやめとけ?」という意見も一部で見られますが、これは一概に言えるものではありません。それぞれの家庭や企業の状況によって太陽光発電システムと蓄電池の組み合わせが適しているかどうかが異なります。

なぜ「やめとけ」と言われるのか

太陽光発電システムに蓄電池を後付けするのはやめるべきという意見が出るのはなぜでしょうか? その理由を検証した際、まず挙げられるのは初期費用の負担が重いからというのが大きいです。先述したように蓄電池の導入には高額な初期費用がかかります。これがネックとなり、導入を躊躇する声があるのは事実です。
また、それだけ高い金額を支払ったのに期待する効果が得られない場合がある点も注意喚起の声に繋がっています。とりわけ設置場所やシステムの選定が適切でない場合、期待する効果が得られずコストパフォーマンスが悪いと感じることがあるからです。

導入すべきかどうかの判断基準

では、太陽光発電システムに蓄電池を後付けするのはおすすめできないという結論になるのでしょうか?それは個々の状況によって大きく異なるため、一概に言えないというのが実際のところです。とはいえ、導入すべきかの判断基準を示すことはできます。
まず、自宅の電力使用状況を詳しく分析し、太陽光発電システムと蓄電池の導入がどれだけの効果をもたらすかを検討することが重要となります。
次に補助金の利用を考えることが大切です。補助金制度を活用することで初期費用を抑え、導入のハードルを下げることができます。それぞれの自治体では省エネ・再エネ設備の導入などに対して補助金を交付する制度を設けているところが多くあります。各自治体の補助金制度を確認し、最大限に活用しましょう。
最後に、短期的な費用だけでなく、長期的なコスト削減効果を考慮することが重要です。電力料金の削減や停電時のバックアップなど長期的なメリットを評価しましょう。

まとめ

太陽光発電システムに蓄電池を後付けすることはエネルギー効率の向上や電力の自給自足、停電時のバックアップなど多くのメリットをもたらします。一方で、高額な初期費用や設置スペースの確保、メンテナンス費用などのデメリットも考慮する必要があります。「太陽光発電+蓄電池はやめとけ」という意見もありますが、それは各家庭や企業の状況によって異なります。電力使用状況の分析や補助金の利用、長期的な視野でのコスト削減を検討することでご自分にとって最適なエネルギーソリューションを選択することが可能です。
これから太陽光発電システムに蓄電池を後付けしようと考えている方は、持続可能で経済的なエネルギーライフを手に入れるために正しい情報を基に判断するようにしましょう。是非今回の記事を参考にしてもらえればと思います。