コラム

メルセデス・ベンツの代表的なEV(電気自動車)について解説

二酸化炭素の排出量抑制のために、さまざまな産業界で多くの取り組みがなされています。その中でも、化石燃料を使用するというイメージが強い自動車メーカーでは、急速に電動自動車化を図っています。この動きは特にヨーロッパブランドで強く、主力モデルをEVに切り替える動きが加速しています。その流れの中に、高級自動車の代表格であるメルセデスベンツもあります。この記事では、メルセデスベンツのEVの特徴やメリットを解説していきます。その上で、現行モデルとしてはどんな車種があるのかをご紹介します。

メルセデスベンツのEVの特徴

メルセデスベンツは世界で最も古い自動車メーカーと言われ、自動車生産の始まりは実に1886年にまでさかのぼります。創業以来、世界のトップクラスを走る自動車メーカーとして君臨しており、特に高級車というカテゴリーでは絶対的な地位に就いています。そのメルセデスベンツの作るEVにおいても、やはり高級路線が貫かれています。
その特徴として、まず美しく機能的なデザインを挙げることができるでしょう。もともとメルセデスベンツは、流れるようなエレガントなボディーをデザインする点で、魅力的なメーカーとして知られていました。その特徴はとりわけEVに表れています。より先進的かつ未来的な自動車を作りたいという思惑があり、今までのデザインをより発展させたフォルムが目を引きます。
そして、EVとして長い走行距離を達成するためのデザインに工夫を凝らしています。1回の充電でどれだけの距離を走れるかは、かなりの程度、空力性能も関係しています。そこで、ボディー設計をするに当たって、徹底して空力に関するテストを繰り返したのです。その結果、市販車クラスでは世界最高水準とも言える空力性能を出すことに成功し、その表れとして美しい流線型のデザインが生まれました。

また、メルセデスベンツでは常に最高の車内空間を作ることにこだわっており、特にEVではそれが実現されています。エンジン音がしないのが電気自動車の特徴ですが、そこを活かして徹底した静粛性を達成できるように工夫したのです。エンジンノイズがないのは当然のこととして、その代わりに気になってしまう、タイヤからの路面音や車自体の風切り音をできるだけカットしています。そのため、メルセデスベンツのEVに乗ってみると、車内での会話をより楽しめるようになり、オーディオで音楽を聴きやすいことにも気付くはずです。

メルセデスベンツのEVのメリット

メルセデスベンツのEVを選ぶメリットとして、やはり安全性の高さが際立っています。もともと世界のVIPがメルセデスベンツを選ぶ理由として掲げるのが、万が一の事故の際にも乗員を守れるという点です。これは電気自動車でも同じであり、高電圧の電流が発生しているバッテリーなどのパーツが、衝突によって大きな被害をもたらすことがないよう、厳しい安全策を講じています。大きな衝撃を受けても損傷を最小限に収められるように、回路の遮断や保護がなされる仕組みが取られているため、リスクを小さくできるのです。

もう1つのメリットは、EVモデルが豊富に用意されていることです。高級感あふれる大型のモデルから、コンパクトサイズのモデルまで用意されています。セダンもありますし、クロスオーバースタイルもあります。そのため、それぞれのライフスタイルや家族構成、実際に使用したいシーンに合わせて、最適なEVを選べるのです。また、クラスによって販売価格も異なりますので、予算に合わせて最高の1台を選べるというのもメリットと言えるでしょう。

「車に乗るすべての人が最高の時間を過ごせるように」と、細かな点までこだわり抜いているのもメルセデスベンツのすごさです。たとえば、EVの多くのモデルには、最新タイプの大型HEPAフィルターが使われています。エアコンを使用する時など、外気に存在する花粉や細かなホコリ、PM2.5などをしっかりと取り除いてくれます。さらに、フィルターには特殊な活性炭が織り込まれていて、嫌な臭いや二酸化硫黄などを減らしてくれることで、快適な空間で過ごせるのです。

メルセデスベンツのEV一覧

メルセデスベンツが現在販売しているEVは、以下の通りです。

・EQA
・EQB
・EQC
・EQE
・EQE SUV
・EQS
・EQS SUV

このように、AクラスからSクラスまでの豊富なラインナップとなっており、EクラスとSクラスにはSUVが存在します。それぞれのクラスで、価格やサイズ、コンセプトが異なりますので、違いをよく理解して選ぶことが重要です。

EQAはいわば、メルセデスベンツEVのエントリーモデルとも言えるものです。「SUV」とモデル名には付いていませんが、スタイルはSUVに近いもので、車高が高く設定されています。比較的コンパクトですので、市街地でも走りやすく、軽快な走行感が特徴となっています。日本の道路では、むしろこのくらいのクラスのほうが走りやすいと感じる方もいるでしょう。下位グレードではありますが、レーダーセーフティーパッケージなど、高品質の装備が標準となっているのもうれしいところです。

シリーズの中間くらいに位置するEQCは、SUVとクーペの良いところを併せ持つスタイルとなっています。ゆとりのある高さと重心の低さがミックスされていて乗りやすく、快適な室内が設けられています。近未来的でゴージャスなインテリアも魅力で、メルセデスベンツらしい上質な時間を過ごせるでしょう。フロントとリアに配置されたモーターは最高出力で408PSと、まさにモンスタークラスのパワーを出してくれます。

EQEクラスにはSUVが設定されています。SUVはリアとフロントに2つのモーターが搭載されていて、オフロードモードが使えるのが特徴です。幅はフルサイズに近い2mオーバーで、全長は5m弱もあります。そのため、かなり迫力があって、室内空間は余裕を感じられます。もちろん、荷物積載量は多く、遊びに出かけるのにもぴったりです。さまざまな操作やパネル類は近未来的なデザインで、デジタル技術をふんだんに採用しています。シートやドア周りなどの内装も豪華で、Eクラスの上質感を味わえます。

EQSクラスになると、メルセデスベンツの中でもトップクラスの高級感を満喫できます。フラッグシップモデルとして投入しているだけあって、すべての点でシリーズ最高峰の実力を持ちます。たとえば、一充電当たりの航続距離は実に700kmにもなります。また、エクステリアは空力性能を最大限引き出せるシームレスデザインであり、まさに流れるような美しいボディーとなっています。急速充電にも対応しているバッテリーユニットですので、利便性が高いのもメリットです。

まとめ

メルセデスベンツのEVは、ブランドとして持つ高級感や安全性、そして細部までこだわり抜いたデザインが特徴となっています。いくつものクラスが用意されていますので、自分に合った1台を選びやすいのもうれしいところです。魅力と共に、クラスごとの特徴を押さえて、最適なEVを選びたいものです。