コラム

太陽光発電アドバイザーってどんな資格?調べてみた

太陽光発電アドバイザーとは

太陽光発電を自宅に設置しようと思っても、何かと不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。もし故障したり、トラブルが起きたら自分だけでは対処できないと思い、導入を躊躇う気持ちも分かります。
そんな時に役立つのが、太陽光発電アドバイザーの存在です。身近に太陽光発電をやっている経験者がいない、という場合でも気軽に相談でき、お悩みを解決してくれます。
この記事では、太陽光発電アドバイザーという言葉自体初めて耳にする方に向けて、一体どんな資格なのか詳しく解説していきましょう。

太陽光発電アドバイザーはどんな資格?

太陽光発電アドバイザーとは、一般住宅用太陽光発電システムの導入・管理にまつわる様々なトラブルについて、専門的な知識を活かし、相談を聞いて解決に導いてくれるプロフェッショナルです。「特定非営利活動法人 日本住宅性能協会」によって2012年10月に始まり、合格すると同協会に太陽光発電アドバイザーとして正式に登録することができます。この資格は、太陽光発電に関する専門的知識を有していることを認定する制度です。

2012年といえば、ちょうど電力の固定価格買取制度(FIT制度)がスタートした年ですよね。再生可能エネルギーが注目を集めるようになり、太陽光発電の導入件数が急速に増加していきました。それに伴い、消費者から太陽光発電にまつわるトラブルや相談も増えたのです。
まだまだ太陽光発電に馴染みがなく、知識が乏しい方もいる反面、一部の自治体で太陽光発電の設置義務化の動きが出てきました。例えば、東京都は戸建て住宅などの新築建物に太陽光パネルの設置を義務付ける条例を可決、2025年から住宅メーカーがその義務を負うことになります。
導入後トラブルが起きた時、専門的知識をもって適切な助言および円滑な解決を導くため、太陽光発電アドバイザーの需要は高まると想定されます。さらに、この資格を有すると、次のようなメリットがあるので、紹介しましょう。

●業務範囲が拡大する
●専門性をアピールできる
●調停員候補者の基礎資格となる

太陽光発電システムの設置工事を請け負う施工業者や、不動産仲介業者、費用の融資を行う金融機関などの企業は、太陽光発電アドバイザーの資格者を抱えると業務範囲を拡大できる可能性があります。販売業者や施工業者の社員で同資格の所有者がいれば、顧客の悩みや相談をすぐ聞いてくれるという安心感、事業に精通しているという専門性もアピールできるはずです。
そして、太陽光発電アドバイザーはADR(裁判外紛争解決手続)における調停人候補者の基礎資格として認定されています。特定の専門分野に限られるものの、認証ADRの手続きを正式な業務として実行できるようになるのです。

太陽光発電アドバイザーの難易度や勉強方法について

次に、太陽光発電アドバイザー試験の概要について説明します。この試験は誰でも受験することができ、受験料は8,800円です。問題形式は4択形式で計50問、時間は90分となります。合格率はおよそ50%、合格ラインは若干変動するものの大体35問(正答率70%)程度といわれています。
試験内容については、太陽光発電に関する専門的知識を有するかどうかを基準として問題が出題されます。出題範囲は以下の通りです。

●太陽光発電の社会環境に関すること
●太陽光発電システムの概要、原理・技術に関すること
●太陽光発電システムの導入に関する法令に関すること
●太陽光発電システム導入の支援施策、資金調達に関すること
●太陽光発電システムの設置基準に関すること
●太陽光発電システム導入に関しての屋根、建築構造、設備に関すること
●現場調査・安全管理に関すること
●その他太陽光発電システムの導入における実務に関すること

試験に向けた勉強方法として、まずは日本住宅性能検査協会が監修した「太陽光発電アドバイザー試験公式テキスト」や「太陽光発電アドバイザー試験対策問題集」を用いて、知識を深めるのが良いでしょう。
あるいは、資格の総合スクール「LEC」などが提供する講座カリキュラムを受講するという選択肢もあります。試験問題はおおよそ上記テキストに載っている内容から出題されるため、問題集を解いてテキストを読めば十分合格できるというレビューも多いです。独学では難しいと判断される方は、資格スクールを探してみてください。

太陽光発電アドバイザーになると年収はどれくらい?

2024年時点で、太陽光発電アドバイザーの仕事のみで生活する方はあまり多くありません。先ほど触れたように、太陽光発電に関連する事業を行う企業の社員が、資格を取得して顧客の相談に応じるといったケースが多いです。
ただし、求人サイトを閲覧すると、太陽光発電アドバイザーとしての求人情報も掲載されています。太陽光発電を事業の中核とする企業からオファーがあるようです。
その求人情報によれば、年収はおよそ350万円~400万円。正直、高収入とはいえない金額です。理由として、合格者の数がそれなりに多いことが挙げられます。毎回、600~900名ほどの合格者が出ており、試験を実施するごとに資格所有者は増えています。
難易度も強いていえば低め、合格率50%というのは他の資格と比較しても高い水準です。一例として、不動産鑑定士は合格率10%未満。ゆえに超難関の資格といわれています。太陽光発電アドバイザー専業で活動するより、事業の幅を広げるために資格を取得するという考え方が妥当なのかもしれません。

まとめ

太陽光発電が一般社会に普及すればするほど、設置後にトラブルを抱える件数も増えていくのは間違いないでしょう。専門的知識が無くとも、電気代の削減や地球環境への貢献を目的に、住宅用太陽光発電を導入する方も当然います。
何か困った事があれば太陽光発電アドバイザーに相談すれば大丈夫と知っていれば、導入における不安は幾分解消されるはずです。また、自分自身が太陽光発電アドバイザーになることで、知識が深まるのはもちろん、悩みを持つ方を手助けすることもできます。この資格は誰でも受験可能ですから、もし興味を持ったなら一度挑戦してみてはいかがでしょうか。