コラム

v2hの普及率はどれくらい?最新事情を調査してみた

v2hの最新状況

電動自動車を保有するのであれば、セットで購入を検討することが多いのがv2hです。また、自宅に太陽光発電の設備を導入するケースも増えてきました。こうしたことから、v2hの普及が進んできています。そこで本記事では、v2hはどの程度まで普及しているのか、購入している方にはどんな傾向があるのかなどを見ていきたいと思います。

v2hの普及状況はどれくらい?

日本自動車販売連合協会連合会では、年ごとの自動車販売の統計を出しています。それによると、2021年のプラグインハイブリッド車も含めた電動自動車の販売総数は44,000台程度となっています。自動車全体で見ると1.8パーセントほどとなります。v2hは電動自動車を持っている方に向けたものですので、この数字を基に普及の進み具合を考える必要があります。具体的に、どのくらいの普及率なのかをチェックしてみましょう。

v2hの普及率は上昇傾向

日本において、v2hはニチコンが2012年に販売を開始しており、2022年までの販売累計台数はおよそ1万台強とされています。全体の中でどのくらいの方がv2hを設置しているかについて、明確な普及率を示す数字はありませんが、電動自動車の年間販売台数が4万台強だと考えると、それほど低い普及率ではありません。というのも、電動自動車を保有している家庭の中には、1台だけでなく複数台所有している方もいますし、v2hをすでに設置している住宅でEVを買い換えるケースも考えられるからです。

また、経済産業省では、v2hなどの電動自動車向けの急速充電器の普及に力を入れています。2030年をめどに、合計3万台を設置することを一つの目標として掲げています。そして、この動きに合わせて、補助金制度を設けています。こうしたことも背景にあり、ここ数年、電動自動車の購入者数と共に、v2hの普及率も上昇し続けているのです。

v2h購入者の傾向

v2hを購入した方の中で、さらにどの世代がより多く購入しているかを調査してみると、30代が最も多いことが分かっています。すべての世代のうち、34.3パーセントが30代となっています。その次は40代の26.3パーセント、そして20代の19.2パーセントと続きます。こうして見ると、v2hを購入するのは若い世代が中心となっていることが分かります。エコに対する関心が高いことや災害対策などの目的で最新設備を導入することに前向きであることが原因と考えられます。

v2h購入者としてどんな家族構成が多いのかを見てみると、子どもを持っている家庭が全体の6割程度を占めています。v2hを設置する場合、ある程度設置スペースを確保できる戸建て住宅が多くなりますので、必然的に家族で住むためのマイホーム保有者による購入が多くなるわけです。
何台の電動自動車を保有しているかの違いで見てみると、1台のみの保有というケースが31パーセント程度で、2台保有が約30パーセントとなっています。やはり、2台電動自動車があるとバッテリーの容量がかなり大きくなり、災害時の電力供給などにも余裕が出てきます。それだけv2hを持つメリットが大きくなりますので、2台保有の家庭がv2hを購入するというのは意味のあることと言えるでしょう。

v2h導入のきっかけはどのようなケースが多い?

v2hをどうして購入することにしたのかというのは、これからv2hを買うかどうか迷っている方にとって気になるところでしょう。実際の調査では、戸建て住宅を購入するタイミングでv2hを設置することにしたというケースが一番多くなっています。特に、住宅に太陽光発電システムを付帯する場合、その割合はより高くなります。太陽光発電と電動自動車をより効率的に使うためには、v2hが第一選択肢となりますので、購入する良い動機づけとなります。
導入のきっかけとして次に多いのが、災害などによって生じる停電に備えたいという動機です。日本は災害大国で、毎年のように大きな災害が起こっています。家族や財産を守るためにも、自宅でできる備えをしておくことは重要です。v2hを非常用電源として利用することは、安心安全を保つために役立つのです。

さらに導入を決めた理由として、自宅にソーラーパネルを設置するタイミングや電動自動車を購入したことが挙げられています。太陽光発電システムでは売電するだけでなく、自宅でも発電した分を利用するために何らかの設備を追加で入れる必要がありますので、その選択肢としてv2hを検討することが多いわけです。また、電動自動車を購入する場合は、自宅から給電するための設備導入が必須となります。より効率よく電力を使うためにはv2hは優れた選択肢となりますので、購入を決意するきっかけとなるのです。

v2hの今後の普及について

今後もv2hの普及はさらに進んでいくと考えられます。というのも、まず電動自動車の販売台数が年々増加していることが大きな要因となっています。EVを購入する場合、いずれかの充電器が必要となりますが、v2hであれば急速充電が可能となります。従来の充電スタンドの2倍程度の速さで充電が可能となるため、待機時間が圧倒的に減り、電動自動車を気軽に使用できるのです。こうした利便性の良さを味わうためにも、電動自動車とセットでv2hが普及していくでしょう。

そして、上記のように、政府が積極的に電動自動車やv2hの普及を進めていることも関係しています。政府主導でEVやv2hを購入するケースでは補助金が出され、その金額は年を追うごとに増えています。これからもその傾向は続くと思われますし、国だけでなく、自治体からも追加の補助金を出すケースも増えています。
v2h設置には少なくても数十万円のコストがかかりますので、気軽に購入できるものではありません。しかし、補助金制度が充実していくことで、そのハードルは下がり、購入希望者が増えるのは確実です。

実際に、今までの補助金制度への申込みはどの年も応募者が殺到する状況でした。金額が高くなれば、より多くの人が補助金を求めて購入したいと考えるようになるのは自然な流れと言えるでしょう。
エネルギーコストの上昇も、v2hの設置に弾みを付けるものとなり得ます。電気代は全国的に高くなっている傾向が見られ、価格低下の方向に向かう様子は見られません。そこで、電気自動車とv2hを活用することで、電気代を抑えられるというメリットに注目する方が増えています。多くの電力会社では深夜電力の単価を下げていますので、深夜帯に電気自動車に充電をして、単価が上がる時間帯に放電することで、電気代を節約できるのです。

こうした効率的な使い方ができるよう、最も電力料金を抑えられる形で充放電ができるシステムを各社で提供しています。住人がいちいち手作業で充電作業などをしなくても、管理アプリが自動判別して、ベストのタイミングで動かしてくれるというわけです。こうしたサービスが広がっていることも、普及を後押しするものとなるでしょう。
電動自動車の普及に伴い、v2hを設置する家庭も増えてきています。補助金制度の拡充なども踏まえ、今後さらに普及は進んでいくはずです。導入を検討しているのであれば、前向きに考えてみましょう。