コラム

ニチコン社のv2hはどんなシステム?概要や仕組み、価格等を徹底紹介

ニチコンのv2h

電気自動車への充電と、自宅への電力供給を行うv2hにはたくさんの製品が存在します。メーカーによっても仕様や機能、価格などが大きく異なることがあります。
そこで、この記事ではv2hの分野で知名度の高いニチコン社の製品について、その特徴やメリットデメリットを紹介していきます。他のメーカーとの違いを比較して、導入時の検討材料にしていただければと思います。

ニチコンのv2hの特徴

ニチコンは京都市に本社機能を置く企業で、1950年に設立されています。蓄電システムや充電器などの開発、製造を始めとして電源関連の幅広い事業を行っています。高い技術と先進的な装置の開発の経験を生かして、EVやPHV向けの充電ユニットの開発についても高い評価を得ています。
このように、ニチコンはもともと電源関連の技術を持っていますので、v2hのジャンルにおいても高いシェアを誇っています。少なくとも日本のマーケットにおいては、パワーステーションメーカーとして圧倒的な支持を得ています。そもそもv2h機器の開発はニチコンが日本で初めて成し遂げたという実績があり、信頼のおける企業であると共に、豊富な知見を持っているのがアドバンテージとなっています。

v2hは大きく分けると、太陽光発電と通常の電力会社からの供給、電気自動車のバッテリーの3つの電力を同時に使える「系統連係」タイプと、同じタイミングではそのうちの1つしか使えない「非系統連係」タイプというものがあります。「系統連係」タイプであれば電気自動車から自宅に電力を送っている間にも、ソーラーパネルから供給される電力も同時利用できるため使い勝手は非常に良いです。そのため、予算や設備設置に余裕があれば、こちらのタイプがおすすめです。ニチコンではいずれのタイプのv2hも販売していますので、状況に合わせて選ぶことができるでしょう。

ニチコンv2hのメリット・デメリット

ニチコンv2hを導入するメリットとしてはEVへの充電効率を高められるという点があります。ニチコンのシステムでは、6kWH未満の大出力での急速充電が可能です。そのため、通常の充電器に比べて倍近い効率で充電でき、余計な待機時間を作らなくて済むのです。さらに、ニチコンでは深夜電力など電気料金が安い時間帯に合わせて充電をする機能が設けられています。自動車を使わない夜間に充電をすることができる上、電気代を抑えられますのでコストカットには最適です。

ニチコンのプレミアムプラスというモデルでは、全負荷型という高機能の電力供給ができる機能を備えています。これは、EVから自宅に電力を送る時に、一部の部屋もしくは設備だけでなく、家一軒すべてに電力を供給できるシステムです。しかも、200Vにも対応していますので、IHキッチンやリビングの大きなエアコンを稼働させることも可能となります。最大出力は6,000Wもありますので、平常時の電化製品の使用も実現できます。一般的な蓄電池よりもハイパワーの電力供給ができますので、停電時でも困ることなく普段通りの生活を送れるでしょう。

さらに、ニチコンv2hの系統連係タイプを使用することで、効率よく電気をためたり使ったりすることができます。太陽光発電と電力会社からの電気を同時に使用可能となっているため、その時の状況に応じて効率の良い電力供給を選択できるわけです。たとえば、日中に太陽光発電をしているものの必要な電力が足りない場合、電力会社からの電気を同時並行で供給し、自宅での電化製品の使用もEVへの充電も同時に行えるようにします。

もう一つのメリットは、エコに貢献できるということです。自宅のソーラーパネルで発電して余った分をv2hを通して電気自動車に充電できます。太陽光発電でEVのエネルギーをまかなうことができれば、燃料費や電気代をかけずに走行することになります。太陽光発電でもEVでも化石燃料を使いませんので、二酸化炭素の排出をゼロにしてクリーンなエネルギー活用となるわけです。個人レベルでエコに貢献したいという方にとっては素晴らしい選択となるでしょう。

一方で、いくつかのデメリットもあるので注意が必要です。幅広い車種に対応しているとはいえ、すべての電気自動車でニチコンv2hを使えるわけではありません。トヨタ、日産、三菱などの主要メーカーについては、主力EV、PHV、PHEVが使えますが、旧モデルだと対応できないものもあります。また、これから登場する新モデルについては対応できるか不明な点もありますので注意しましょう。
また、価格が決して安くないという点も覚えておくべきです。実際の金額については後述しますが、本体だけでも安くて50万円、高いものだと170万円オーバーとなります。ちょっとした車が一台買えるだけのコストをかけられるか、ということを考慮して導入しなければなりません。

ニチコンv2h製品について

家庭用のニチコンv2h製品は「パワーステーション」という名称で販売されています。大きく分けると、スタンダートモデルとプレミアムモデル、プレミアムPlusモデルの製品ラインナップがあります。これらのモデルの違いは機能性の差が大きく、最大出力はどのモデルであっても6hWh未満ということになっています。

スタンダートモデルは、税抜きで50万円から55万円で希望小売価格が設定されています。特定負荷型の電力供給となっていて、停電時の自宅への電力供給では一部の部屋のみに供給されます。また、スマホ操作はできない仕様で本体でのみの操作となります。

プレミアムモデルは、全負荷型ですので停電時の電力供給はすべての部屋で可能です。さらに、停電している時でも蓄電池やソーラーパネルからのEVへの充電ができます。専用アプリが用意されていますのでスマホでの操作ができるのも特徴です。価格は税抜きで約80万円となっていて、製品保証期間が5年間に設定されています。

プレミアムPlusモデルは、停電時の電力供給がすべての部屋と設備に可能な全負荷型で、200Vでの供給もできます。もちろん、停電している時でも電気自動車への充電が可能となっています。停電した時には、スマホの簡単な操作で電力供給モードに切り替えられるなど便利な使い方ができます。価格は税抜き170万円強とかなり高価ですが、それだけの性能を持っている最高級のモデルと言えるでしょう。

どれもそれなりの価格がするものですが、ニチコンv2hの導入には補助金制度を使えます。自治体によって補助金の合計金額や対象条件が異なりますので事前に確認してみましょう。いずれにしても、お得に質の高いニチコンv2hを設置できるチャンスとなりますので検討する価値が十分にあります。

信頼度の高いニチコンv2hの導入を考えてみよう

電気自動車への充電、停電時の自宅への電力供給のためにv2hは重要な役割を果たします。v2h機器はいくつかのメーカーがありますが、ニチコンは国内ではトップクラスのシェアと信頼度を誇っています。製品によって機能や価格に違いがありますので、ライフスタイルや予算などを考えながら自分たちに合ったものを選びましょう。