フォルクスワーゲンは輸入車として日本でも人気の高いメーカーです。EVの分野においても積極的に開発を進めており、早い段階から実用化をしていました。日本における電気自動車の販売はe-GolfとID.4があります。このうちe-Golfはすでに販売終了となっていますので、日本では新車購入できるのはID.4のみとなっています。
そこで、本記事ではフォルクスワーゲンID.4の特徴や価格について解説していきます。
フォルクスワーゲンのEVの概要と特徴
フォルクスワーゲンは世界的な人気モデルであるGolfシリーズにEVモデルを投入していました。コンパクトなボディーと街乗りに最適な走行性能を持ったEVで、気軽に乗れる国外EVとして注目されました。一充電当たりの航続距離を日常生活で問題のないレベルまで引き上げていることや、ガソリン車と変わらない走行感覚や室内の快適さなどを重視した電気自動車を作りあげました。このように、フォルクスワーゲンは、普段使いで快適さを感じられるEVを作る点で高い評価を受けているのが特徴です。
また、フォルクスワーゲンの主戦場であるヨーロッパでは中国のEVが参入し始めています。中国メーカーは製造コストが安いのが特徴で、販売価格もそれに応じて割安感があります。こうした勢力に対抗するためにもフォルクスワーゲンはEVの価格設定を低めにした開発戦略を採っていて、全体的に気軽に購入できるのがメリットです。これは日本販売モデルでも言えることで、EVかつ輸入車であるのに国内EVよりも割安と感じられることもあるほどです。
フォルクスワーゲンID.4はどんなEV?
現在、日本で新車購入できるフォルクスワーゲンのEVとしてはID.4があります。このモデルは2022年に販売開始となっていて、ProとLiteの2つのグレードがあります。スタイルとしてはSUVで、走破性が高いのが特徴です。同時にボディサイズを4,585mm×1,850mm×1,640mmとしていて、街中でも走りやすいコンパクトSUVという形に収めています。ホイールベースは2,770mmですので小回りもしやすく、狭いスペースでも駐車場でも取り回しがしやすいです。
また、ラゲッジスペースを543L取っているため多くの荷物を積載することができ、家族みんなで旅行に出かけるのにも適しています。なによりも、一充電当たりの航続距離はLiteグレードで435km、Proグレードだと実に618kmもあります。ガソリン車以上の航続距離を誇るEVとなっていて、長距離走行も安心して出かけられるのがメリットです。充電時間は90kWの急速充電を使えば40分程度とかなり速く、実用性に優れていることが分かります。
ID.4はリア側にモーターを搭載していて、高い走行性能を発揮してくれます。電動自動車ならではの高い発進、加速力を実現するのに最適な設計となっていて、パワフルな走行感を楽しめる一台に仕上がっています。また、重心バランスを工夫することで、SUVタイプでありながらも高速走行時の安定感や、コーナリング時の操作性を高めることにも成功しています。このように、快適なドライブと共に走行自体を楽しめる車となっているわけです。
安全性能についてもフォルクスワーゲンが持つ最新の装備を搭載しています。「トラベル・アシスト」というシステムによって、前方の車を検知してアクセルやブレーキを操作し車間距離を保つことができます。また、歩行者や障害物などを高精度のセンサーで検知して、危険と判断したら自動的にブレーキをかける「フロント・アシスト」も搭載されています。そして、高速走行時などは、車線を変更する「サイド・アシスト・プラス」装備もあって、快適で安全な自動運転支援システムの恩恵にあずかれます。
車内はクールなデザインで、ヨーロッパ車らしい優雅な雰囲気を感じられます。インパネ周りはEVらしく完全デジタル化されています。スピードやバッテリー充電状況、残りの可能走行距離などを一目で確認できて便利です。さらに、同じ画面にナビ表示ができますので、視線を移すことなく必要な情報をすぐにチェックできるのもうれしいところです。そしてこのID.4では、ドライバーの座っている位置に合わせてディスプレイが最適な位置で見えるようになっているため高い視認性が確保されているのも特徴です。
エクステリアはフォルクスワーゲンらしい流れるような曲線とシンプルなデザインが施されています。シャープな作りのLEDライトは存在感があって、路面を確実に視認できる作りとなっています。ボディーラインは空力特性を考慮したデザインで、風切り音を最小にしてくれる配慮がなされています。そのため、エンジン音がなく静かなEVの魅力をさらに高めてくれています。SUVなのでテールドアは大きめで荷物の出し入れがしやすい形となっています。パワーゲートですので、背が高くない方でも力が弱い方でも安心です。さらに、挟み込み防止機能が付いているため、怪我防止にも役立ちます。
フォルクスワーゲンのEVの価格について
現行のフォルクスワーゲンID.4は、Liteグレードが514万2,000円となっています。Liteグレードは、バッテリー容量が52kWhでモーター最大出力が125kWあります。モーター最大トルクは310Nmとなっています。上位グレードであるProの価格は648万8,000円に設定されています。バッテリー容量は77kWhとなり、航続距離がぐっと伸びます。また、モーター最大出力も150kW出ます。最大トルクについてはどちらのグレードも同じです。
これに、安全性能装備や自動運転支援システムなどのオプション、メーカー純正オプション装備などを加えていきます。フォルクスワーゲンでは、オンラインからもいろいろと条件を変えて価格シミュレーションができるようにしていますので、好みの装備やカラーリングを変えて見積もりを出してみると良いでしょう。
フォルクスワーゲンでは、2024年5月に新しいEVを発売すると発表しています。「ID.1」という名称で、コンパクトな街乗りカーという位置づけのモデルです。フォルクスワーゲンの「ポロ」シリーズに相当するモデルと考えられています。まだ装備や走行スペックなどの詳細は明らかになっていませんが、価格設定の点で先行して発表を行っています。それによると、販売価格として340万円程度を予想しているとのことです。この価格帯は輸入外車のEVとしてはかなり安く、国内EVと比べてもお得な価格設定となっています。
まとめ
フォルクスワーゲンは過去にe-GolfというEVを出していましたが、現行ではID.4が唯一の新車購入できるEVとなっています。SUVタイプですが街乗りにも快適な作りで、ガソリン車と比べても非常に長い航続距離を誇るのが特徴です。また、便利な装備も搭載していて、あらゆる層にメリットの大きなモデルとなっています。フォルクスワーゲンはこれから低価格のEVを出すことを決めているため、より気軽に電気自動車に乗りたいという方は要チェックです。