太陽光発電投資は儲かる?

太陽光発電に投資して実際どれくらい儲かるの?失敗しないためのコツ

太陽光発電においては、主に自家消費する目的で設置する住宅用太陽光発電と、売電収入によって利益を出す産業用太陽光発電があります。住宅用は発電システムの出力が10kW未満、産業用は10kW以上と区分が定められており、太陽光発電投資を行う場合には産業用を選ぶことになります。発電した電気はすべて電力会社などに買い取ってもらう全量買取というシステムを利用するためです。
太陽光発電投資には様々な意見があり、年間100万円以上の利益を出す人もいれば、結果的に損をしたという人もいるのが実際のところ。上手く成功させるためには、失敗しないコツをしっかり覚えて、入念に準備したうえで始めることが重要です。
では、今から投資を開始すると、どのくらい儲かるのでしょうか。詳しく説明していきましょう。

太陽光発電投資で儲かる仕組み

太陽光発電の初期費用は、住宅用太陽光発電の場合、100〜150万円が目安とされていますが、産業用太陽光発電は規模によって1,000万円以上かかる場合もあります。投資金額が高額なので、一括払いで購入する人は少なく、多くの人は金融機関でローンを組んで太陽光発電システムを購入することになるでしょう。そうなると、いつまでに投資費用が回収できるかが利益を出すための重要なポイントです。一般的に、投資向けの太陽光発電システムに対する国や自治体からの補助金はありません。補助金による初期費用の低減は期待ができないということです。

しかし、投資として開始するなら、全量売電可能な50kWh以上の太陽光発電所の購入がおすすめと言われています。理由として、一つ目はkWあたりの単価を安くしやすいことが挙げられます。商品の仕入れと同じ考え方で、大量のソーラーパネルを一括購入しパネル1つあたりのコストを下げるのです。
二つ目は、産業用太陽光発電の固定価格買取期間が20年間と決められている点です。この20年間は、経済情勢がどう変わろうと売電価格が上下することはありません。年間発電量のデータは専門業者などが保有しているので、事前シミュレーション通りに収益を得ることができます。大容量の電気を固定価格で継続して買い取ってもらえることが、太陽光発電投資の魅力。規模が大きければ、そのメリットも膨らむわけです。
また、一度設置して定期メンテナンスを業者に一任すれば、管理や清掃、点検を自分でやらなくていいので、投資初心者の方でも始めやすい投資なのです。知識や経験が求められない投資という部分は、不動産投資とは大きく異なると言えるでしょう。初期費用は決して安くないものの、その後20年間にわたり安定した利益をもたらしてくれるなら、投資として十分魅力があると言えます。

そこで気になるのが、投資回収年数です。簡単に言うと、「何年で元が取れるの?」という指標で、この数字が小さいほど短期間で初期費用を回収できます。産業用太陽光発電の投資回収年数はおよそ10~12年と言われており、ランニングコスト(維持管理費用)を多めに見積もると、プラス1~2年かかると考えておけばよいです。ただし、金融機関から融資を受けて太陽光発電を導入する場合は、プラス3年程度(金利によって異なる)と計算しましょう。12年で初期費用を回収できれば残りの8年間の売電収入は全て収益になります。20年間の固定価格買取期間が満了しても電力会社に売電することは可能ですので、長期で運用すればするほど、利益は年々増えていきます。

具体的に、自分が太陽光発電投資を開始してどのくらい儲かるのか計算したい人は、以下の計算式に基づいて数値を算出してみてください。年間支出とは、金利や地代、保険や固定資産税、メンテナンス費用などを指します。

太陽光投資の実質利回り=(年間収益-年間支出)÷初期費用×100(%)

太陽光発電の投資で失敗するよくあるケース

太陽光発電投資は、国が制定したFIT制度(固定価格買取制度)によって支えられ、企業がメガソーラー(大規模太陽光発電所)を立ち上げるだけでなく、多くの個人事業主も太陽光発電システムを導入して運用を行っています。実際に投資した人からは、誰でも手軽に始められると高く評価される一方、
「太陽光発電はやめた方がいい」
「失敗した」
という声も聞かれます。一体その差はどこにあるのでしょうか。

産業用太陽光発電は、どうしても必要になるものが多く、パネルの枚数や周辺機器など初期費用がかさみます。一番理想的なのは融資を受けず一括払いすることですが、ローン返済する場合でもなるべく金利が低いプランを選びましょう。金利の差で投資回収年数が変わってきます。地震や台風、その他自然災害の被害を受けてしまう危険があるのもリスクの一つです。メーカーの保証期間内であれば無料で修理・交換が可能ですが、保証期間外もしくは地震や台風などの自然災害も保証の対象外となっている場合があります。こういうケースだと、もし地震の被害を受けた時、全額自己負担で修復しなければならず、想定外の出費がかさみ、失敗に繋がりかねません。自己負担額をなるべく減らすために、保険に加入しておくことをおすすめします。
ところが、保険料が一定額かかるため、「きっと大丈夫だから、保険には入らなくていい。月々の支払いがもったいない」という考えで未加入の人も少なくありません。
先程も触れたとおり、自然災害で莫大な損害を被ると、立て直すのに相当な時間と費用がかかります。手持ちが無く、金融機関から修復費用を融資してもらうとなれば、ますます投資回収年数が遅くなるでしょう。太陽光発電投資で失敗したくないなら、「備えあれば憂いなし」。しっかり保険に入り、万が一の事態に備えておくことが大切です。

また、当たり前のことに聞こえるかもしれませんが、成功のコツとして事前にシミュレーションして利回りの計算、日照条件などを計算しておくことが必要です。太陽光パネルの発電効率と動作環境に関する仕様をしっかり確認するほか、複数のパネルメーカーから環境にあった最適なパネルを比較検討しましょう。融資を受けて導入する人だと、発電を開始してから10年程度はなかなか利益が出にくいようです。その期間に、「やっぱり太陽光発電じゃ儲からない!やめてしまおう!」と諦めてしまうと、せっかくの初期費用が無駄になり、回収できずじまいです。実際に収益がもたらされるのは12~15年後以降。投資回収年数を過ぎてから、ようやく利益が手元に残るようになります。長い目での運用・管理を怠らず継続することが、後々の成功に直結しているわけです。

太陽光発電の投資は土地あり・なしで大きく変わる?

産業用太陽光発電を新規で開始する場合、土地選びがとても重要なポイントとなります。なぜなら、大容量のソーラーパネルを設置するためには広い敷地面積が必要になるだけでなく、その土地の日照条件が良くないと発電効率が大きく悪化するからです。初期費用において地代は大きな割合を占めるので、空き地や広大な庭を所有する人は、そこに太陽光発電システムを設置するのがよいのではないでしょうか。そうでない人は土地を探して購入、もしくは賃借契約を結ぶことになります。

一例として、10kW分のソーラーパネルを並べて設置するのに必要な面積を15坪、およそ50平方メートルと仮定します。都道府県別発電量1位は山梨県なのですが、その県庁所在地がある甲府市だと、1坪あたり約12万円かかります。日本で最も地価が高いといわれる東京・銀座だと1坪1億円以上の場所もあるので、甲府市の地価は随分安く感じるかもしれません。それでも10kW分の設置面積で、180万円程度になります。規模を拡大すれば、比例して地代も増えます。参考までに、人によっては30坪、100平方メートル必要という意見もあります。ソーラーパネルの周りに一定のスペースを空けて管理しやすくするには、それぐらい必要だということです。
実際の設置面積はそれぞれの場所、周辺環境により変化するので一概には言えません。いずれにせよ、太陽光発電投資においては、土地所有者が非常に有利なのは否めません。初期費用を削減できれば、その分失敗の確率は下がるからです。
屋根ではなく、地面にシステムを設置することを”野立て”といいますが、野立て太陽光発電の場合、
●周囲に影を作るものがないか
●地盤は強いかどうか
●地面のままかコンクリートか
など土地の環境にあった工事が必要になります。既に所有する土地でも、全く太陽光発電に向かない場所では、新たな土地を探す方が成功する可能性もあります。入念な土地選びが、太陽光発電投資の成功の鍵を握るといっても過言ではありません。ご自身で現地に足を運び、納得できる土地を選ぶようにしましょう。

まとめ

太陽光発電投資に対して、世間ではネガティブな意見や失敗談も聞かれ、不安になっていた人も多いかと思います。しかしながら、太陽光発電は太陽がある限り、電気を使う人がいなくならない限り、安定して需要と供給が生み出される、安定した投資と言えます。昨今は世界情勢が激しく動いていますが、どんな状況であっても太陽光発電投資が影響を受けることはありません。固定価格買取制度によって売電価格が一定に保たれているからです。
節税対策としても太陽光発電投資は企業や個人事業主から注目を集めており、減価償却費を計上することで税金支払額を抑えることができるメリットも忘れてはなりません。だからこそ、これまで不動産投資や株式投資をやっていた投資家たちが、太陽光発電投資に乗り出しているわけです。
いち早く始めたいと考えている人も、土地や設備をしっかり確認して、本当に最適な環境なのか、何年で初期費用を回収できるのかシミュレーションを重ね、是非太陽光発電投資を成功へと導いていただければと思います。


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