コラム

BMWの代表的なEV(電気自動車)について解説

BMWのEV

インパクトのあるデザインとスポーティーさで世界的に人気の高いBMWは、EVについてもたくさんのモデルを送り出しています。BMWは比較的早い時期から電気自動車の開発に取り組んできており、その技術は経験に裏付けられたものです。この記事では、BMWのEVにはどんな特徴や魅力があるのか、モデルのラインナップはどうなのかを具体的に解説していきます。同時に、全体的なBMW電気自動車の価格帯についてもご紹介します。

BMWのEVの特徴

BMWは、EVについて強い思い入れを持って開発を進めています。その証拠として、BMWでは従来のガソリン車とは異なるEV専用のボディーフレームを開発していますし、足回りもガソリン車のものを流用せず、専用設計としています。そのため、同じBMWというブランドであっても、ガソリン車とは異なるデザインや雰囲気を持っているのです。
多くのメーカーでは、ガソリン車の基本的な構造を流用して、モーターとバッテリーを組み込むことで電気自動車としているケースが多いです。BMWのロゴが付いていても、一目見れば電気自動車であると分かる作りとなっていることは、このブランドならではの特徴と言えるでしょう。

さらに、EVを設計・製造するにあたって、その素材にもこだわっているのが特徴です。特に、キャビンスペースにはカーボン素材を多用している点は、BMWの電気自動車において注目したいところです。金属ではなくカーボンを使用することによって、かなりの軽量化を図ることができます。その分、航続距離を大きく伸ばすことに成功しているのです。また、剛性が強いため、力強いトルクを生み出すEVであっても、ぶれることなくスムーズな発進やコーナー時のGに耐えられるようになっています。

もう一つのBMWのEVの特徴として、充電キットまでトータルで提供していることが挙げられます。いくつかのバージョンがありますが、最新の「BMW Wallbox」は急速充電に対応していて、屋外にも設置できる充電ステーションです。一般住宅にも設置するのが簡単な仕組みとなっていて、初めて電気自動車を購入する方にもメリットが大きいサービスと言えるでしょう。

そして、BMWの強みである走行性能の高さはEVでも十分発揮されています。特に、モーターの力を最大限生かせるスタート時のトルクは従来のガソリン車を上回るもので、一気に加速してくれます。しかも、電子制御の性能が優れているため、レスポンスが非常に速く、高速まで駆け抜けるような疾走感を味わえるでしょう。この走行性能を支えているのが、低重心のボディー構造です。重量のあるバッテリーやモーターをできるだけ低い位置に格納することで、路面に張り付くような低重心の走りを見せてくれます。

BMWのこだわりはサウンドにも表れています。EVはエンジンがないため、排気音がなく静かなのですが、走りの楽しさを味わうために、走行サウンドを付けることができるようになっています。しかも、映画音楽の巨匠と呼ばれる音楽家がモーター走行をイメージした迫力ある音を作っており、それを再現できるのです。シーンに合わせてドライビングサウンドを変更できるこだわりようで、BMWならではの特徴を満喫できるでしょう。

BMWのEVのラインナップ

BMWにはさまざまな魅力を持ついくつもの車種が存在し、それぞれに異なる良さを出しています。BMWのEVは、「i」という頭文字でシリーズ化されています。具体的には、次のようなラインナップがあります。

・i4
・i5
・i5 Touring
・i7
・iX
・iX1
・iX2
・iX3

iシリーズの中で「X」が付けられているものはSUVタイプで、それ以外はセダンと見分けることができます。ちなみに、i5 Touringはいわゆるステーションワゴンスタイルの車となっています。このうち、代表的な車種について詳細を見ていきましょう。

i4には、自動運転システムが設けられています。「ハンズオフ機能」や「ドライビング・アシスト・プロフェッショナル」といった機能は、高度なシステムで運転を非常に楽にしてくれます。また、「コネクテッドドライブ」システムが搭載されていて、音声で操作ができるようになっています。より便利で、近未来的な機能を持ったモデルと言えるでしょう。

ステーションワゴンのi5Touringは、その形状から、室内空間とラゲッジスペースがとても広いのがメリットです。そして、バッテリー容量が大きくなっていて、83.9kWhに対応しています。これにより、1充電当たりの航続距離は500km程度まで伸びていますので、遠出をするのにもアウトドアに出かけるのにも便利な車です。エレガントさとアクティブな雰囲気が巧みに盛り込まれたエクステリアで、あらゆる層に支持されるモデルと言えるでしょう。

X1はBMWが誇る高級SUVですが、その電気自動車バージョンとも言えるのがiX1です。デザインはX1にかなり近いですが、アダプティブLEDなどを搭載し、バージョンアップしています。また、タッチパネルでさまざまな操作ができる仕組みを採っていて、ドライバーの負担を軽くしてくれるのもうれしいところです。アウトドアも想定したハードな足回りとボディー構造で、最大航続距離が500km程度となっているので、どこにでも行ける1台と言えるでしょう。
このiX1のミドルクラスとも言えるのがiX3です。価格を多少下げて、気軽に乗れるBMWのSUV電気自動車という立ち位置です。それでも、高度な電子制御によってコントロールされる足回りや存在感のあるエクステリアなど、BMWならではの魅力を満喫できます。

BMWのEVの価格帯とスペック

BMWのEVは、モデルごとに価格が大きく異なります。たとえば、iX1は標準装備の場合は650万円から用意されています。このモデルの最高出力は204PS、最大トルクは250Nmにもなります。サイズは4,500mm×1,835mm×1,620mmとなっています。
クーペのi5は標準装備で998万円からの価格設定となっていて、上位グレードになると1,560万円の価格が付けられています。最高出力は340PSにもなり、最大トルクは400Nmを発生する、まさにモンスタークラスのスペックです。
さらに、i7は1,598万円から2,208万円までの価格設定がなされています。すべての面で最高クラスの質が確保されていて、最高出力はなんと455PS、最大トルクは650Nmにもなります。1充電での走行距離は652kmに達します。

まとめ

BMWでは、EVにおいてもブランドの魅力であるスポーティーさやデザインの美しさを継承しています。さらに、電気自動車に強いこだわりがあり、EV専用の設計がされているため、選ぶ価値は十分にあるでしょう。「i」シリーズがEVのラインナップとなっていて、価格帯は600万円台から2,000万円オーバーのモデルまであります。豊富な車種が用意されていますので、利用シーンや予算などを総合的に考えて、自分にぴったりの1台を選べるでしょう。