コラム

太陽光発電を設置するのに費用はどれくらいかかるの?推移や内訳を中心に簡単に解説

太陽光発電設置のコスト

太陽光発電を住宅に導入しようと考えた時、最も悩むところは設置費用ではないでしょうか。ソーラーパネルだけでなく、パワーコンディショナーやその他装置、場合によっては架台(※コンクリートと金属で作られた構造物)など、あらゆる設備の大まかな費用を把握しておかないと、想定外の出費がかさんでしまうことも。決して安い買い物とは言えませんが、しっかり見積もりを立てて予算を組んで購入すれば、お得なエコ生活を始めることができます。しかも、設置費用は年々安くなっているため、確実に手を出やすくなったと言えるでしょう。
本コラムでは、設置を検討するうえで必ず押さえておきたいポイントを紹介するので、一つずつ見ていきましょう。

太陽光発電の設置費用の推移

経済産業省の調達価格等算定委員会がまとめた、太陽光発電システムの設置費用の推移によると、2022年の設置費用目安は10年前の2012年と比較して、およそ35~40%低下しています。新築を建てるのにあわせて屋根に太陽光発電システムを取り付けるケースだと、2022年時点で費用は1kWあたり約28万円です。ここで注意しておきたいのは、既に住宅を所有しており、リフォームという形でソーラーパネルを設置する場合には、費用が新築よりもプラス3~4万円高くなります。着工前であれば新築工事に合わせて太陽光発電システムを設計でき、電気配線や取付工事など、一通りの工程を新築工事と並行して進めることができるので、費用を抑えることができるのです。
一方、既に住宅を建てていると、屋根の形状や方向、ソーラーパネルの角度や配線など、新規に設計をしなければならないため、その分金額が増えてしまいます。
実際に、設置費用の推移を見てみると、新築のケースなら2012年に1kWあたり約43万円に対し、2022年は約28万円。
既存住宅だと、2012年が48万円に対し、2022年は32万円。
設置費用が年々やすくなっているとはいえ、新築よりも費用がかかることに変わりはありません。
もしこれから新築を建てようと検討している方は、まさに今こそ太陽光発電システムをお得に導入するチャンスと言えます。太陽光発電を成功させる大事なポイントとして、初期費用をなるべく安くすることが挙げられます。新居を建て終わった後、「やっぱり太陽光発電システムが欲しい」と思って、追加工事を依頼するとそれだけで20万円近く損してしまう恐れがあるので、最初の段階から積極的に検討すべきでしょう。

1kWあたり約28万円を目安にしましょうと先述しましたが、その内訳は以下の通りです。

・ソーラーパネル 17.1万円
・パワーコンディショナー 4.2万円
・架台 2.1万円
・その他の設備 0.2万円
・工事費 6.6万円

上記の数字を足すと、30万円を超えてしまうのでは?と疑われるかもしれませんが、ここで大事になるのが同業他社との価格比較、つまり「相見積もり」です。
相見積もりは、業者が多ければ多いほど安くなりやすい傾向にあります。最低でも3社以上から相見積もりを取って、信頼できる施工業者に値引き交渉する材料として、準備しておくことをお勧めします。最終的に28万円前後で収まるケースが多いようです。
そして、住宅用太陽光発電システムは、だいたい3kWから5kWの規模で設置することになります。1kWあたり28万円という前提のもと、2022年時点でのシステム設置費用の相場は、84万円(3kW)~140万円(5kW)万円程度です。2012年の設置費用は215万円(5kW)だったので、なんと75万円も費用が安くなったのです。今後どこまで安くなるのか、現時点で判断するのは難しいところですが、価格の低下幅も縮小傾向にあるため、早めの検討が良さそうです。

太陽光発電の設置費用は空き地が便利?

太陽光発電やソーラーパネルと聞くと、多くの人が住宅の屋根に設置しているものを思い浮かべるのではないでしょうか。確かに屋根に取り付けるのが一般的であることに間違いはありません。ただし、選択肢としてもう一つ、空き地などの広大なスペースを用いるという手段もあります。
空き地の所有者にとっても、土地活用という意味で太陽光発電システムは非常に魅力的です。屋根ではなく空き地に設置した場合、どのような違いがあるのか解説していきます。
まず設置費用に関しては、ソーラーパネルの面数が増えてもトータルの費用が割安になる可能性があると言えます。空き地という広い場所だと、住宅用太陽光発電システムではなく、10kW以上の産業用太陽光発電を設置することができます。雑草や低木が生えている土地の場合、雑草が生えないようにするなど土地を整えるために行う造成工事の費用がかかることもあるので、どんな土地でも良いわけではないですが、1kW当たりの単価が家庭向け小規模システムを設置するより安くなる傾向にあるので、投資目的で産業用太陽光発電を空き地に導入するのは一考の余地があると言えるでしょう。
またソーラーパネルの特性として、実は寒さよりも熱に弱いことを忘れてはなりません。真夏の猛暑日だと最高気温が35度を超える日も珍しくないですが、パネルの表面温度が上がりすぎると発電効率が低下します。屋根に設置すると、しっかり固定するため隙間を空けるのが難しいのに対し、風通しの良い屋外設置なら温度上昇を抑制でき、効率よく発電することが期待できます。
設置費用はもちろん大切な部分ですが、設置後の発電効率は月々の電気代や売電収入に直結する要素です。空き地の用途に困っている、大容量の発電システムを導入したいという人は、一度空き地への設置費用を見積もってみてもいいでしょう。

太陽光発電の設置費用には補助金を充てるのも一考

住宅用太陽光発電システムを導入しようとすると、およそ100万~140万円、産業用太陽光発電システムを個人の規模で始めると1,000万~3,000万円ほどかかると概算され、なかなか気軽に購入できるものではないかもしれません。
初期費用を準備するうえで、まず思い浮かぶのは銀行・信販会社など金融機関からの融資です。確かに、昨今は年収がさほど多くない人でも融資を受けられるケースが多くなり、特に大規模な産業用太陽光発電を導入する時には頼りになるでしょう。しかしながら、ローンを組むとその分利子を上乗せして返済しなければならないので、初期費用の回収が遅くなります。
そこで目を向けたいのが、地方自治体の補助金制度です。全国各地の自治体で独自に太陽光発電設備への補助金を実施しています。2022年5月には、東京都が都内の一戸建て住宅を含む新築建物に太陽光パネルの設置を義務化する方針を固めたことが明らかになりました。年度内にも関連条例を改正するとのことで、将来的に他の自治体も温室効果ガス排出量を削減するため、同様の条例を定める可能性は十分にあります。
そうすると、初期費用を支払うことが難しい環境の家庭への補助金制度は必要不可欠。現在は補助金を出していない地域でも、今後開始する期待が持てるのではないでしょうか。
既に補助金制度を設けて募集を行っている自治体も多数ありますが、予算や対象となる要件、スケジュールが自治体によって異なります。多くの人が補助金を受け取りたいと申し込むため、募集があっという間に終了してしまうことも少なくないのです。せっかくのチャンスを逃さないためには、お住まいの地域のホームページをこまめにチェックしたり、どうしても分からない部分について担当部署へ直接連絡してみましょう。

まとめ

ここまで、太陽光発電の設置費用について、過去から現在までの推移や押さえておくべき点を取り上げてきました。初期費用の内訳で大きな割合を占めるソーラーパネルについては、素材や性能によって発電効率が変化するので、しっかりと検討したうえで最適なものを選ぶようにしてください。その際、費用が膨らんで大変な場合には、自治体の補助金制度を活用するなど金銭的問題を低減して、満足いく太陽光発電システムを備えられるようにしましょう。
これまでは年々下がり続けていた設置費用も、経済情勢の変化で増加に転じ、先延ばしにすると逆に損してしまう可能性も否定できません。一度導入すれば、自家消費による電気代削減や売電収入による利益を得られるわけですから、導入を検討する価値は十分にあります。特に、まさに今新築住宅を建てようとしている人、自治体が補助金希望者を募集している地域に住んでいる人は、千載一遇の機会と言えるでしょう。