太陽光発電のデメリット

太陽光発電のデメリットの解決策を、デメリット別に解説

電気代削減や停電対策など、私たちにとっても大きな魅力がある太陽光発電ですが、導入に関してはいくつかのデメリットも存在します。これから太陽光発電の設置を検討する方は、メリットだけでなくデメリットも考慮したうえで判断をしなければなりません。”デメリット”と聞くと不安が募り、導入を恐れてしまうかもしれませんが、解決策もきちんと存在します。昨今は、政府や地方自治体が太陽光発電の普及に力を入れていることもあり、導入のハードルはかなり低くなったと言えます。
太陽光発電で失敗しないためには、どのようなデメリットを懸念すべきなのか、事前に把握して、対策まで頭に入れておくことが大切です。そこで今回の記事では、太陽光発電におけるデメリット、および解決策について解説していきます。

太陽光発電のデメリットをわかりやすく解説

まず、太陽光発電には次のようなデメリットがあると言われています。

●設置費用が高い
●定期的なメンテナンスが必要になる
●発電量が天候に左右される
●設置に向いていない家や場所もある
●固定買取価格が年々下落傾向
●出力抑制の影響を受ける(※一部地域のみ)
●屋根に設置した際に雨漏りする
●経年劣化によって修理や交換が必要
●パワーコンディショナーの設置場所が必要

上記のデメリットは、主に費用面と発電量に関する事象に分類できます。コストについては次項で詳しく取り上げますが、多額の費用をかけたのに想像していたのと違った・・・と後悔するのは嫌ですよね。
また、発電量が安定しない点も、設置後に注意したいところです。日光を利用して発電する仕組みのため、夜間は発電しませんし、悪天候の日もほとんど発電は見込めません。天気は自然現象であり、どうすることもできません。予測すら難しいものです。
ただし、事前に発電量をシミュレーションすることで、おおよその年間発電量を想定することは可能です。過去のデータから、設置場所の予想発電量を算出できます。専門の業者に依頼して、反射光などのトラブルが起きないかも含め、現地調査を行ってもらうと安心です。
築年数が古く経年劣化した屋根や北向き屋根の場合、そもそも設置を見送る、あるいは野地板を検討することも視野に入れておきましょう。本来なら設置が相応しくない場所に取り付けると、住居への負担だけでなく、周辺住民とのトラブルにも発展しかねませんから、慎重に判断してください。

太陽光発電のコスト面のデメリット解決策

先程も触れた通り、太陽光発電を検討する際に一番のネックとなるのがコストだと思います。住宅用太陽光発電で一般的な容量4~5kWの場合、太陽光パネルやパワーコンディショナーなど機器一式で初期費用が100~150万円程度かかります。期待通り発電してくれるか不安な状況で、いきなり高額費用を出すのは、どうしても躊躇ってしまいますよね。

そんな時にまず目を向けるべきなのが、地方自治体が実施している補助金制度です。具体的な金額は地域によって異なるものの、30~40万円前後給付してくれる自治体もあります。特に、太陽光発電の普及に積極的な東京都は、大規模な補助金制度を設けていますので、お住まいの方はチェックすべきでしょう。
また、太陽光パネルのメーカー選びも重要です。自分が何を重視するかによって選択肢は変わりますが、値段に重きを置くなら海外メーカーがおすすめです。中国などで大量生産されているため、安価で比較的高パフォーマンスなものを見つけることができるはずです。国内メーカーですと、発電効率が高いなど特筆すべき点があるものの、価格は全体的に高めとなっています。
初期費用をどうしても払いたくない、払う余裕がないという方は、リース契約を検討してみましょう。月額料金を支払えば、高額な初期費用がかからず、メンテナンス費用もリース会社が負担してくれます。自家消費だけでなく売電も可能なので、設備投資無しで太陽光発電のメリットを享受することができます。

太陽光発電の環境破壊のデメリット解決策

メガソーラーとも称される大規模な産業用太陽光発電は、脱炭素社会の実現に向けて多くの事業者が運営・管理しています。化石燃料由来の発電方法から脱却して、地球環境に優しいエコな電気を作ろうとメガソーラーの建設が増えているのです。
しかしながら、太陽光発電自体が環境破壊に繋がっていると指摘する声も一定数あるのは事実です。メガソーラーは、大量の太陽光パネルを並べるため、設置場所の確保が不可欠です。一部の業者は、地元住民と十分な話し合いを経ずに、森林伐採を強行してしまいます。その結果、適切でない場所に太陽光発電が設置され、生態系への悪影響や土砂災害を引き起こす原因となりうるのです。

いくら地球温暖化に貢献するといわれても、自然を破壊しては元も子もないと考える方が多いでしょう。近隣の住民や自治体と話し合って、自然への負荷が小さい場所を選ぶのはもちろん、数値化されたデータを示すことも重要です。たとえば、太陽光発電システム1kwあたり、年間原油代替量は約250リットルです。ドラム缶25本分に相当します。
太陽光発電をはじめとする再生可能エネルギーは、石油など将来枯渇が予想される化石燃料からの代替が大きな目的とされています。だからこそ、太陽光パネルを設置することで、どの程度資源の消費を抑えられるのか。数字で示すことで理解を得やすくなるはずです。
他には、太陽光パネルの生産に使うエネルギーが無駄という意見や、生産時にCO2を排出する点を指摘する方もいます。これらの問題は、“ペイバックタイム”、つまり回収期間という考え方を提示するのが良いでしょう。
ペイバックタイムとは、生産の過程で消費したエネルギーやCO2排出量を、発電開始後に取り戻すまでの期間を意味します。専門家のデータによれば、大体2~3年、遅くとも5年以内には回収できているそうです。太陽光パネルの寿命は20~25年程度ですから、発電を継続することでほぼ確実にペイバックできるといえます。

まとめ

太陽光発電にもいくつかのデメリットがあることは否定できない事実です。確かにデメリットとして懸念すべき材料ですが、私たちがしっかりと理解して向き合うことで解決できるものがほとんどです。
そもそも太陽光発電は、太陽という自然の恵みを利用して電気を生み出していますし、他の再生可能エネルギーも自然の力無くしては機能しません。普及目的が地球環境の保護なのですから、設置の段階で自然や環境に配慮するのは当然のことでしょう。
他のデメリットに関しても、一つ一つクリアしていくことで、不安が解消され、安心安全に太陽光発電が活用することができると思います。今検討中の方が抱えている悩みや問題点は、すでに導入した方々も同様に悩んだ問題かもしれません。どのように乗り越えていったのか、過去の事例を参考にしてみるのも良いのではないでしょうか。


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