コラム

EVの補助金はどれくらいもらえるの?【2024年(令和6年度版)】

電気自動車や関連する装置は、省エネや二酸化炭素の排出量抑制につながることから、政府が主体となって積極的な普及活動をしています。その一つとして、補助金制度があります。お得にEVやV2Hなどの機器を購入できるチャンスとなりますので、ぜひとも利用したいところです。そこで、この記事では2024年に利用できるEV関連の補助金制度としてはどんなものがあるのか、具体的にどのくらいの金額を受け取れるのかを解説していきます。

EV関連の補助金制度の概要

電気自動車や関連する機器を購入する際に出る補助金は主に国が行っているものですが、地方自治体が実施している制度と併用することができます。国の事業として行われているのは「クリーンエネルギー自動車導入促進補助金」と呼ばれ、「CEV補助金」と略して伝えられることが多いです。
このCEV補助金の目的は、2050年までに達成すべき目標として掲げているカーボンニュートラルを実現するために、環境性能の高いEVを普及させると同時に、災害時の停電対策として活用できる車両を普及させることにあります。同時に、充電インフラを普及させるという目的もありますので、電気自動車だけでなく、充電スタンドなどの関連装置も対象となっています。

補助金は、一般社団法人である次世代自動車振興センターが中心となっています。申請もこちらの団体に対して行いますし、補助金の出元も振興センター名義となります。
補助金の対象としては、車両種別が明確になっています。電気自動車として完全に電気のみで動く車両と共に、プラグインハイブリッド車も対象です。また、「FCV」という水素を使って走る燃料電池車も補助金が出ます。EVと共に、家庭で充電を行うための装置であるV2Hを購入した場合も、装置を対象として一定の補助金が出ることになっています。EVとV2Hの併用は可能ですので、両方同時に購入する場合は大きな補助金額となります。

補助金の額について

原則として、補助金は上限額が決まっており、電気自動車の場合は85万円が上限額です。ただし、プラグインハイブリッド車やEVでも軽自動車の場合は、45万円が上限額として設定されています。
ただし、この補助金額についての注意点は、どのモデルでも上限額いっぱいにもらえるわけではないということです。EVのモデルによってそれぞれ上限額が決められていますので、購入したい車がある場合は、その車の上限額はいくらかを確認しておく必要があります。

ちなみに、対象となるEVは国内メーカーだけでなく、海外メーカーでも対象となります。具体的には、ジープやジャガー、BMW、ポルシェなどがあります。このCEV補助金で最も上限が高いのがFCVで、最大230万円支給されることになっています。また、電気自動車とは別に、EVへの充電設備を購入した場合や設置にかかる費用についても補助金が出されます。最大で合計115万円の補助金額となっていて、機器の購入費として上限75万円、工事費用として40万円が上限額となっています。

ただし、こちらも上限額いっぱいに必ずもらえるとは限らず、購入費用については2分の1までの金額となります。つまり、V2Hの購入費用が50万円であれば、その半分の25万円が実際の補助金となるということです。工事費用については、上限額までであれば全額の補助となります。
これらの補助金は、国が行っている事業によるものです。それぞれお住まいの市町村でも別の補助金事業をしている場合、さらにプラスしてもらうことができます。たとえば、東京都ではV2Hの購入費用と工事費用の合計で、最大2分の1、上限50万円の助成がなされます。
しかも、東京都のこの制度では、他の設備との同時購入の場合は増額されるという点にも注目しましょう。V2Hを太陽光発電システムと電気自動車もしくはプラグインハイブリッド車とを共に揃える時には、上限額が100万円となります。
もちろん、基本的に自治体と国の補助金は、実際の金額を超えない範囲で同時に受け取ることができます。上手に利用すれば、V2Hの購入と設置に関しては実質ゼロ円にすることもできますので、かなりお得です。ただし、自治体が行っている補助金や助成金制度については、それぞれの場所で条件や金額が異なりますので、事前に確認しておきましょう。

EV補助金の申請方法

このように、実施されているEV補助金はかなりの金額になりますので、利用しない手はありません。補助金の申請方法はさほど難しくありません。まず、販売店にて対象となる車種を購入して、車両の登録とすべての車両代金の支払いを終えます。軽自動車の場合は新車登録ではなく、届け出となります。車両代金の全額を支払うということですが、これはローン利用でも構いません。
その後、必要な書類に漏れなく記入して、次世代自動車振興センターに提出します。郵送やオンラインで送ることもできます。申請書類には車両の種別や利用者の住所氏名、振込先の口座番号などを記入すればよく、複雑な内容ではありません。
書類が届くと、すぐに交付申請審査が始まります。審査が終了するまでは通常2カ月くらいとなっていて、問題がなければ、申込者の住所宛てに「補助金交付決定通知兼補助金の額の確定通知書」が届きます。通知書が来たということは審査に通ったという意味ですので、1週間くらいしてから指定した銀行口座に振り込まれるのを待つだけです。

EV補助金制度の注意点

申請にあたっての注意点としては、新車登録をしてから、原則として1カ月以内に提出を終えている必要があるという点です。あくまでも提出期限ですから、EVを買ったらできるだけ早く書類を完成させて、申請を済ませてしまいましょう。ただし、支払い手続きがなんらかの理由で遅れてしまっている時には、登録した日付の翌々月の末日まで期限が延長されます。
別の注意点としては、補助金制度には上限が設けられていることです。申し込んだら対象者は全員補助金がもらえるというわけではなく、あらかじめ決められた予算内でしか利用できません。補助金は基本的に先着順となっていますので、制度が終了する前にできるだけ早く決断を下して、購入手続きと申請を済ませてしまいましょう。

この補助金は、あくまでも新車として購入する場合にのみ適用されるものです。そのため、中古車を購入しても補助金は出ませんので注意しましょう。ただし、新車リースについては自己所有としての購入でなくても制度対象と見なされますので、補助金を得てお得に電気自動車に乗れます。また、実質誰もオーナーがおらず、新車とも言える新古車ですが、ほとんどの場合は新車登録から数か月してから販売に回されるため、登録日をベースにするこの制度からは外れてしまいます。
電気自動車や関連するV2Hなどの装置の購入については、国と自治体で補助金制度が設けられています。しかも、大きな金額を受け取ることができますので、利用する価値が十分にあります。EVの購入を考えているのであれば、補助金利用を計算に入れて予算を組むと良いでしょう。