コラム

楽天でんきってどんなサービス?太陽光発電との関連性についても解説

楽天でんきとは

楽天でんきは、楽天グループが2018年から提供を開始した、新電力サービスです。基本料金が0円、手数料や解約料もかからず、なおかつ楽天ポイントが貯まるとあって、大きな注目を集めました。
一時期、新規申し込みの受付を停止する時期がありました。2023年3月から再開しており、現在は通常どおりwebサイトから簡単に申し込み可能です。誰もが知る大手企業が提供する新電力なのですが、評判に目を配ると賛否両論が飛び交っているのが実情です。
従来の電力会社から電気を買うのと比較して、楽天でんきは本当にオトクなのか、気になりますよね。それでは詳細を紹介していきましょう。

楽天でんきの売買価格はどれくらい?

楽天でんきの料金プランは、以下の3種類が用意されています。

●プランS(アンペア契約)・・・一人暮らしから家族まで一般的なご家庭や、小規模な事務所向け
●プランM(kVA契約)・・・事務所、商店、飲食店など、電気をたくさんご利用されるお客様向け
●動力プラン(kW契約)・・・大型エアコン・業務用冷蔵庫など、業務用の機器をご使用のお客様向け

一般家庭の場合、プランSを選択することになるでしょう。従量料金は、地域によって異なるため、お住まいのエリアの価格を確認してください。

北海道電力エリア 43.00円/kWh
東北電力エリア 37.40円/kWh
東京電力エリア 36.85円/kWh
中部電力エリア 37.78円/kWh
北陸電力エリア 36.10円/kWh
関西電力エリア 33.98円/kWh
中国電力エリア 38.70円/kWh
四国電力エリア 36.20円/kWh
九州電力エリア 38.15円/kWh
沖縄電力エリア 44.70円/kWh

基本料金が0円かつ従量料金が一律とあって、電気料金の計算がしやすいのが特徴です。動力プランのみ、基本料金が695円/kwかかりますが、その分従量料金はプランSよりも2~3割ほど安く設定されています。

楽天でんきが高いと言われている理由を調べてみた

楽天でんきは、「楽天市場」などを運営する楽天グループが行っているサービスだから、電力会社よりも安いはずとなんとなく思っている方がいるかもしれません。
たとえば、首都圏に電力を供給する東京電力と比較してみると、基本料金は先ほど触れたとおり、楽天でんきは0円です。対して東京電力はA(アンペア)制を採用しており、20Aなら約740円、30Aなら約1,100円とA数によって料金が変動します。従量料金である電気量料金は、楽天でんきだと一律36.85円/kwhです。一方、東京電力の場合、

●最初の120kWhまで:29.80円/kwh
●120kWh超300kWhまで:36.40円/kwh
●300kWh超:40.49円/kwh
と、使用量に応じて料金が上昇していく仕組みです。ここが重要なポイントとなります。

一人暮らしなど、電気をさほど消費せず月々120kwh未満の場合、1kwhあたり東京電力は29.80円、楽天でんきは36.85円支払います。単純計算すると、楽天でんきの方がだいぶ高くなってしまうのがお分かりですよね。
実は、2023年3月以前、東京電力エリアにおける楽天でんきの料金は一律29.45円/kwhで、今よりお得感がありました。ところが2023年4月1日より、従量料金単価の改定が実施され、一律41.45円/kwhに変更となったのです。
その後、継続的な経費削減の徹底と電力調達先の見直しにより、2024年4月1日から従量料金の値下げを実施します。一律41.45円から36.85円/kwhに値下げされましたが、2023年3月以前の29.45円よりは随分と上がったままです。

さらにもう一点、注意しなければならないことは、楽天でんきの電気料金算定方法には、“市場価格調整額”が加算されます。市場価格調整額は日本卸電力取引所(JEPX)の市場価格と連動します。簡潔にいうと、電力の調達価格が高くなれば、その分を料金に上乗せする仕組みです。
市場価格が下がると市場価格調整額もマイナスとなり、電気料金は安くなりますが、昨今電気代の高騰が叫ばれる中、そういったケースは中々ありません。よって、楽天でんきの見積もりをする際、市場価格調整額も考慮する必要が生じるのです。

楽天でんきの口コミも併せて調べてみた

楽天でんきに関する口コミを調べてみると、多くのユーザーが魅力的だとする点は、おおむね以下の3つが挙げられます。

①楽天ポイントが貯まる・使える
②マイページが使いやすい
③3人以上の世帯だと料金が安くなる

楽天ポイントについては、こんな口コミがネット上に書き込まれています。
「貯まったポイントで支払えるので、前より安くなった気がします」
「ポイントがつくので相対的に安くなった」
「楽天経済圏をたくさん利用しているのでポイントが貯まったり、ポイントを楽天でんきの利用料金に使えたりかなり良いです」
「期間限定ポイントを電気料金支払いに利用することができる」

楽天でんきにおけるポイント付与は、電気使用量に応じて200円ごとに1ポイントです。還元率0.5%なので大きなメリットにはなりません。ただし、他のサービスで貯めた期間限定ポイントを支払いにあてることができるなど、楽天経済圏で生活する方にはとても便利です。
マイページについては、次のような口コミがあります。

「毎月使用料金がメールで送られてきて分かりやすい」
「事細かに電気やその料金の状況を見られる」
「年間通して電気代や使用量の変化が見やすい」
「日別、時間別の電気の使用量が分かるので便利」

インターネット創世記から業界を牽引してきた楽天とあって、マイページのユーザビリティには力を入れているようです。真夏や真冬はどうしても電気消費量が増えがちですから、今現在どのくらい使ったのか、即座に把握できるのは嬉しいサービスですよね。電気代の節約を目指す場合でも、月ごとの比較ができると、改善すべき部分が認識しやすいのではないでしょうか。
また、楽天でんきの仕組み上、世帯の人数が多いほど、電気料金はオトクになりやすいです。楽天ガスを同時に加入すれば、ポイント付与も増えるほか、初回キャンペーンで最大6000ポイント受け取れます。

まとめ

楽天でんきが高いと不評の意見もあるのは事実で、料金改定による値上げ以降、そういった声が増えたように思います。エネルギー価格の高騰など外部要因の影響が大きく、値上げは楽天でんきに限ったことではありません。せっかく安いと思って契約した新電力が、従来の電力会社と変わらない、むしろ高くなってしまうとガッカリして、ネガティブな口コミを書きたくなる気持ちも理解できます。

もちろん、楽天でんきに移行して電気料金が安くなったという口コミも多数存在します。普段から楽天経済圏にいてポイントサービスなどにメリットを感じる、あるいはシミュレーションを行いお得感が強いと納得できるなら、楽天でんきを選択肢に入れてみるのもアリだと言えるでしょう。
※本記事に掲載の内容は、2024年8月21日現在の内容となります。最新の情報は各企業のWEBサイトをご確認下さい。