コラム

太陽光発電の産業用と家庭用の明確な違いはあるの?メリットやメーカーについても解説

太陽光発電の家庭用と産業用の違い

ソーラーパネルなどを利用した太陽光発電は昔に比べると身近に浸透しています。しかし、あくまで昔に比べて浸透してきたというだけで、まだまだその仕組みなどについて詳しく理解できているという方は少ないようです。例えば、太陽光発電は主に産業用と家庭用に分かれ、明確な違いがあるということをご存じでしょうか。今回はそれぞれの違いやメリットデメリット、またメーカーなどについて解説していきます。

太陽光発電の家庭用と産業用の違いについて解説

まず、家庭用と産業用の違いとして挙げられるのが発電設備の出力容量です。出力容量が10kW未満なら家庭用、10kW以上なら産業用となります。そもそも出力容量とは何なのか説明すると、ソーラーパネルなどの太陽光発電設備がどれだけ発電できるかを数字で表したものです。出力容量を算出する際は、パワーコンディショナーの合計とソーラーパネル1枚あたりの出力の合計を比較して、低い方の数字が適用されることになります。
余剰買取制度についてもそれぞれによって異なります。余剰買取制度とはその名の通り、余った電気を買い取ってもらうための制度のことです。まずは自宅で電気を消費し、それでも余ってしまう場合にそれらを売って収益化することになります。最初から全ての電気を売ってしまうということはできないので、あまり意味はないのではと思う方は多いかもしれません。しかし、残った電気を売るだけでも結構な収益になることも多いので、決して意味のない制度という訳ではありません。
2023年における売電価格は家庭用で約16円、産業用で10円ほどとなっています。この数字だけを見ると家庭用の方が売電価格が高くお得なのではと思ってしまうでしょう。ところが、上記の価格で買い取ってもらえる期間というのもそれぞれ異なります。例えば、家庭用の場合は買取期間は10年と短いのですが、産業用は20年と実に2倍も長くなります。ちなみにこの買取期間の数字は2020年の数字となり、現在は異なる可能性がありますのでその点はご注意ください。

上記のように家庭用と産業用ではそれぞれ特徴が異なるのですが、共通する点もあります。それは補助金が出るという点です。これを活用することで、少しでも初期費用を抑えることができます。そのため、家庭用と産業用どちらの太陽光発電を購入する場合でも必ず利用するようにしましょう。

太陽光発電の家庭用と産業用、それぞれのメリットデメリットを解説

ここからは家庭用と産業用、それぞれの太陽光発電におけるメリット・デメリットについて紹介していきましょう。
まず、家庭用のメリットとして固定資産税の対象にならないという点が挙げられます。余分な出費を抑えることで、少しでも家計への負担を少なくできるのは嬉しい利点です。また、前述したように売電価格が産業用のそれよりも高いというのも魅力的です。短期的な目線で考えるのであれば、家庭用の太陽光発電の方が効率よく収益を挙げることができます。
逆にデメリットとして挙げられるのが買取期間の短さです。産業用よりも期間が短いので、長期的に売電による収益を得たいという方には不向きだと言えるでしょう。

産業用のメリットとして挙げられるのが、取り付ける発電装置の容量を大きくすればするほど年間の発電量や売電量を増やすことができるという点です。これは家庭用にはない大きな利点だと言えるでしょう。また、売電期間が家庭用よりも長いので、総合的には産業用での売電による収益の方が多くなりやすいです。
反対に、導入する際の費用が家庭のものよりも大きくなりやすいというのがデメリットとして挙げられます。発電量などを多くできるのは嬉しい反面、初期費用がその分かかってしまうというのは前もって意識しておく必要があります。また、売電単価そのものは家庭用よりも低くなりやすいです。このため収益を大きく挙げるためには長期的な目線で太陽光発電を利用する必要があります。短期間で利益を挙げたいのであれば家庭用の太陽光発電を購入した方が良いと言えるでしょう。そして、税金面に関するデメリットも存在します。出力容量を増やし売電収入が大きくなれば、確定申告を行わなければならない可能性もあります。納める税金が増えたり、面倒な申告手続きを行うこともあるという点はきちんと理解しておくようにしましょう。

太陽光発電パネルのメーカー選びについて解説

ソーラーパネルを取り付ける際に一番重要なのがメーカー選びです。しかし、初めて装置を取り付けるという人は、どのメーカーを選べば良いのか迷ってしまうことでしょう。そのような時は単純に家庭用向けか産業用向けかで選ぶことをおすすめします。例えば、家庭用の太陽光発電を所持している方はあまりスペースをとらない分、発電効率のよいメーカーを選ぶ傾向ににあるようです。
産業のソーラーパネルを取り付けている方はパネルの面積が大きい分、価格が安い海外製のものを使用している傾向にあります。このように、それぞれの用途に適した太陽光発電装置を選ぶのが良いでしょう。

また、ネットなどの口コミに載っている評判の良いメーカーを選ぶというのもおすすめです。例えば、パナソニックは国内で人気の高い太陽光発電メーカーです。その理由の一つに、日本で最大手の電気メーカーであるという点が挙げられます。海外のものを使用するのはどうしても不安だという人は少なくありません。また、たとえ価格が安くても、あまり耳にしたことのない企業から購入するのはおすすめできません。パナソニックは太陽光発電に関しても数十年の歴史があります。実績が豊富なのは購入者の安心にもつながるでしょう。数あるメーカーの中でもとても信頼のできる企業だと言えます。

また、海外製の中ではカナディアン・ソーラーの評価が高いです。カナダの太陽光発電メーカーなのですが、日本を含む世界各地で利用されています。カナディアンソーラーの魅力として、低価格でありながらも性能の質が高いという点が挙げられます。海外製ということもあり、パネルの価格は日本国内のものと比べて安いです。それだけでなく、太陽光パネルの変換効率は製品によっては20%超えも珍しくありません。変換効率は17、18%前後が平均的と言われています。このため、価格の割に性能にも優れたコストパフォーマンスの良いメーカーだと言えるでしょう。本社が雪が積もりやすい地域にあり、それを考慮した設計を行っているため耐久性能が高いというのも魅力的です。

一例としてパナソニックとカナディアンソーラーを紹介しましたが、まだまだ魅力的なメーカーが存在します。インターネットでの評価などを参考にしながら、これだと思う企業を選ぶようにしましょう。

まとめ

太陽光発電の設置を考えている方は、まず家庭用と産業用、それぞれのメリット・デメリットについて理解し、どちらが自宅に適しているのかを考えるようにしましょう。その後メーカーを選ぶことになりますが、企業によって価格の高低や品質の良し悪しなど、その特色は大きく異なります。しっかり情報収集した上でご自分に合ったメーカーを選択し、快適な生活を送れるようにしましょう。