雪は太陽光発電にとって強敵?雪が及ぼす影響について

日本には、北海道や東北地方、日本海沿岸など、冬になると雪が降る地域が多数あります。太陽光発電システムの導入を検討するにあたり、これらの地域にお住まいの人は、太陽光パネルが雪で覆われて発電量が少なくなってしまうのではと心配するかもしれません。
しかしながら、豪雪地帯で太陽光発電を設置する場合にも、メリットとデメリットがあり、必ずしも悪いことばかりではないのです。実際、北海道や東北地方に住んでいる人でも、太陽光パネルを取り付けている人はたくさんいます。本コラムでは、雪が太陽光発電に及ぼす影響や、どのような点に注意すべきか、そして本当に十分な発電が可能なのか、といった視点で解説していきます。

雪が与える影響は主に3つ

まず、豪雪地帯ならではの注意点について説明していきましょう。覚えておくべきポイントは主に以下の3つです。

パネルが雪に覆われると発電しない

太陽光パネルは、天気が快晴でなくとも、多少なりとも太陽の光が当たっていれば発電は可能です。ただし晴れの日より発電量は減少します。また雪がパネルの上に積もり、完全に覆ってしまう時は発電しませんが、雪下ろしをすれば再び発電を行うことができます。雪下ろしは非常に重労働ですし、太陽光パネルを設置して間もない場合など慣れない間は、専門業者に依頼して雪下ろしをやってもらう方が安全かもしれません。ただし、太陽光パネルの表面は強化ガラスで滑りやすく、雪が落ちやすい構造になっています。通常、屋根に傾斜30度で設置するので、雪が止んでしばらく経てば自然に落ちることが期待されます。

落雪による被害

雪が太陽光パネルの上に積もった時は、雪をどかして太陽の光がパネルに当たるように対応しなければなりません。その際、雪が自然に落下する場合でも、雪下ろしをする場合でも、たまたま住居近くを歩いている人を落雪に巻き込まれてしまう危険がゼロではありません。屋根の向きによっては、他人の家の敷地内に落雪してトラブルに発展するケースも稀に見受けられます。
落雪による被害を防ぐ対策として、雪止めを設置することなどが挙げられます。特に豪雪地帯では、こういった状況が起こりやすいため、導入時にしっかり対策を施し、被害を未然に防ぐようにしてください。

雪の重みで設備が故障する恐れ

これは滅多に起こるものではないのですが、歴史的な大雪など不測の事態によって太陽光発電システムが故障する可能性もあります。もちろん、太陽光パネルはそう簡単に破損するものではないです。とはいえ、度重なる大雪によってパネルにヒビが入るなどの恐れも考慮しておくべきでしょう。万が一の事態に備え、修繕費やメンテナンス費用をあらかじめ用意しておくと安心です。

豪雪地帯は太陽光発電に向かない?

豪雪地帯における太陽光発電のデメリットがあるのに対し、実はメリットもいくつかあります。

夏の発電効率が良い

太陽光パネルが最大限発電する適正温度は、25度と言われています。つまり、猛暑日とよばれる最高気温が35度を超えるような気候だと、発電効率が落ちてしまいます。一見、太陽光発電に適していそうな沖縄県や内陸部は、その多くが真夏は連日猛暑に襲われる地域なのです。雪が降らない地域の発電量は、4~5月にピークを迎え、夏場は低下します。北海道や東北地方は、夏場の発電量低下幅が小さく、冬の減少分を補うことができているわけです。

台風の影響が少ない

「北海道には梅雨がない」というのは有名な話ですが、それと同様に豪雪地帯は台風の被害が少ない傾向にあります。強風で太陽光パネルが吹っ飛ぶ可能性は非常に低いとはいえ、飛ばされた他の物がパネルに当たり、衝撃で傷がつくケースも考えられます。日本に住むかぎり、台風は避けて通れない自然災害です。その危険が少ない地域は、太陽光発電に向いていると言えます。

年間発電量が暑い地域よりも多い

詳しくは次項で説明しますが、なんと場所によっては九州・沖縄地方や関東地方より年間発電量が多いケースも存在するのです。

冬の北海道の太陽光発電は実際どれくらい発電できているの?

北海道の中でも、道東エリアは日本全国でも日射量がかなり多い地域ということは、あまり知られていません。ちなみに「道東エリア」とは、日高山脈より東の地域を指し、帯広市や釧路市などが該当します。どうしても北海道は大雪が降るイメージが強く、発電量が少ないという先入観を持つ人が多いでしょう。しかし、過去の発電量のデータを見ても、実際に本州や九州地方と遜色ないことが分かります。
発電量を算出するうえで重要な”日射量”を見てみると、道東エリアの平均日射量は3.90kWh。比較対象として、青森県は3.70、高知県で3.92、静岡県は4.05前後となっています。この数字は年によって変化するので一概には言えませんが、北海道も全国平均に近い数値かそれ以上です。

同じパネルを設置という条件のもと算出した、年間発電量のデータを見ても、北海道帯広市は容量1kWあたり1,219kWh。釧路市は1,191kWhとなりました。このデータでは、東京都は1kWあたり1,073kWh、宮城県仙台市は1,107kWh、北海道の県庁所在地である札幌市では1,090kWhを記録しています。つまり、住宅用太陽光発電において一般的な容量5kWを設置すると、北海道でも5,000~6000kWhの発電量が期待できるわけです。

まとめ

北海道や東北地方、日本海沿岸を含む豪雪地帯は、決して太陽光発電に適さない地域ではありません。先ほど紹介した道東エリアは、事業者による土地の争奪戦が起きるほど、太陽光発電を設置する場所として魅力的との認識が広まっています。実際、北海道電力は2011年に伊達ソーラー発電所の営業運転を開始するなど、電力会社も北海道で太陽光発電を開始しているのです。

もちろん、他地域とは気候が異なる分、技術的なノウハウも必要になります。地域に根付いた施工業者に依頼して、大雪対策などきちんとした工事をしてもらえれば、導入する価値は十分あります。住んでいる場所だけで太陽光発電を諦める必要はまったくありません。是非とも導入を検討してみましょう。


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