コラム

テスラは通常の自動車保険に加入できる?保険について解説

テスラの自動車保険

自動車を購入した時には、万が一の事故に備えて、保険に加入しますよね。一定の保険料を毎年支払うことに不満に感じるかもしれませんが、もし取り返しのつかない事故を起こしたら大変ですから、やはり保険は重要です。
それでは、テスラのような電気自動車は、ガソリン車と同様に一般的な自動車保険に加入できるのでしょうか。テスラ車だと車両保険に入れなくて困った、なんて声も聞こえてくるので、気になるところです。今回の記事では、テスラのオーナーになった場合の保険について、詳しく解説します。

テスラ専用の保険「テスラ保険」について解説

いきなり驚きの事実をお伝えします。電気自動車専用メーカーのテスラは、自社で保険を販売しているのです。その名もズバリ「テスラ保険」。どのような保険なのか、説明していきましょう。

「テスラ保険」は、テスラ社が2019年に販売を開始した自動車保険です。最初にカリフォルニア州でサービスを始め、段々と対象地域を拡大し、2024年時点では10以上の州で導入されました。基本的な内容は、普通の自動車保険と同じです。対人および対物賠償責任、自損事故、盗難保証など、トラブルに対する補償は一通り揃っているように思えます。

ではテスラ保険が他社の保険と何が違うかというと、料金体系がとても斬新かつ顧客に寄り添った仕組みなのです。テスラ車は車両価格が高額であることに加えて、修理費用がとても高くなります。「ギガキャスト」と称される、アルミニウム合金で自動車を一体成型する工法が採用されているためです。修理費用が高いということで、おのずと保険料も高額になってしまいます。
アメリカの保険会社では、テスラ車の平均保険料は年間6,000ドル前後です。日本円で約90万円(1ドル=150円換算)に相当します。「いくらなんでも高すぎる」と思った方が多いはずです。そこでテスラは、自社で独自の保険を販売開始しました。

テスラ保険の料金は、年齢、性別などを考慮せず、“安全に運転しているか”を重視します。個々のオーナーの運転データから、将来も安全運転を継続できるかを分析し、その評価(セーフティスコア)で料金が変動する仕組みです。つまり、安全運転を貫き、事故を起こす確率が低いと判断されると、保険料が大幅にディスカウントされます。
他社平均額より最大で約7割も安くなるため、運転する側もセーフティスコアを上げるべく、安全を最優先にしますよね。まさに双方にとってメリットが大きい保険となっているのです。

テスラの保険でおすすめの保険会社は?

テスラ保険はアメリカで導入されたサービスなので、2024年時点だと日本ではまだ販売開始していません。じゃあ日本在住の方はどの保険に加入すればいいのかというと、テスラが推奨する保険会社があります。それが、SBI損害保険株式会社です。

「Tesla Japan」の公式サイトで保険に関するページを閲覧すると、SBI損保をお勧めしています。ただ推奨しているだけではなく、実際に他社と見積りを比較して、最も安いという声が多いのも事実です。テスラオーナーの意見によると、

「同じ条件でもSBI損保はソニー損保より5万円安かった」
「他の損保見積りも確認したけどSBIが安かった」
「親身になって話を聞いてくれた」
「おとなの自動車保険と比べて10万円も違った」
と、ポジティブな評価がほとんどです。

SBI損害保険株式会社は、ネット証券や住信SBIネット銀行などを傘下に持つSBIホールディングスのグループ企業です。金融業界のNo.1を目指しており、SBI証券で手数料無料の“ゼロ革命”を実行するなど、コスト削減に強いこだわりを持っています。初めてテスラを購入する場合など、保険で迷った際はひとまずSBI損保を選んでおけば、大きな失敗はなさそうです。

テスラは車両保険に入れない?実態を調査してみた

テスラ車は、国内の損害保険大手(東京海上日動火災保険・損害保険ジャパン・三井住友海上火災保険・あいおいニッセイ同和損害保険)など主要な企業の車両保険に加入できない場合があります。どうして任意保険を引き受けてもらえない可能性があるのでしょうか。

保険を検討する時に注意が必要なのは、ネット保険です。料金の安さを理由に、まずネット保険を候補に考えるケースも多いかと思います。しかしながら、ネット見積もりができる車種は限定されているのです。
一般的にネット見積もりは、国土交通省から型式指定を受けたうえで、保険会社で型式を登録すれば可能となります。どちらかの条件を満たさない場合、見積もりの対象外として扱われるわけです。

型式とは、構造・装置・性能が同一なものに対して指定する自動車の分類指標です。ネット保険会社は、分類指標を基に保険を設定するため、この指定がないと見積もりを出せません。テスラの人気車種「モデル3」は、比較的見積もりを出しやすいですが、「モデルS」や「モデルX」だと難しい場合が多いようです。ネット保険以外の対面販売型保険についても、テスラだと任意保険に加入できないケースがあります。

型式指定を受けていない型式未設定車ですと、保険会社によっては契約を受け付けていません。トヨタや日産など、国内大手メーカーの車種なら、型式の指定有無を心配する必要はないでしょう。テスラはまだ日本ではメジャーな車種とはいえず、なにより修理費が高額になりがちな点が大きなネックです。
先ほども触れた通り、テスラは従来のガソリン車とは異なる生産方法を取っています。ちょっとした接触などでも修理費が多額になるので、保険会社としては、逐一補償すると赤字になるリスクが高いです。特に「モデルS」や「モデルX」は新車価格が1000万円を超えます。事業として採算が取れない恐れがあり、保険会社が型式登録を行わないのも致し方ないというわけです。

まとめ

テスラはまだ歴史が浅い自動車メーカーです。なおかつ先進的な電気自動車を販売しており、保険会社も取り扱いが難しいという側面があるように感じます。
高額な保険料が足かせとなって売上の成長を妨げないよう、「テスラ保険」というまったく新しいシステムの保険を作り上げました。通信設備を搭載したコネクテッドカーならではのシステムを利用して、圧倒的に定額な保険を実現したのです。

日本国内でも、SBI損保以外に限らずテスラ車を保険の対象にする会社は増えつつあります。決して保険に入れず断念する、といった事態にはならないでしょう。保険は万が一の時に私たちを助けてくれるものです。自分に合った保険を見つけて、加入しておくことをお勧めします。