コラム

テスラは実際何年くらい乗れる車なの?調査してみた

テスラの走行距離と寿命

クルマの乗り換えを検討中で、電気自動車のテスラを候補にしている方も多いのではないでしょうか。近未来的なデザインで乗り心地も良く、時代の先端を行っているテスラですから、長く大事に乗りたいですよね。
同社のCEOを務めるイーロン・マスクは「100万年以上使える」と大袈裟に豪語していましたが、実際どれぐらい寿命がもつのか、関心が高いはずです。自動車はとても高額な買い物なので、外観のカッコよさだけでなく、耐久性や寿命をしっかり把握しておく必要があります。はたしてテスラは何年くらい走ることができるのか、調べてみたいと思います。

テスラは何万キロまで乗れる?

一般的に自動車の寿命は、車種や年式だけでなく、使用頻度やメンテナンスによっても大きく変わります。ガソリン車ですと、走行距離10万kmを超えると故障が起きやすくなると言われてきました。様々な部品が消耗して交換時期を迎え、出費がかさむタイミングでもあります。自動車検査登録情報協会の調査によると、普通乗用車の平均使用年数はおよそ13.5年です。

電気自動車のテスラの場合、寿命の長さを左右するのはバッテリーです。ガソリン車と比較して部品点数が圧倒的に少ないため、部品の故障よりバッテリーの劣化が寿命に直結します。単純にいえば、バッテリーがダメになると、走行ができなくなります。
テスラは2010年代後半から販売台数が増加したため、ほとんどのテスラオーナーは所有開始から10年経っていません。そのため、テスラを廃車まで乗り尽くしたという方はまだ皆無に等しい状況です。

現在テスラを愛用するオーナーたちのレビューを参考にすると、
「12万マイル(約19万3000キロ)を走行して、10%の劣化にとどまっている」
「10万キロ走っても3%しか劣化しなかった」
「16万マイル(25万7000キロ)走行してもバッテリー容量低下は10%程度」
「5年間で25万キロ走って、11.4%減少した」
といった声が見られます。

また、アメリカの調査会社が、テスラのモデルXを納車から約2年で48万キロ走行させるという過酷な実験を敢行しました。ところがバッテリーの劣化具合はわずか12.6%。主要な動力部品を交換する必要もなかったそうです。
いくつかの実験結果を踏まえ、テスラ車のバッテリー寿命は最大15~20年程度ではないかと言われています。走行距離年間5万キロを20年間続けると計100万キロですが、大体100万キロ前後が一つの目安になりそうです。“100万年”は不可能でも“100万キロ”は十分可能だと考えて良さそうです。

テスラのバッテリー寿命や保証内容について解説

テスラ車の寿命は、走行距離などによって変動するものの、最低でも8年間は乗ることが可能です。なぜ断言できるかというと、テスラは8年間の製品保証サービスを提供しているからです。
電気自動車はバッテリーが命であり、テスラはバッテリーの温度管理を徹底して行なっています。具体的には、バッテリーユニットにウォータージャケットを付して、温度が上昇した時は水冷、逆に温度が低下した時はヒーターで温める仕組みを採用しています。バッテリーの温度変化を最小限に抑えると、劣化が進みにくいのです。
他社の電気自動車やプラグインハイブリッド車と比較しても、テスラは長持ちかつ耐久性に優れています。だからこそ、8年間は乗り続けてもらえると自信を持って保証を提供できるわけです。
テスラの全車種にバッテリー保証が付いていますが、保証内容はモデルごとに多少異なるので、ここで簡潔にまとめておきます。

●「Model S」「Model X」
8年または240,000kmいずれか先に達するまで
70%のバッテリー容量を保証

●「Model 3 RWD」「Model Y RWD」
8年または160,000kmいずれか先に達するまで
70%のバッテリー容量を保証

●「Model 3 ロングレンジ」「Model 3 パフォーマンス」「Model Y ロングレンジ」「Model Y パフォーマンス」
8年または192,000kmいずれか先に達するまで
70%のバッテリー容量を保証

ちなみに、トヨタの新車は最長5年間または10万km走行時点のいずれかの早い方までメーカー保証の対象です。数字だけ見ても、テスラの保証が手厚いことがお分かり頂けるでしょう。

テスラのモデル3のバッテリー交換費用を調べてみた

テスラ車のバッテリー交換に関して、以前ネット上で「モデルSの交換費用の見積もりとして230万円を提示された」という投稿が話題になりました。バッテリーだけで下手すれば中古車が1台買えてしまう金額を請求されるのは、驚くのも無理はありません。
保証期間が過ぎてからバッテリーを交換すると、モデル3の場合、5,000~7,000ドル(約75~105万円)の費用がかかります。交換用のバッテリーがたくさんストックされているわけではないことも理由に、価格は高めに設定されています。

そもそも電気自動車の生産コストにおいて最も大きな割合を占めるのはバッテリーです。修理費が新車価格の2割に達するのも、決して法外な価格とはいえません。それほどバッテリーの品質は重要であり、バッテリーが車両のパフォーマンスを左右するのです。
しかも、冒頭の投稿者によれば、バッテリーが故障した状態では中古車業者も買い取ってくれなかったそうです。バッテリーを交換すれば一応は買取対象になるものの、交換費用の方が高かったのだとか。
将来的に、バッテリーの製造コストが低下すれば、連動してバッテリー交換費用も安くなる可能性はあります。現時点では、無料の保証期間を経過したあとバッテリーが故障した場合、新車を購入する方が賢明かもしれません。

まとめ

テスラを購入したあと8年間は、故障に対する大きな心配はいらないでしょう。原則としてテスラがしっかり対応してくれますから、安心して乗り続けてください。
電気自動車の性能は現在も進化しており、バッテリーの寿命や性能も改善してきました。テスラはバッテリーを劣化させないことをどの電気自動車よりも重要視していますから、そのうち交換が不要になるぐらい高性能なバッテリーを搭載する時が来るかもしれませんね。