太陽光発電の導入に積極的な東京都が行っている最新の施策や方針を紹介

化石燃料によるCO2排出量の削減を目指し、政府だけでなく地方自治体も大きく動き出しています。2050年にカーボンニュートラルを達成するためには、私たち一人一人が意識を高めて行動していかなければなりません。特に、人口およそ1400万人、日本総人口の11%を占める東京都が、先陣を切って再生可能エネルギーに舵を切っているのです。
東京都は小池百合子都知事を中心に、都民へ太陽光発電システムの導入を促す制度を検討しており、メディアでも話題となっています。これから都内で住宅を購入する予定の人はもちろん、他の自治体も追随するなど影響を及ぼす可能性が高いので、都民でない方も動向をチェックしていきましょう。

東京都で太陽光パネルの設置が義務づけされるのは本当?

東京都は、一戸建て住宅を含む新築建築物に太陽光発電のパネルの設置を義務付ける条例改正案に関して、都民や事業者から意見公募を実施しました。都知事は2022年度中にも条例成立を目指す考えを示しており、議論を重ねています。もし住宅への太陽光発電設置が義務化される場合、日本では初めての事例となりますが、海外ではアメリカやEUですでに取り入れられています。
この条例案に対しては、反対意見を唱える人もいます。たとえば、「太陽光パネルが使えなくなった時に、大量の廃棄物が出て適正に処理できなくなる」といった点を挙げて、義務化反対を訴える人達も少なからず存在します。しかし都知事は、「おかしいとキャンペーンをしている人もいるが、そうではない」と改正案を成立させる意向を変えていません。このままいけば、本当に義務化されることになるでしょう。

東京都によれば、中小規模の建物供給量が都内で年間2万平方メートル以上の大手住宅メーカー50社に義務が課されるそうです。つまり形式的には、建築主ではなく事業者が義務を負うことになります。とはいえ、費用を請け負うのは当然、住宅を購入する都民です。
太陽光発電システムを一般住宅に導入する場合、初期費用がおよそ100万~180万円かかります。住宅価格に設置費用が上乗せされてしまえば、都民への義務化と実質的に同じです。都知事は、「個人が設置の有無を選択できる弾力的な仕組みを前提に、具体的な検討を進める」と議会で答弁しましたが、どうなるか現時点で結論は出ていません。

太陽光パネル設置に伴い、東京都は独自の補助金も

東京都が本格的に太陽光発電システムの普及に力を入れていることは、CO2排出量を削減して地球環境を保全する意味では良いことですが、都民にとって大きな負担となりかねません。そこで、より多くの人が積極的に太陽光発電を導入できるよう、東京都は補助金制度を非常に充実させています。
「災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業」と銘打った施策では、以下のような金額を申請者に給付する予定です。注意点として、太陽光発電設備の助成金は断熱改修又は蓄電池、V2Hもしくはヒートポンプ給湯器のいずれかを設置した場合の上乗せ補助となります。太陽光発電システムだけでは、申請の対象外となるのでご注意ください。

●太陽光発電設備

①新築住宅
[3kW以下の場合]12万円/kW(上限36万円)
[3kWを超える場合]10万円/kW(最大500万円/棟)
[ただし3kWを超え3.6kW未満の場合]一律36万円

②既存住宅
[3kW以下の場合]15万円/kW(上限45万円)
[3kWを超える場合]12万円/kW(最大600万円/棟)
[ただし3kWを超え3.75kW未満の場合]一律45万円

●蓄電池

[太陽光4kW以上と蓄電池を併せて設置の場合]
①蓄電池容量:10万円/kWh
②太陽光発電設備容量:20万円/kW
上記のうち、いずれか小さい額(最大1,000万円)

[太陽光4kW未満と蓄電池併せて設置又は蓄電池のみを設置の場合]
10万円/kWh、最大80万円/戸

●V2H(Vehicle to Home)

[太陽光、V2H及びEV・PHVが揃う場合]100万円
[揃わない場合]50万円

もう一つ、「東京ゼロエミ住宅導入促進事業」と銘打った施策では、高い断熱性能及び省エネ性能を有する住宅に向けて、都が独自の基準で助成金を給付します。ゼロエミ住宅の認証を受けるための水準について、3段階設けられており、該当する水準の金額が支給されることになっています。

●水準①→開口部の断熱性能や設備の省エネルギー性能が規定の基準を超えている
●水準②→ZEH相当の断熱性能と、国が定める基準より35%高い省エネ性能の基準を設定
●水準③→北海道相当の断熱性能と、国が定める基準より40%高い省エネ性能の基準を設定

戸建住宅
水準①30万円/戸 水準②50万円/戸 水準③210万円/戸
集合住宅等
水準①20万円/戸 水準②40万円/戸 水準③170万円/戸

詳しい基準値については、東京都のホームページでご確認ください。

東京都が定める目標数値はどれくらい?

屋根に設置するタイプの住宅用太陽光発電は、東京都で2022年現在、まだ設置率4%以下です。東京都は家庭での再生エネルギーの利用を進め、2030年の温室効果ガスの排出量を2000年比で半減する目標を掲げています。そのためには、設置率を今まで以上に増やしていかなければなりません。
もし義務化に至った場合、日照条件や屋根の状況などを勘案して、どうしても設置が難しい住宅を除き年間43,000~45,000戸、新築戸建住宅の約50%に太陽光発電設備が設置される見通しです。大手住宅メーカーには、販売数の85%に太陽光発電を設置する厳しい基準も検討されています。未達の場合は企業名の公表などペナルティを科す予定もあることから、東京都が本気で普及を目指していることが窺えます。ただし、中小の住宅メーカーは義務化の対象外になる可能性が高そうです。
価格重視のローコストホームは太陽光発電システムの搭載が義務化されるとビジネスが成り立たなくなるため、一定の配慮がなされると予想されます。その分、大手企業に高水準の義務を課す方針で議論が進んでいます。

まとめ

太陽光発電システムの設置義務化は、賛否両論が巻き起こっており、どのような結論でまとまるのか、断定できない部分もあります。しかしながら、東京都が都民に再生可能エネルギーの使用を促進する方針は、今後も変わることなく加速度的に進んでいくでしょう。
都内で新規に住宅を購入する場合、義務化されることも想定して、太陽光発電の基本的な知識や補助金の制度を今のうちに学んでおくのが賢明です。何も知らずに設置の義務だけ負わされると高額支出を免れませんが、上記で説明した通り、手厚い補助金制度を活用すれば自己負担額はかなり抑えることができます。
せっかく太陽光発電システムを設置するなら、最大限メリットを活かして有効活用しなくてはもったいないです。東京都の動向に目を配りつつ、太陽光発電に関する知識を深めていってください。


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