テスラの充電設備・スーパーチャージャー。従来の充電設備よりも短時間で充電ができることから、高い評価を得ています。
本記事では、テスラのスーパーチャージャーの仕組みや料金を徹底解説していきます。
テスラのスーパーチャージャーとは
テスラのスーパーチャージャーとは、テスラ社が開発した急速充電設備です。現在国内で使用できるスーパーチャージャーはテスラ車のみ対応で、他メーカーの電気自動車は充電できません。スーパーチャージャーは、従来の充電設備と比較すると圧倒的なスピードを誇ります。
スーパーチャージャーには種類があり、日本国内で最大出力を誇るスーパーチャージャーは、最大出力250kWのV3とよばれるタイプです。以下、日本国内に設置されている各スーパーチャージャーの特徴を紹介します。
V2スーパーチャージャー
最大出力は150kWです。充電ステーションのスペースには、数字とアルファベットが割り当てられており、車両2台が同じ数字で充電すると出力が分けられるため、充電速度が遅くなります。速く充電するには、数字が重ならないスペースを選びましょう。
アーバンスーパーチャージャー
最大出力75kWの小型サイズです。V2のスーパーチャージャーのように、同時に充電しても大きく影響を受けません。
V3スーパーチャージャー
最大出力は250kWで、同時に充電しても大きく影響を受けません。V2と比較すると、ケーブルが軽く細くなったため扱いやすくなっています。充電速度は車両モデルによって異なり、V3スーパーチャージャーで15分充電した時の走行距離は以下のとおりです。
・Model S:15分で最大322㎞分
・Model 3:15分で最大282㎞分
・Model X:15分で最大282㎞分
・Model Y:15分で最大261㎞分
海外ではV4スーパーチャージャーが設置
2023年3月、オランダに最初のV4スーパーチャージャー(最大出力350kW)が設置されました。これまでスーパーチャージャーはテスラ専用でしたが、V4から他社電気自動車への充電ができるようになっています。日本での設置予定は不明ですが(2024年現在)、今後V4が導入されるかもしれません。
テスラのスーパーチャージャーの仕組み
テスラのスーパーチャージャーが急速充電できる理由は、テスラ独自の設計と技術によるものです。スーパーチャージャーの仕組みを解説します。
高出力の直流電源(DC)
V3スーパーチャージャーは、最大出力250kWの直流電源(DC)を使用し、車のバッテリーに電力を供給します。直流電源は電流が一定の方向で流れ続けるため、スピーディーに充電できることはもちろん、kWが大きいほど充電が短時間で完了します。
速く充電ができる直流電源(DC)に対して、充電に時間がかかるのが交流電源(AC)です。交流電源で車に電力を供給する際には、充電器内あるいは車内で交流電源(AC)から直流電源(DC)への変換をしています。交流電源(AC)は各地へ電気を届けやすく一般的に普及されており、充電設備のコストが大きくかからないことから、充電ステーションや家庭用充電器で採用されています。
充電中の電力調節
テスラ車にはバッテリー管理システムが搭載されており、このバッテリー管理システムがスーパーチャージャーと通信することで最適な電力が供給されます。バッテリー管理システムでは、バッテリーの残量、温度、電圧、電流などのデータを収集し、効率のよい電力供給をコントロールしています。一般的には、充電が少ない時には最大出力で電力を供給し、充電が進むにつれて徐々に充電速度を下げていきます。バッテリーの温度が高くなると充電速度を下げたり、必要に応じて一時的に充電を中断したりします。
スーパーチャージャーの料金と支払方法
スーパーチャージャーの料金は、ガソリンスタンドの看板のように外部からわかるように記載されていません。そのため、スーパーチャージャーの利用料金はいくらなのか気になります。スーパーチャージャーを利用する時にかかる料金と支払い方法も紹介します。
スーパーチャージャーの料金
スーパーチャージャーの充電料金は1分単位で設定されており、充電スピードによって4段階に分かれています。以下はV3スーパージャージャーで充電した時の1分あたりの料金です。
・0-60kW:45円
・60-100kW:95円
・100-180kW:150円
・180kW以上:245円
貸し駐車場内にある充電ステーションですと、充電料金に加えて駐車料金がかかるケースがあるため注意しましょう。充電中は車両内にあるスクリーンに概算料金が表示されます。最終的な請求金額はテスラのアプリで確認できます。なお、スーパーチャージャーの料金は徐々に値上がり傾向であり、今後も変動する可能性が高いです。
スーパーチャージャーの充電時間超過料金
スーパーチャージャーには、上記で紹介した充電料金以外に、充電時間超過料金が発生するケースがあります。充電時間超過金料金とは、車両の充電が完了しているにも関わらず、車両を放置していると料金が発生する仕組みです。
テスラはより多くのドライバーがスーパーチャージャーを利用できるよう、充電時間超過金システムを導入しています。充電時間超過料金は、充電完了後5分以内に車を移動しなかった場合に1分ごとに50円、スーパーチャージャーが満車時には1分ごとに100円かかります。
※超過料金は国によって異なり、上記料金は日本の場合です。
そのため、充電中は車両から離れることがあるかと思いますが、超過料金がかからないように注意が必要です。テスラのアプリでは、車両の充電終了が近づいた時と、充電完了時にもアラートが届くので、車両から離れていても安心して過ごせます。なお、丸の内スーパーチャージャー(パレスホテル東京)と六本木スーパーチャージャー(グランドハイアット東京)は対象外です。
スーパーチャージャーの料金の支払い方法
スーパーチャージャーの支払いは、テスラのアプリに設定した支払方法から自動で決済されます。サポートされている支払い方法はクレジットカードのみです。そのため、事前にテスラのアプリにて、クレジットカードを登録しておく必要があります。以下のクレジットカードが利用できます。
・JCB
・Visa
・MasterCard
・アメリカン エクスプレス
・ディスカバーカード
・ダイナースカード
スーパーチャージャーの使い方
スーパーチャージャーはとても簡単に使えることに加え、テスラの車両ではスーパーチャージャーまでの走行案内もしており、ドライバーにやさしい設計です。スーパーチャージャーに到着するまでと使い方を紹介します。
1.目的地を設定
車両内のスクリーンに表示されているスーパーチャージャーをタップすると、目的地に設定ができます。現在使用可能な数が表示されますが、リアルタイムではなく5分ほど前の情報ですので、到着した際にすでに使用されているかもしれない点には注意です。
2.充電コネクターを接続する
スーパーチャージャーの充電ケーブルを手に取り、ケーブルにあるボタンを押します。ボタンを押すと車両の充電ポートが開くため、ケーブルを差し込んでください。正常に接続されると緑色のLEDが点灯します。充電の状況は車両のスクリーンとアプリから確認できます。
3.完了したら充電ケーブルを抜く
充電が完了したら充電ケーブルを抜きます。料金はテスラのアプリから確認でき、登録したクレジットカードから自動で決済されます。
ガソリンの給油のように給油口を開く、支払いを準備するといった手間がかからず、スムーズに充電ができます。
まとめ
テスラのスーパーチャージャーは、従来の充電設備よりもスピーディーに充電できる設備です。高出力の直通電源と充電中の出力調節によって、最適な電力を供給できます。現在日本に設置されているスーパーチャージャーは、V2、アーバン、V3のみですが、今後さらに高出力で他の電気自動車にも対応できるV4が設置されるかもしれません。また、スーパーチャージャーの利用料金は値上がり傾向ですので、今後の変化にも注目です。
自宅で充電を行う場合は、テスラの蓄電池、パワーウォールがおすすめです。
パワーウォールは品薄状態のことも多いため、他のメーカーの蓄電池も選択肢に入れることをおすすめします。
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