コラム

太陽光発電のソーラーパネルを設置するときに受けられる補助金システムを徹底紹介

v2hの補助金

2050年までに温室効果ガス排出実質ゼロを目指す「カーボンニュートラル」が政府によって始動され、多くの企業や自治体が脱炭素への動きを急速に進行させています。再生可能エネルギーを取り入れて、従来の化石燃料に依存しないエネルギー確保手段の転換は、カーボンニュートラル政策の根幹をなすものといっても過言ではありません。
水力発電や風力発電と異なり、太陽光発電システムは事業者だけでなく我々一般家庭でも始めることが可能な脱炭素社会への貢献方法です。これから太陽光発電システムの導入を検討している方も多くいると思いますが、設置費用が安くはありません。費用を少しでも低減させるべく、国や自治体の補助金制度について気になるところではないでしょうか。
2022年現在、国や自治体はどのような補助金制度を設けているのでしょうか。太陽光発電システム導入の際の補助金活用にお役立ていただければと思います。

太陽光発電の補助金制度は2022年には廃止?

2022年時点で、国による太陽光発電システム単体への補助金制度は廃止となっています。残念ながら、今から自宅の屋根にソーラーパネルを置こうとしても、国からの補助金を受けることはできなくなりました。
国から太陽光発電に対しての補助金の歴史は、1990年代まで遡ります。「住宅用太陽光発電導入基盤整備事業」により、年ごとに金額の上限は変化しながらも、設置費用の最大1/2という高額な補助金が支給された時期もあったのです。
2005年にこの制度は廃止されましたが、2009年、二酸化炭素排出による地球環境破壊に世界的な注目が高まったことから、再び補助金制度が始動します。
「住宅用太陽光発電導入支援対策費補助金」とよばれ、当初1kWあたり7万円という金額がシステム導入者に支給されました。しかし、太陽光発電の生産コストが低下したこと、普及が進んだことなどを理由に、制度目的が十分果たされたと判断され2013年度末をもって終了。2014年度以降、このような補助金制度は実施されていません。
現在国からは、「ZEH補助金」と称される、省エネ設備を導入して一定の要件を満たした住宅を取得する際に補助金を支給する制度が行われています。これから新築を購入して太陽光発電システム導入を考えている人は、自宅全体を省エネにした高品質な住居を選択してもいいのではないでしょうか。

2022年現在、東京都で行われている太陽光発電関連の補助金を解説

東京都では、再生可能エネルギー設備の新規導入を促進する補助金制度に力を入れており、様々な制度が用意されています。2050年CO2排出実質ゼロに貢献する「ゼロエミッション東京」の実現に向けて、今後もますます多彩な補助金を交付してくれると期待できますが、ここでは現時点でどのような制度があるのか、紹介していきます。
実は東京都の補助金は、上限金額が以前よりも増額されており、太陽光発電システムの導入を検討するうえで絶好のタイミングと言えるのです。その理由を以下で説明しましょう。

まず、太陽光発電システムへの補助金についてですが、既築の場合15万円/kW(最大45万円)、新築の場合12万円/kW(最大36万円)、が受け取れます。通常、システム1kWあたり28~32万円程度が目安ですので、半額近い補助金が交付されるのです。
ただし一つ条件があります。それは、蓄電池を同時に購入した場合に限るということ。蓄電池を設置すると自家消費に大いに役立つので購入して決して損はないですが、蓄電池単体でも容量によって100万円を超える商品も少なくありません。

「結局高額な出費をしなければいけないのか・・・」
と落胆されたなら、ちょっと待ってください。東京都は、太陽光発電とは別に、蓄電池への補助金も手厚く用意しているのです。2021年度は1kWhあたり7万円、最大42万円だったのに対し、2022年度は1kWあたり10万円、最大60万円と上限を引き上げてくれました。つまり、太陽光発電システムと蓄電池を同時に設置すると、最大105万円の補助金が東京都からもらえます。生産性拡大によって太陽光発電の価格はどんどん低下しているのに、補助金が増えているのですから、こんな嬉しい話はありません。そのため、2022年度は東京都内で太陽光発電システムを新規導入する人が一気に増える可能性もあり、申込みが殺到すると推測されます。補助金審査は先着順ですので、せっかくの機会を逃さないよう、こまめに東京都のホームページを確認して、募集が始まったらすぐに応募するようにしましょう。

事業用の太陽光発電関連の補助金は存在するの?

FIT制度(固定価格買取制度)を活用する太陽光発電投資に関しては、補助金を受け取るのはかなり難しくなります。国からの補助金は住宅用だけでなく事業用にもありません。
たとえば、経済産業省が実施する「需要家主導による太陽光発電導入促進補助金」制度は、民間企業向けに行うもので、FIT制度による売電が認められていません。あくまで自家消費目的で太陽光発電システムを導入する企業を支援する目的ですので、投資として太陽光発電を設置する民間企業は対象から外れます。国主体で施行される制度は、このように再生可能エネルギーを長期的に消費して温室効果ガス削減目標に貢献してもらう事業者をサポートするものが多いようです。
地方自治体に目を向けても、2022年時点で事業用太陽光発電に補助金を出しているところは中々見つかりません。まずは一度、お住まいの自治体に問い合わせる、もしくはホームページを調べてみる価値はありますが、もし補助金が無い場合には、金融機関から融資を受ける方向に切り替えた方がいいでしょう。

まとめ

近年は生産コスト低下により、10年前よりも随分安く太陽光発電システムを導入することが可能になっています。また、初期費用をかけずに太陽光発電や蓄電池を導入できるサービスも登場しており、費用面でのハードルは非常に低下しました。国も地方自治体も、多くの人に脱炭素への取り組みに貢献してもらい、カーボンニュートラルを実現したいという方針は同じです。
だからこそ、東京都のように破格の補助金制度を実施して導入を促進する政策が打ち出されるわけです。もちろん、東京都以外の地域でも様々な補助金を受け取れる制度があり、申込期限内に申請して審査を通過すれば、相当な金額を支給してもらえるはずです。
補助金の申請期間は自治体によってそれぞれ異なるので、自分が住んでいる地域で募集が始まるタイミングをみて、あらかじめ検討及び準備を進めておくといいでしょう。