コラム

EV(電気自動車)のリセールバリューは悪い?実情やリセールが良い車について解説

EVのリセールバリュー

ここ数年世界中でEVの普及が急速に進んでいます。日本でも、欧米や中国に比べて普及はまだ少ないですが、着実に自動車販売におけるシェアを伸ばしています。2023年日本では、普通乗用車と軽自動車合計で、EVの新車販売は前年比約1.5倍の約9万1000台になりました。新車販売のシェア約2.28%です。そんな中、EVを購入した方も、これから購入を本格的に検討しようとしている方も、EVのリセールバリューが気になる方は多いのではないでしょうか。一般にEVのリセールバリューは、悪いと言われていますが、実情はどうなのでしょうか?本記事で解説していきます。

リセールバリューとは?

リセールバリューとは、購入した価格に対して何%の金額で売却出来るかを示す、価格や価値のことです。例えば400万円で購入した車を、3年後に200万円で売却できれば、リセールバリューは50%ということになります。車の場合、だいたい3年で50から60%、5年で40から50%、7年で20から30%、10年後だと5から10%と言われています。
一般の市場価格同様、中古車の市場価格も基本的に需要と供給の関係で決まってきます。ある商品の供給量に対して、重要が多ければ価格は高くなりますし、需要が少なければ価格は低くなります。例えば、人気のある車種のリセールバリューは、供給が多くても需要も多いので、リセールバリューは高いということになります。

EVのリセールバリュー悪い?

日本ではEVのリセールバリューが悪いという、ある種の定評があります。しかし、この点を丁寧に見てみると、必ずしも全部がそうとは言いきれない面もあります。日本のEV中古車市場でもっとも多く流通している日産リーフを例にとってみると、中古車相場は低いです。これは、2010年に登場した初代リーフの場合、バッテリー性能劣化が大きかったため、当然中古車市場の相場も下がってしまったという実情がありました。
しかし、販売台数は少ないものの、リーフに先行して販売された三菱アイミーブやミニキャブミーブの中古車販売価格の相場は、リセールバリューは悪くありません。それも、特に10.5kwhバッテリーの搭載車は、10年を経過してもバッテリー容量残存率で100%を示している車が多くあります。このため、リセールバリューは良好で、同年式の初代リーフよりも高いです。

また別の面として、EVの場合は国や地方自治体からの補助金があるので、この分を含みで計算すると、リセールバリューは決して悪くはないということになります。例えば、現在の日産リーフニスモを約400万円で新車購入した場合、5年後のリセールバリューは50%弱で200万円程度になります。しかし、購入時の国からのCEV補助金42万円と東京都の場合の地方自治体の補助金45万円、合計87万円を購入価格から差し引くと、購入時の実質価格は317万円となり、5年後200万円の中古車相場の場合リセールバリューは63%になりますから、一般車に比べても高いです。

リセールの良いEV車でさらにメリットが

EVは、ガソリン車の場合のような騒音や振動がありません。そのため長距離ドライブをしても、それほど体の疲れがありません。また、加速もよく走り出しからアクセルを少し踏むだけでスムーズに加速します。コスト面も大きなメリットです。自宅充電を主に行えばガソリン代よりも電気代の方が倍以上安くなります。エンジンオイルの交換も必要ありませんし、回生ブレーキの使用でブレーキパッドの摩耗も少なく、自動車のメンテナンスコストを抑えられます。災害時の電源としても使えます。

また、大きなところから言えば、EVは二酸化炭素や汚染物質を排気ガスとして放出しないので、地球の環境問題の解決にも大きく貢献できます。そのため各国の政府は、自動車に占めるEVの割合を目標設定し、政策を推し進めています。日本では、「2035年までに乗用車の新車販売で電動車100%」という方針が定まっています。この電動車には、EVだけでなく、ハイブリッド車(HEV)や燃料電池車(FCV)も含みますが、これからのEVの普及が加速されていく環境があります。日本各地の充電スタンドの拡充も進んでいます。

リセールの良いEV

こうした中、リセールバリューの良い車を選んで購入することにすれば、EV車のメリットをさらに生かせるでしょう。ではリセールの良いEVとは、どんな車でしょうか。先に、EVのリセールバリューが悪いという定評の理由として、初代の日産リーフのバッテリー性能の経時劣化があることを書きましたが、2代目のリーフは初代に比べ、バッテリーの劣化を抑制できています。このことが中古車としての相場にもよい影響を与え、安定した価格となっています。
つまり、バッテリー性能劣化がどれだけ抑制されているかが、リセールバリューの良いEVを選ぶ一つの大きなポイントということです。アイミーブやミニキャブミーブで小型の10.5kwhバッテリー搭載車は、東芝の「SCiB」リチウムイオン電池が使用されています。この製品は劣化に強い特徴があり、10年を経過したものでもバッテリー容量残存率が100%を満たしているものが多くあります。そのため中古車相場も良好です。

リチウムイオン電池は、充放電によって劣化が進むという厳然たる事実がありますが、近年バッテリーの性能が向上してきていますし、劣化抑制の管理がよくされるようになってきてもいます。それで、ユーザーとしては、十分な性能維持が見込めるようになっています。それで、傾向としてはバッテリーの性能が十分に維持されているEVがリセールの良いEVということになります。

中古車販売店でも、EVのバッテリー容量残存率を計測、表記している所があります。中古車の買い手としては、よりバッテリー性能の良いものをという指向がありますから、この点が良好なEVは供給に対して需要も多く、中古車相場つまりリセールバリューも良い車ということになります。
EVに使用されるリチウム電池の寿命は、一般的に8年または走行距離16万kmといわれています。ただ、メーカーによって保証内容は異なります。また、使用方法や経過時間、充電回数等いろいろな条件で劣化の進み具合も変わってきます。リセールを考えているユーザーなら、購入時に十分バッテリー性能の説明を受けて十分な性能のものを選び、かつ使用時になるべく劣化を抑える使い方をすることにより、リセールバリューを維持できるでしょう。

リセールバリューを保つ

各メーカーがそれぞれ、バッテリーの容量保証を付けています。例えば日産はリーフのバッテリーに8年間または走行距離16万kmという保証を付けています。それで、中古車の買い手としては、あまりバッテリー劣化を気にせずに購入できる環境があります。その中でリセールバリューを保ちたいというユーザーであれば、自分のEVのバッテリー性能を良好に保つことがポイントになるでしょう。

では、EVのバッテリー劣化を抑えるために、どのような乗り方が出来るでしょうか。ドライバーにもいくつか出来ることがあります。
まず、不必要な高速運転を控えることです。加速がいいのでついつい高速運転の頻度が増えるかもしれません。でも、EVのバッテリーは急激な電気の出入りがあると発熱し、発熱が長時間になるとそれだけバッテリーの劣化が進みます。リチウムイオン電池は、60度以下の温度環境で使用すれば劣化が起きないように設計されています。そのため、一般道だけでなく高速道路でも適正速度を保ち、バッテリーの劣化を抑えましょう。また、低充電、満充電の使用もバッテリーの劣化を早めます。バッテリー残量は30〜80%となるよう充電し、この範囲での使用を心がけましょう。
これから、EVはさらに普及していくでしょう。リセールを意識している方なら、EVを賢く選び、バッテリー性能維持を心がけた運転でバリューを保ち、快適なEVライフを楽しんでください。