コラム

テスラの蓄電池パワーウォールとは?徹底解説

テスラのパワーウォール

電気自動車(EV)を手掛けるテスラが発売した蓄電池、パワーウォール。どのような蓄電池か、導入するメリット・デメリットが気になりますよね。
そこで本記事では、テスラの蓄電池パワーウォールを解説しながら、導入するメリット・デメリットも紹介します。テスラの蓄電池を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。

テスラの蓄電池パワーウォールの特徴

テスラの蓄電池パワーウォールは家庭用蓄電池で、太陽光発電などによる電気を蓄電し、蓄電した電気を自宅へ供給できるものです。ここでは、テスラの蓄電池パワーウォールの特徴を紹介します。

低価格でお得

テスラのパワーウォールは、低価格であることから導入を検討する方が少なくありません。公式サイトでは、本体価格は100万円、ゲートウェイは21万円です。安さの理由は、卸業者を介さず直接販売する方法をとり、仲介手数料がかからないからのようです。
ゲートウェイは家庭の電力系統とパワーウォールを管理するもので、蓄電された電力の調整や、停電時のバックアップ機能があります。また、テスラのクラウドサービスやスマホアプリと通信し、ユーザーにパワーウォールの状況を報告する機能もあります。なお、配送・設置費用は含まれていませんので、最終的な合計価格は認定販売施工会社によって決まります。

大容量で高パフォーマンス

テスラのパワーウォールの電池容量は、13.5kWhと大容量です。13.5kWhは他メーカーの蓄電池と比較しても大容量で、4人世帯の1日の電力量とほとんど同じです。また、最高出力はピークで7kW、連続運転は5kWですので、停電時でもエコキュートやIHといった負荷が大きい製品も利用できます。

家の中すべての電源に利用可能

家の中にあるすべての電源に利用できるのも、テスラのパワーウォールの特徴です。蓄電池の製品によっては、電気を送る先が特定の家電製品へ限定されるタイプがありますので、蓄電池を導入の際には確認が必須です。パワーウォールは、冷蔵庫やエアコンなど、自宅で使うあらゆる家電製品の電力を補えます。

スマートなアプリ

パワーウォールは、スマホアプリから管理ができます。テスラの電気自動車はスマホアプリで管理できる機能が多く、テスラならではの特徴といえます。スマホアプリでは、電気をためておく時間帯、電気を自宅に供給する時間帯も決められます。電力料金プランやライフスタイルに合わせて変更できるため、とても使いやすいです。さらに、アプリでは電気料金プランを設定でき、電気料金を最大限節約できるような蓄電と供給を自動でコントロールできます。

一線を画したデザインとサイズ

洗練されたデザインもパワーウォールの特徴です。パワーウォールは、ホワイトの光沢性のあるフォルムにTESLAと刻まれており、従来の蓄電池のイメージが払拭されたデザインとなっています。サイズと重量は以下のとおりです。

●サイズ
高さ×幅×奥行き
1150mm×753mm×147mm
●重さ
114kg

奥行き(厚み)がコンパクトですので、従来の蓄電池では設置できなかったスペースにも設置できる可能性があります。特に、都心部や隣家との間隔が狭い家の場合、蓄電池の厚みから設置を断念したケースを聞きますので、そのような場合でも対応できるかもしれません。
また、パワーウォールは壁掛け可能なため、家のインテリアデザインとしても設置可能です。ただし、重量が114㎏と重いため、物件によっては壁掛けができないケースがあります。

水冷式冷却システムで低温・高温にも強い

テスラのパワーウォールは、水冷式冷却システムを搭載しており、寒暖差の激しい地域でも利用できます。
パワーウォールが耐えられる温度は、マイナス20℃~50℃。
そのため、雪が降る地域にお住まいの方でも、酷暑の地域にお住まいの方でも、安心して利用できます。
家庭用蓄電池にはリチウムイオン電池が使われますが、高温環境では劣化しやすいデメリットがあります。
しかし、水冷式冷却システムによって適切な温度管理をすることによって、あらゆる温度下でも最適なパフォーマンスを引き出せるのです。
この水冷式冷却システムは、テスラが電気自動車で培ってきた冷却機能によって生み出されています。

自動で充電するストームウォッチモード

パワーウォールは、台風など悪天候による停電の恐れがあると判断した時には、蓄電池を100%まで充電してくれる「ストームウォッチモード」があります。ストームウォッチモードは、給電を設定した時間帯でも自動で充電モードに切り替わります。このモードは、悪天候が改善したら自動でオフになるため、自身での操作は不要です。また、アプリからオン・オフを選択できますが、万が一に備えてオンにしておくと安心です。

テスラの蓄電池パワーウォールを導入するメリット

パワーウォールは大容量ながら低価格であり、便利な実用性を備えていることがおわかりいただけたと思います。さらにここでは、テスラの蓄電池パワーウォールを導入するメリットを紹介します。

電気代が削減できる

パワーウォールは蓄電した電力を家で活用できるため、電気代が削減できるメリットがあります。蓄電池は容量が多いほど電力をためられますので、パワーウォールの大容量13.5kWhは嬉しいポイントです。どれくらい電気代が削減できるかは、世帯人数や太陽光の発電力、電気料金プランによって異なりますが、パワーウォールの容量13.5kWhは、4人世帯の1日の電気消費量と同じであることから、かなり電気代が削減できると予想できます。1年の中でもエアコンなどの空調を使わない季節であれば、電力を購入する機会も少なくなり、家計がさらに助かるでしょう。

長時間の停電時も安心できる

パワーウォールは大容量であることに加え、連続運転は5kWであることから、一時の停電だけでなく長時間の停電時も安心です。日本は台風や地震などの災害によって、停電するケースが少なくありませんし、復旧まで時間がかかることもあります。そのような場合でも、安定した電力を使えるのは大きなメリットといえます。

テスラの蓄電池パワーウォールのデメリット

魅力的なテスラのパワーウォールですが、デメリットもあります。導入前に知っておきたいポイントですので、ぜひチェックしてください。

自治体の補助金は対象外

テスラのパワーウォールは自治体の補助金の対象外ですので、補助金を検討している方にはデメリットです。補助金をもらうには、日本仕様のJET認証を受けた蓄電池である必要があり、パワーウォールはJET認証を受けていません。なお、国内メーカーの蓄電池であれば、JET認証を受けています。

ダブル発電によって売電価格が下がる可能性

パワーウォールは、太陽光が発電している時間帯にも蓄電池にためた電気が使えるため、ダブル発電に該当します。ダブル発電に該当すると、売電価格が1~8円下がる可能性がありますので、売電価格を重視されている方にはデメリットです。なお、蓄電池にはダブル発電に該当しないタイプもあります。

テスラの蓄電池パワーウォールの寿命はどれくらい?

パワーウォールの寿命は、正式には公表されていません。しかし、保証期間が10年間、10年間の蓄電池の残容量が70%以上であることを保証しています。他メーカーの蓄電池も保証期間は10年であるケースが多いため、平均的な保証期間です。残容量70%以上は、他のメーカーと比較すると優れた保証であるといえます。

まとめ

テスラのパワーウォールは、性能の高さと価格の安さ、そしてデザイン性も優れた蓄電池です。電気自動車で培った技術が反映されており、ユーザーの使いやすさにも着目した商品です。デメリットもありますが、デメリットよりもメリットが上回るのであれば、導入の検討に値する蓄電池と言えるでしょう。