太陽光発電導入の流れ

太陽光発電システムを設置するまでの流れを解説【一戸建て】

太陽光発電システムをいざ自宅に導入しようと考えても、すぐに発電を開始できるわけではありません。設置工事に時間を要するのはもちろんですが、それ以外にも様々な手続きが必要となります。
手続きの過程において、書類の不備や計画ミスなどが発生すると、工期がズレてしまうだけでなく、余計なコストがかかる場合もあります。余分な出費を抑えて、スムーズに発電を開始するために、きちんと理解しておくことが大切です。本コラムでは、どのような流れで手続きが進んでいくのか、どのような書類が必要なのか、設置までの手順や注意点を詳しく説明していきますので、是非把握してもらえればと思います。

太陽光発電はすぐには使えない?いつから使えるようになるの?

太陽光発電システムの設置に時間がかかるのは一体なぜでしょうか?
それは、太陽光発電の導入は国のエネルギー事情にも関係するため、設置工事すれば誰でもすぐ使えるというわけにはいかないのです。
詳しい流れは後ほど解説しますが、住宅用太陽光発電で売電する場合、導入後から10年間は固定価格買取制度を適用されます。この期間、私たちの自宅で発電した電気を、電力会社に一定価格で買い取ってもらうわけです。つまり、どの住宅から売電されるのか、電力会社は一軒ごとに管理する必要があります。
認可をするうえで、申請者に何か問題はないか、設置において不備はないか、きちんと確認を取らないと電力受給契約を締結するわけにはいかないのです。

経済産業省は、申請から認定までに要する期間は約3ヶ月だとアナウンスしています。しかしこの数字は最短、どちらかというと非現実なものだと捉えていいでしょう。これまでに太陽光発電システムを導入した人からは、さらに時間がかかるという声が多く見られます。審査期間が長期化している理由として、手続きや審査が複雑なことが挙げられます。
もう一つ、申請が年度末に集中するので、そのタイミングで申請した人は認定が通常より遅くなる傾向にあるようです。FIT制度(固定価格買取制度)による買取単価は年度ごとに変わるため、年度末に集中しやすいのです。年度が変わると、売電の買取価格が見直され、毎年売電価格は低下しています。それを避けたい人が一斉に申請してくるので、早めに発電を始めたい人はその時期を避けるのが賢明でしょう。
では、住宅用太陽光発電に関して、どのような流れで設置を行えばよいのか、次の項目で解説していきます。

まずは太陽光発電設置までの大まかな流れを把握しよう

太陽光発電システムの導入における具体的な手続きの流れは、おおよそ次の通りです。以下、それぞれの内容を説明していきましょう。

①設置計画を立て、シミュレーションする(2週間~1ヶ月)
②販売店・施工業者へ見積を取る(1〜2週間)
③プランの確定と補助金の申請(1〜2週間)
④電力会社への申請手続き(1~3ヶ月)
⑤経済産業省へ事業計画認定の申請(1〜3ヶ月)
⑥太陽光システムの設置工事(1週間程度)
⑦電力受給契約と系統連系確認(2週間〜数ヶ月)

①設置計画を立て、シミュレーションする(2週間~1ヶ月)

新築ではなく、既築の住宅にソーラーパネルを取り付けようと考える場合、屋根の形状や家の構造によって太陽光発電を設置することができない可能性もあります。特に築年数が古い住宅だと、設置が難しいケースも少なくありません。まずは、設置の可否、規模(=パネルを置く枚数)、どのくらいの発電量を見込めるのか、売電収入はいくらになるのか、具体的なシミュレーションが必要です。新築の場合は、住宅工事とあわせてハウスメーカーに相談することになるでしょう。既築だと設置業者に屋根の形状や素材など詳細に伝えて相談します。

②販売店・施工業者へ見積を取る(1〜2週間)

自宅の屋根に設置可能だと判断してもらったら、どの業者に依頼するか検討していきます。この時、1社だけで決めてしまうと、万が一悪徳業者だった場合に取り返しがつかないことになりかねませんので、必ず複数の業者に見積もりを依頼してください。各販売店や施工業者に見積もりを依頼すると、屋根の形状や方角、日射量などを調べるために現地調査が実施されます。その結果をもとに見積書を作成してくれるので、価格面やサービス面をふまえ最も信頼できる業者を選びましょう。実績豊富な業者だと、調査結果によってどのぐらいの発電量が得られるのかシミュレーションを出してくれるところもあるようです。

③プランの確定と補助金の申請(1〜2週間)

各業者から出された見積もりをもとに、慎重に選別しながら最終的に施工を依頼する業者と契約を結びます。そうしたら、国や地方自治体から補助金をもらえる場合もあるため、申請準備を行います。特に地方自治体は、太陽光発電システム導入を促進するため補助金給付に積極的なところも多いので、該当する案内ページなどを見落とさないようにしてください。補助金申請に必要な書類や手順を事前に調べておくと、迅速に進められます。また、手続きが面倒だという人のために、多くの設置業者では補助金申請の代行を請け負っているので、そちらも検討してみましょう。

④電力会社への申請手続き(1~3ヶ月)

住宅用太陽光発電で売電する場合、電気を買い取ってもらうことになる管轄の電力会社に売電認可を求める必要があります。ソーラーパネルを屋根に取り付けるだけでは売電はできません。電力会社の配線設備と接続することによって、電力の買い取りが可能になります。この申請を、「接続同意」や「系統連系確認」といい、電力会社で審査・検討が行われ、申請者に結果が通知されます。きちんと段階を踏んで申請すれば、電力会社から拒否・却下されることは通常ありません。

⑤経済産業省へ事業計画認定の申請(1〜3ヶ月)

売電においてFIT制度(固定価格買取制度)を適用してもらうためには、経済産業省の「資源エネルギー庁」に再生可能エネルギー発電事業計画認定申請書を提出しなければなりません。住宅用太陽光発電といえども、”事業”として申請します。そうしないとFIT制度は適用されないのです。事業計画認定の申請にはいくつかの書類が必要になるため、申請すると決めた段階で準備をしておくと良いでしょう。
設備規模が10kW未満の場合、主に必要な書類は下記のとおりです。なお最新情報については、資源エネルギー庁のホームページをご覧ください。

●土地の取得を証明する書類(土地の登記謄本など)
●建物所有者の同意書類(建物の登記謄本など)
●構造図や配線図
●電力会社の接続同意書類
●委任状や印鑑証明(代行事業者が申請する場合)

⑥太陽光システムの設置工事(1週間程度)

事業認定が下りたら、ソーラーパネルやパワーコンディショナーなど関連機器の取り付けを依頼した業者に施工してもらいます。設置工事が完了したあと、太陽光発電システムが正常に動くようにするため、電気配線の工事も行うケースが多いようです。

⑦電力受給契約と系統連系確認(2週間〜数ヶ月)

太陽光発電システムの設置工事、電力会社との手続きなど全ての準備が整ったら、家主立ち会いのもと業者による確認作業が行われます。設置した機器がすべて正常に作動していると確認が取れると、正式に発電と売電が開始されます。ここまで来てようやく自家発電を始められるのです。

太陽光発電の設置の際に依頼する業者選びのポイント

太陽光発電システムの申請手続きは非常に複雑で必要書類も多いので、なかなか一般人が自分の力だけで完結させるのは難しいでしょう。そこで頼りになるのが設置業者です。実際の工事だけでなく、申請手続きを代行してくれる業者も多いので、困った時には委託するのもいいでしょう。しかし、中には過剰に高い見積もり金額を提示したり、専門知識に欠けて不備が多い業者も存在するのも事実です。どのように業者選びをすれば良いのでしょうか。一般的に、以下に記載した点をもとに判断することをおすすめします。

●業者に都合のいいプランの押し付けではなく、要望や条件をちゃんと聞いて最適な提案をしてくれるか?
●経済産業省や電力会社、補助金申請の手続きについて専門的な知識を持ち、わかりやすく説明してくれるか?
●太陽光発電のデメリットや災害時などの保証について説明の有無
●メーカー認定の「施工ID」の有無
●過去の実績や経験に基づいたシミュレーション資料の提示
●現地調査を実施したうえで作成した設計図の内容、丁寧さ
●見積書に日付、会社名、担当者名が記載され、捺印があるか?
●クーリングオフ制度の説明及び領収書や契約書をきちんと発行してくれるか?
●見積書は項目ごとに細かく記載されており、余計な費用が上乗せされていないか?
●見積価格が他社と比較して適正か否か

まとめ

太陽光発電システムの設置には、どうしても数ヶ月にわたる時間を要してしまい、なかなか事前の想定どおりに手続きが進まないこともあります。事前に各種書類や手続き内容をしっかりと把握して、計画を立てて行いましょう。
スムーズに導入を完了させるには業者に力が不可欠であり、委託できる部分は業者に任せてもよいでしょう。ただし、上記でお伝えしたように、業者選びをしっかり見極めないと、思わぬトラブルやタイムロスを被ることになりかねません。
自家発電を一日も早く開始したいと、はやる気持ちを抑えられないのは分かりますが、後々後悔しないためにも、入念に準備をして手続きを完結させるようにしましょう。


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