コラム

風力発電のメリットとデメリットを解説

風力発電とは

再生可能エネルギーの一つとして、風力発電に注目が集まっています。世界的に普及が進む風力発電ですが、どのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。本記事では、風力発電のメリットとデメリットについて解説していきます。

風力発電のメリット

風力発電では、おもに以下のようなメリットが注目されています。

無限に利用できる

風力発電は再生可能エネルギーです。風は自然に供給されるため、無限に利用できます。風は太陽の熱によって地球上の大気が移動することによって生じ、このプロセスは地球上に大気が存在する限り持続します。それゆえ、風力発電も無限に利用できるのです。ただし、風の強さや一定性は場所や時間によって異なります。そのため、風力発電の効率的な運用には適切な風の条件が必要です。

二酸化炭素の排出を削減

風力発電は燃料を燃やすことなく電力を生産するため、二酸化炭素を始めとした温室効果ガスの排出量を削減します。二酸化炭素は、大気中で温室効果を引き起こすガスの一つです。赤外線を吸収し、大気中に熱を閉じ込めることで、地球の気温を上昇させます。二酸化炭素の排出源は、化石燃料(石炭、石油、天然ガス)の燃焼です。化石燃料はいまだにエネルギーの生産に広く利用されていますが、その過程で放出される二酸化炭素が大気中に増加すると、生態系にも深刻な影響を及ぼします。
風力発電は、上記の問題を緩和するための解決策の一つです。風力発電は燃料を燃やすことなく電力を生産し、その過程で二酸化炭素を排出しません。そのため、気候変動や地球温暖化の緩和に役立つと考えられています。

地域経済への貢献

風力発電所の建設や運営により、地域経済への貢献も期待されます。風力発電所の建設や運営には多くの作業が必要です。たとえば、風力タービンの設置やメンテナンス、送電線の敷設などがあります。それに携わる建設作業員や技術者、管理職が必要とされるため、多くの雇用機会が生まれます。
また、風力発電所の建設や運営にはさまざまな資材やサービスが必要です。地元の建設会社や製造業者、サービス業者などが風力発電プロジェクトに関連する仕事を受注することで、地域経済の活性化が期待されます。

加えて、風力発電所の稼働により、地方自治体は地方税や固定資産税などの税収を得ることができます。増収分が公共施設やサービスの充実、福祉や教育の向上などに使われれば、地域全体の発展が期待できます。さらに、風力発電所は観光資源にもなります。観光客の増加で地元のホテルやレストラン、小売業などが利益を得るようになれば、地域の観光産業の活性化にもつながるでしょう。

エネルギーの独立性

化石燃料や核エネルギーなどの従来のエネルギーは、特定の地域に依存することが一般的です。また、多くの国では石油やガスなどのエネルギー資源を輸入し、これらの輸入エネルギーに依存しています。これらの資源は有限です。しかし、風力発電は独立したエネルギーであり、石油やガスなどの輸入エネルギーに頼る必要がありません。自然によって供給される再生可能なエネルギーであるため、風力発電が増えることで輸入エネルギーへの依存を低減できます。つまり、風力発電を活用すれば、地域で自給自足のエネルギー供給が達成可能となるのです。エネルギー供給の安定性にも貢献します。

低いランニングコスト

風力発電は、運用コストが低いこともメリットです。風力発電は、風車を風の力を使って回し、発電機を駆動することで電力を生み出します。風は無料ですし、このプロセスには燃料を必要とせず、燃料費用はまったくかかりません。メンテナンスコストも、従来の発電方法と比べて少なくなります。風力発電所の構成要素である風車や発電機は比較的シンプルな構造をしており、機械的な部品の摩耗が少ないのが特徴です。もちろん定期的な点検やメンテナンスは必要ですが、これも火力発電所のボイラーやタービンなどの燃料を使用する設備に比べると、圧倒的に低いコストで収まります。
さらに、風力発電の技術は急速に進歩しています。風力タービンの効率は向上し、風力発電所の規模も拡大しています。1つの風力発電所で多くの電力を供給できるようになっているのです。風力発電の経済規模が拡大するにつれて、発電コストはさらに低下するでしょう。

風力発電のデメリットとその解決策

メリットの多い風力発電ですが、まだ懸念されるべきデメリットもいくつかあります。その軽減と解消に役立つ解決策を併せてチェックしておきましょう。

電力供給の不安定さ

風力発電は風の強さや方向に依存しています。風が吹いている間は電力を生産しますが、風がないときや弱いときには電力の供給が不安定になるのが弱点です。風速が不安定な場合、電力供給も不安定になるのは避けられません。特に、風速が足りない場合には十分な電力を生産できない可能性があります。
このデメリットを解消する方法として考えられるのは、エネルギーの多様化です。風力発電だけでなく、複数の再生可能エネルギーを組み合わせれば、エネルギー供給の安定性はより高まるでしょう。太陽光発電や水力発電など、ほかの再生可能エネルギーと組み合わせることで、電力供給の安定性が確保できます。また、電力の需要と供給を調整するために、バッテリーなどのエネルギーストレージシステムを導入するのも良い方法です。

風力発電所に適した場所が限られる

効率的な風力発電を実現するためには、風の強い場所が必要です。しかし、そういう場所はどこにでもあるわけではなく、仮に適した場所があったとしても、土地の取得や環境への影響などの課題があります。これを解決するには、技術革新による発電効率の向上に期待がかかります。風力タービンが今よりもっと進歩すれば、従来は不適当とされていた地域でも効率的な風力発電が可能になるでしょう。また、海上の風力発電所の建設を推進することも一つの解決策です。

景観への影響

風力タービンや風力発電所の設置により、景観に影響を与える可能性があります。このデメリットを解消するには、風力タービンの配置を景観に配慮して計画することで、その影響を最小限に抑える方法が考えられます。また、地元のコミュニティや住民との協議や調整も十分に行う必要もあるでしょう。
風力発電によって発生する騒音や鳥類の衝突リスクもデメリットです。周辺に防音壁や遮音設備を設置し、周囲への騒音の影響を軽減することが一つの解決策になるでしょう。これから建設する場合は、事前に鳥類の生息地や渡り鳥の通り道を調査し、風力発電所の建設や運用によってどのような影響が出るかを評価したうえで、対策を実施することが必要です。

まとめ

過去のエネルギー生産方法に比べて環境への影響が少なく、自然の資源を無駄なく利用できる風力発電は、全世界的に注目を集めています。さまざまなメリットがある風力発電ですが、その普及には技術的な課題や社会的な受け入れの問題など、克服すべき課題もまだまだあることは否定できません。メリットとデメリットを十分に理解し、解決策を探ることで、風力発電の持続可能な発展が期待されます。