太陽光発電を行う場合、確定申告は必要?確定申告について徹底解説

副業や個人事業で、勤めている会社からの給料以外の収入がある人は、確定申告をしなければなりません。そこで気になるのが、太陽光発電による売電収入を得た場合、確定申告をする必要はあるのでしょうか。実は、太陽光発電に関わる税金はサラリーマンと事業主で異なり、条件によって様々なので一概には言えません。するべき人としなくてよい人に分かれます。
今回は、太陽光発電の売電収入に関して、どんな場合に確定申告をするのか、どのように確定申告を行えば良いのか、詳しく説明していきます。

確定申告が必要かどうかはケースバイケース

私たちの一般住宅に設置する住宅用太陽光発電と、法人や個人事業主がビジネスとして運用する大規模な産業用太陽光発電で、税金のシステムは大きく変わってきます。

●住宅用太陽光発電の場合

住宅用太陽光発電の平均設置容量は4~5kW程度ですので、確定申告が不要な場合が多いです。会社から支払われる給料は、あらかじめ税金が天引きされています。サラリーマンなどが自宅の屋根に太陽光発電システムを設置して、余剰電力を買い取ってもらうと、この売電収入は「雑所得」になります。「雑所得」とは、給与所得や不動産所得などに該当しない所得のことです。この額が年間20万円を超える場合は、確定申告を行わければなりませんが、通常超えるケースは非常に稀でしょう。
一つ覚えておかなければならないのは、収入と所得の違いです。課税対象となるのは”所得”です。たとえ売電収入自体が20万円を超えていても、ローン返済や修繕費・維持費などの必要経費を差し引いた額が20万円以下なら、確定申告は不要です。

例外的に、売電による所得が20万円以下でも、確定申告が必要なケースもあります。それは、給与年収が2,000万円以上あり会社で年末調整が行われない人と、税金の還付申告を行う人です。よって、一般のサラリーマンが余剰電力を売って「雑所得」を得ても、確定申告について心配することはあまり無いと言えます。

●産業用太陽光発電の場合

法人や個人事業主が、10kW以上の産業用太陽光発電を導入して、全量買取制度を利用した場合はどうでしょうか。まず、「事業所得」とみなされる場合なら、売電所得が48万円以下だと確定申告の対象外です。

上記の住宅用太陽光発電だと売電収入は「雑所得」に該当しますが、産業用太陽光発電だと「事業所得」に該当するケースもあります。それは、出力量が50kWを超える場合と、”一定の管理”を行っている場合です。一定の管理とは、設備の周りをフェンスで囲ったり、除草・除雪をしっかり施している場合とされています。「事業所得」扱いになると、一律で基礎控除として48万円が差し引かれます。売電所得が48万円を下回る場合、基礎控除と相殺されるので確定申告は不要となるわけです。逆にそれ以上の額なら、確定申告をする義務が生じます。

太陽光発電の経費は基本的に減価償却

減価償却とは、固定資産にかかる費用を、法定耐用年数に応じて経費として分割して計上することです。機械など、時間の経過によって価値が低下するとみなされるものは、減価償却費を経費として収入額から引くことができます。太陽光発電の法定耐用年数は17年です。その期間、経費として一定の金額を計上するため、節税となるわけです。大規模な産業用太陽光発電を運用する人は、減価償却をしたうえで納める税金額を申告しますが、住宅用太陽光発電は余剰売電なので、売電所得が20万円を超えない限り減価償却の対象外です。
減価償却費の計算方法は、通常「定額法」を用います。毎年同じ償却額を計上する方法で、「取得価格(初期費用)÷法定耐用年数」で計算します。もしくは、「取得価格×定額法償却率(太陽光発電の場合0.059)」という計算式でも算出できます。太陽光発電は減価償却資産のうち「機械及び装置」として扱われるため、法定耐用年数は17年と定められているのです。

「定額法」以外に、「定率法」もあり、これは償却額が一定の割合で毎年減っていく方法です。初年度が一番償却額が多く、年々減少していきます。ただ、計算が複雑だったり、なにかと費用がかかる初年度に多額の税金を支払うことになるため、あまり用いられません。

太陽光発電でサラリーマンが利益を得たら青色申告?

サラリーマンが太陽光発電による売電収入で利益を得た場合、青色申告と白色申告のどちらを選んだらいいのでしょうか。端的に言うと、会社勤めの一般的なサラリーマンが青色申告を提出することはできないケースがほとんどです。
税法により、青色申告ができる所得は事業所得、不動産所得、山林所得に限定されています。しかし売電収入は雑所得に該当するため、青色申告の対象となりません。雑所得扱いだと、他の所得との損益通算もできないと定められています。雑所得の合計が20万円を超えない限り、確定申告の必要はないので、余剰電力を売電するだけなら特に問題ありません。

サラリーマンが青色申告を選択する条件は、個人事業主として開業届を事業開始日から1ヶ月以内に提出、及び「青色申告の承認申請書」を開業日から2ヶ月以内もしくは確定申告する年の3月15日までに提出しなければなりません。事業所得と認定される基準となる、発電量が50kWを超える設備を所有しており、一定の管理を行っている場合でなければ、事業とはみなされません。よって、本格的に広大な土地で太陽光発電を手掛ける人でない限り、青色申告をする機会はないと言えます。

まとめ

確定申告と聞くだけで、ややこしいものだと毛嫌いする人もいるかもしれませんが、太陽光発電の場合、事業主でなければ難しく考える必要はありません。基本的には、「売電収入-経費」が20万円を超えないかぎり、何もしなくていいのです。
もし確定申告をする必要がある場合には、税務署に行くか、国税庁のホームページにアクセスして確定申告書を作成しましょう。納税を怠ると、延滞税や無申告加算税といったペナルティが課されるケースもあります。自分だけでは作成が大変だと感じたら、税理士など専門家に相談して、しっかり納税するようにしてください。


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