太陽光発電と地球温暖化

太陽光発電は地球温暖化対策になる?地球温暖化への影響について解説

昨今、私たちが抱える大きな問題として、地球温暖化が取り沙汰されています。1880年から2012年の間に地球の平均気温は0.85℃上昇したというデータが発表され、このままの生活を続けると2100年までに、さらに最大4.8℃上昇する恐れがあるのです。地球温暖化が進行すると、様々な自然災害の発生が危惧されます。もっと言えば、私たちが地球に暮らせなくなってしまうかもしれません。

地球温暖化の原因となっているのは、二酸化炭素(CO2)などによる温室効果ガスです。石炭・石油・天然ガスなど化石燃料を大量に消費することで、CO2が大気中に排出され、地球環境の悪化を招いてきました。そこで、発電する際にCO2を排出しない太陽光発電が脚光を浴びているわけです。地球温暖化対策として、現在急速に普及している太陽光発電ですが、本当に効果はあるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。

太陽光発電が地球温暖化対策になる理由

そもそも地球温暖化とは、どのような原理で起こるものなのでしょうか。
地球は、太陽から発せられる赤外線を吸収して、次に地球自体が熱を放射します。本来なら、この熱は宇宙に放出されてしまうのですが、二酸化炭素やメタン、フロンなどの温室効果ガスが地球を覆っていると、熱を一定量吸収します。この仕組みのおかげで地球は人間が過ごしやすい適温を保てています。
ところが、温室効果ガスの濃度が高まると熱の吸収量が増えてしまい、温度が上昇し地球が温暖化します。約200年前、産業革命の頃、CO2の濃度は約280ppmでしたが、2013年には400ppmを超えているのです。
温室効果ガスの元となる二酸化炭素は、石油や石炭などの化石燃料を燃やすことでどんどん増えていきます。地球の気温が上がると、様々な影響が懸念されています。主なものとしては、以下の通りです。

●海面水位の上昇
●砂漠地帯の増加
●食糧不足
●生態系の破壊
●異常気象や豪雨の増加

つまり、これ以上温室効果ガスを増やしすぎないよう、私たちが生活習慣を見直さなければなりません。
化石燃料を燃やして電力を生み出す火力発電がCO2排出の大きな原因となっているわけですが、いきなり火力発電をやめたら、社会が成り立たなくなります。日常生活において、電気やエネルギーは不可欠です。だからこそ、二酸化炭素を排出しないエネルギーへの転換が必要なのです。
太陽光・風力・水力などの自然エネルギーは、発電時に二酸化炭素を排出しないことが最大の魅力です。
なぜ自然エネルギーが重宝されるかというと、地球に降り注ぐ太陽エネルギーを人類がフル活用できると仮定する場合、人類が年間に消費するエネルギーをはるかに上回る量となります。理論上、消費電力すべてを太陽エネルギーで賄うことが可能と考えるわけです。
もちろん、太陽光が当たらない深夜帯や悪天候の日をどうするか、太陽光パネルを設置するための莫大なスペースが必要、といった難点が存在し、あまり現実的な話ではないのは事実です。とはいえ、火力発電と比較して、CO2排出量が格段に少ないのは間違いありません。
温室効果ガス削減を達成するためには、火力発電を減らして太陽光発電などの再生可能エネルギーを増やす。この点において異論の余地はなく、太陽光発電の普及率を高めていかないと、地球の気温上昇を食い止めるのは難しいかもしれません。

地球温暖化効果に繋がらないと言われているのはなぜ?

政府や地方自治体によって、日本国内でも太陽光発電が推進されている中、太陽光発電に否定的な意見を唱える方も存在します。再生可能エネルギーである太陽光発電も、環境に悪影響を及ぼす可能性が指摘されているのです。それは一体なぜでしょうか。
否定派が主張するところでは、主に次の2点を挙げています。

●森林伐採によるCO2吸収量の低下
●土砂災害

森林などの植物には、「光合成」という、二酸化炭素を取り入れ酸素を出すはたらきがあるのは、皆さんご存知のとおりです。メガソーラーと称される大規模な太陽光発電システムを設置する場合、広大な土地が必要になります。また、日当たりが良い場所でなければ発電効率が悪くなり、せっかくの太陽光発電が活かされません。
そういった事情から、周囲の高い建物がない山や丘に、太陽光発電を建設する事業者も少なからずいます。わざわざ森林を大量に伐採し、山や丘を削って太陽光パネルを設置するわけです。
悪質な事例だと、地域住民からの同意を得ずに森林伐採を敢行する業者もいて、大きな問題になりました。CO2排出量削減を目的とした太陽光発電なのに、二酸化炭素を吸収してくれる森林を伐採しては、何のために設置するのかと異議を唱えられました。
地球温暖化と直接の影響はありませんが、太陽光パネルの崩落や、土地の保水能力低下による水害も心配されています。地球温暖化の悪影響として自然災害の増加が挙げられますが、太陽光発電のせいで土砂災害のリスクが増えては、地域住民からすれば迷惑です。
どうしても設置スペース確保のために森林の一部を伐採する場合、近隣住民の同意を得るのはもちろん、伐採した分以上に植林活動をするなど、自然環境を維持・保護する行動が求められます。
また、太陽光発電システムを製造する過程で微量ながらCO2を排出することになる点や、太陽光発電システムにおいて欠かせないパワーコンディショナーを作動させるために電気が必要である点も、地球温暖化効果に繋がらないと指摘する方もいます。
しかし、一度太陽光発電を導入して長期間にわたり発電し続ければ、これらを遥かに凌ぐCO2削減効果がありますので、過度に気にする必要はないと言えるでしょう。

CO2の排出量がどれだけ減らせるかがカギ

とある専門家が算出したデータによると、2100年までに地球全体の気温上昇を1.5度以下に抑えるためには、2030年までにCO2排出量を現在の半分以下にしなければなりません。
具体的に、2020年時点で、世界の温室効果ガス排出量はおよそ55万GtCO2eです(※GtCO2eは二酸化炭素の重さを表す単位)。気温上昇幅1.5度以下の目標を達成するためには、29GtCO2eほど排出量を削減する必要があります。
さきほども触れた通り、あと10年足らずで半分以下に削減するのは、相当厳しいと言わざるを得ません。今の削減スピードだと、せいぜい15GtCO2e削減にとどまり、2100年までの気温上昇幅が2度を超える恐れもあるのです。
もう少し私たちに身近なデータも見ていきましょう。東京都が算出したところでは、太陽光発電によって、杉の木約185本分の年間CO2吸収量に相当する量を削減できるといいます。ご家庭で使用する電気を、火力発電から太陽光発電に切り替えた場合、1kWhあたり約650gのCO2を減らすことができます。4kWの太陽光発電を住宅に設置すると、年間発電量およそ4000kWhとなり、0.65kg×4000kWh=年間2,600kg前後のCO2削減効果があると考えられます。杉の木1本当たりの年間CO2吸収量は平均14kgですから、2600÷14=約185本分、となるわけです。
少し専門的な数字や単位を用いましたが、細かい数字はさておき、「化石燃料を消費する今の生活を続けていては温室効果ガス削減はあまり見込めない」と考えて間違いありません。

まとめ

太陽光発電が世界的にますます普及すると、2040年頃には化石燃料由来の電力生産量と再生可能エネルギーの生産量がほぼ同水準になるのではと観測が出ています。今後、化石燃料由来のエネルギー生産は減少していくでしょうし、再生可能エネルギーは水力発電・風力発電・地熱発電などをあわせて急激に増加する見込みです。
特に太陽光発電と風力発電に期待が寄せられており、この2つで生産量シェア30%以上を占めるようになるかもしれないと言われています。再生可能エネルギーの普及も、リスクがゼロというわけではないです。
太陽光パネルの設置場所を増やすために、費用がかかります。広大な場所も必要です。多くの住宅屋根にパネルが敷き詰められ、景観が良くないと言う方もいるかもしれません。
しかしながら、温室効果ガスを削減しない限り、地球の温度は上昇の一途を辿るでしょう。最も実現可能性が高く、効果が見込める手段が再生可能エネルギーへのシフトだと世界各国が判断した以上、その流れを止めるわけにはいきません。私たちは、地球温暖化問題とあらためて真剣に向き合う必要があります。太陽光発電は、一人一人が導入しやすい、CO2排出量削減方法なのです。


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