土地貸しのメリットとデメリット

太陽光発電用に土地貸しするのはアリ?メリットや気をつけたいトラブルについて

相続などによって土地を取得したはいいものの、使い道に困っているなんて人もいるのではないでしょうか。実は土地に関しては、用途が思いつかないから放置しておけばいい、というわけにもいきません。
土地などの不動産は、所有しているだけで固定資産税がかかります。土地の評価額によって金額は変動するのですが、毎年税金を納める必要があるのです。市街化区域では都市計画税も課されることになり、放置していようが税金の負担額が増えるから大変です。
そこで、使い道がわからず持て余している土地を活用する手段として、太陽光発電事業者に土地貸しを行うことをおすすめします。今回は、土地貸しのメリットや注意点について、具体的な事例も見ながら解説していきましょう。

太陽光発電用に土地貸しするメリット

第三者に土地を貸して太陽光発電を行うと、どういったメリットがあるのでしょうか。主なメリットとしては、以下の3つが挙げられます。

メリット①:節税になる

一般的に土地を相続した場合、相続税がかかります。土地評価額が高いほど税額も増えます。太陽光発電用地として土地貸しすると、土地評価額が借地権の残存期間に応じて減額されるのです。減額率は以下の数値を参考にしてください。

◆借地権の残存期間
5年以下→5%
5年~10年以下→10%
10年~15年以下→15%
15年以上→20%

たとえば、相続税評価額が4,000万円の土地を、20年契約で事業者に賃貸し、10年後に相続する場合、
4000×15%=600
よって、600万円ほど評価額を減らすことができます。

メリット②:土地の管理が不要になる

太陽光発電用地として土地貸しすると、土地の草木をメンテナンスする必要がなくなります。事業者が草刈りなどお手入れを自主的に行ってくれるからです。よって、所有者がわざわざ出向いて作業する必要がなくなるわけです。
また、放置された土地は、不法投棄されやすく、ゴミが蓄積すると近隣住民からクレームが来る恐れもあります。そういった部分も、太陽光発電事業者が対処してくれるので、所有者は手間が省けます。

メリット③:安定した収益を得られる

事業用太陽光発電の場合、FIT制度(固定価格買取制度)によって、20年間一定金額で電力会社が電気を買い取る規則になっています。つまり、20年間は賃借人が安定した収益をあげる分、土地の所有者にとっても、賃料を安定して支払ってもらうことが期待できます。売電収入が全て土地所有者の利益となる方が、土地貸しより収益性は高いですが、作業量が一気に増加します。それを嫌う人は、リスクも負担も小さい土地貸しという選択肢の方が適しているかもしれません。

太陽光発電で100坪、300坪だとそれぞれどれくらい儲かるの?

では、太陽光発電事業者に土地貸しをする場合、どれくらいの賃料が見込めるのでしょうか?賃料は、太陽光発電システムの発電容量、土地の面積、契約内容などによって変わりますが、大まかな目安を紹介します。
調達価格等算定委員会の資料によると、太陽光発電における土地賃料の中央値は1㎡あたり150円だと言われています。この数値を基準にして、100坪(約331㎡)の土地所有者が得られるおおよその年間賃料は、

331×150=49,560円
と算出されます。1ヶ月あたりに換算すると約4,140円です。

ただし、中央値ではなく平均値だと、1㎡あたり190~220円程度です。
次は、この数値を使用してみましょう。
たとえば、土地面積300坪(約992㎡)、賃料195円/1㎡と仮定した場合、年間賃料は下記の通りです。

992×195=193,340円
これはあくまで目安ですので、様々な条件によって賃料は上下変動します。
詳しい数値を確認したい土地所有者は、専門業者にシミュレーションを依頼してみてください。

土地貸しはこんなトラブルに注意!

用途に困って放置していた土地を活用することで多くのメリットがあると説明してきましたが、ここでは土地を貸す場合に想定されるトラブルや注意点について見ていきます。

●災害で近隣に被害が出る
まず気を付けなければいけないのは、太陽光パネルの反射によって光が他人の住宅内に入ることで眩しさなど不快感を与えてしまうケースです。
通常、こういったトラブルの責任は事業者が負います。しかし、トラブル内容によっては所有者も責任を負うことになる可能性はゼロではないのです。太陽光パネルの反射光は設計の際に計算することができます。きちんと測定して、近隣住民には事前に説明しておくとトラブルに発展しづらいでしょう。
また、台風などの自然災害によって太陽光パネルが破損し、近隣の住宅に破片が飛ぶといったケースも想定しておかなければなりません。こちらも、事業者がしっかり対策を施せばいいのですが、万全の体勢が整っているか、所有者も監視の目を光らせておくとリスクは軽減されるはずです。

●悪質業者の騙しに注意
いきなり土地を相続して、知識があまり無い状態で土地貸しを行うと、悪徳業者と契約した場合、賃料を不当に安くさせられるトラブルも起こりえます。所有者が太陽光発電に詳しくないと勘付くと、土地を安く借り上げようと企てる業者も実際に存在するのです。
賃料相場は、1㎡あたり150円が一つの目安です。専門機関が発表した数値ですから、この水準から5分の1や10分の1の金額になるケースは滅多にないでしょう。もし、契約交渉する業者が、あまりに安い金額を提示してきたら、騙そうとしていると疑ったほうがいいです。対策として、最低でも2~3社から相見積もりを取ることが推奨されます。

まとめ

今回のような土地貸しを検討するケースは、都心の一等地ではなく郊外の土地が多いかと思います。ビルやマンションを建てるには適さない田舎の場所でも、太陽光発電事業者にとっては魅力的という場合も非常に多くあります。周囲に高層ビルが無く、日光を遮る物が無いところは、太陽光発電システムを設置するのにふさわしいからです。
上述した通り、せっかくの土地も放置していると固定資産税がかかってしまうだけです。金食い虫になる土地が、収益を生み出す資産へと変わるわけですから、活用しない手はありません。
一つ覚えておきたいのが、事業者に貸している間は、別の用途に使用することができない点です。産業用太陽光発電は20年間、固定価格買取制度が適用されるので、土地貸しも通常20年以上の長期契約を結びます。この期間、所有者は土地を自由に使えなくなります。元々使い道が無かった場所を貸しているのでさほど問題にならないでしょうが、頭に入れておく必要はあるでしょう。
太陽光発電の設備は今後ますます全国に普及していくはずです。それに伴って土地も当然必要になるのですから、あなたが所有する土地も有効活用できるかもしれません。


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