PPAのメリット、デメリット

いま注目を集める太陽光発電のPPA方式のメリット、デメリットを解説

太陽光発電を初期費用0円で導入できる仕組みとして、「太陽光リース」が注目されていますが、似たような制度で「PPAモデル」というものがあります。太陽光パネルやパワコンなどの機器を購入する必要がなく、メンテナンス費用も事業者が負担してくれる点は共通していますが、異なる部分もあります。
実はアメリカなど海外では、国によるFIT(固定価格買取制度)が存在しないため、PPA方式が主流だと言われています。個人のみならず、企業にとってもこのPPA方式は非常に魅力的で、今後導入する企業が増えると見込まれます。
そこで今回は、PPA方式の具体的な仕組みや、どんなメリット・デメリットがあるのか、詳しく解説していきましょう。

そもそもPPA方式とは?

PPA方式とは、自宅の屋根や建物の屋根をPPA事業者に貸し出し、無償で太陽光発電システムを設置してもらう仕組みです。「第三者所有モデル」とも呼ばれ、施設所有者は無料で太陽光発電設備を導入することが可能となります。そして、発電した電力を消費することができ、使用量に応じてPPA事業者に料金を支払います。自宅の屋根を貸し出すケースだと、施設所有者と電力使用者は通常同一人物になるため、自家消費した分だけ月々料金を納めればよいのです。ちなみにPPAとは、”Power Purchase Agreement”の略語で、日本語だと「電力販売契約」を意味します。
契約期間がおよそ15~20年と決まっており、契約期間中の設備所有者はPPA事業者です。しかし、契約満了後に無償で太陽光発電システム一式を譲渡してもらうことができるので、施設所有者は継続して発電を行うことができます。

PPA方式を契約したからといって、電力会社から供給される電力を使用できなくなるわけではありません。太陽光発電で不足する分の電気は、従来どおり電力会社から購入可能です。悪天候で発電量が減少したからといって、電力使用者が困ることはなく、安心してサービスを利用できます。
PPA方式で太陽光発電システムを導入する際は、自費で設備一式を購入する時と比較して、主に2つ機器が追加で設置されます。それは、遠隔監視装置と電力量計です。故障したらすぐに修繕しないと発電量が減少してPPA事業者の利益が減るため、遠隔から異常を検知する機器が必要です。発電した電力量を計測する装置も同時に設置されます。当然ながら設置費用はすべてPPA事業者が負担しますが、こういった違いがあることを覚えておきましょう。

また、太陽光リースと異なる点に関しては、リース契約の場合、電力消費量に関わらず毎月一定の利用料を支払う義務が生じます。余剰電力についても、PPA方式は発電した電力の所有権は事業者にあるため売電収入を得ることはできません。前述の通り、PPA方式では消費した分の電気料金を支払いますが、リース契約ではいくら消費しても構いません。

PPA方式のメリット

PPA方式の仕組みについて説明したところで、どういったメリットがあるのかも触れておきましょう。メリットを見ていくうえで、導入する個人または企業側と、PPA事業者側で分けて考えていく必要があります。

●施設所有者(及び電気使用者)のメリット
①設備費用とメンテナンス費用をPPA事業者に負担してもらえる
②太陽光発電の電気を使うことで、コストを削減できる
③CO2排出量を減らし、企業のイメージアップを期待できる

まず、資金が手元に無くても、太陽光発電システムを導入できるのが最大の魅力です。企業の場合、PPA方式だと資産計上されないため、経理や会計の手間もかかりません。昨今はどの企業もSDGsやESGに力を入れており、再エネ100%で事業活動することを目指す「RE100」に加盟すると多くの投資家から「ESG投資」を呼び込みやすくなります。そのため、多くの企業がPPA方式を取り入れているのです。

●業者側のメリット
①太陽光発電の設置場所を無料で借りられる
②契約者からの電気代で収入を得られる

PPA事業者は、自ら探して購入したら莫大な金額になるであろう広さの面積を、複数の施設所有者から無料で借りることができます。そして、太陽光発電システムを設置して、電気消費量に応じた料金を利益として得られるわけです。事業を拡大しやすいモデルであり、双方にメリットがあるWIN-WINの関係だからこそ、海外でも普及しているといえます。

PPA方式のデメリット

次に、PPA方式を利用する際に覚えておくべき注意点を紹介します。

●契約期間が通常15~20年間と長い
自分で太陽光発電システムを購入すれば、発電によって生み出した電力をいくら自家消費しても料金はかかりません。一方で、PPA方式だと事業者に電気料金を支払うため、節約できていると感じづらい人もいるでしょう。さらに、設備はPPA事業者の所有物です。たとえば企業が事業所の移転によって建物を手放したい時でも、勝手に設備を撤去できません。契約途中で解約する場合、残額を全て支払わないといけないので、自由に移転や引っ越しをしづらいのはデメリットとなります。

●気候条件や設置条件によっては、契約を断られることがある
PPA事業者からすると、なるべく多くの電気を発電かつ消費してもらい、収益を増やしたいはずです。日照量が不十分な地域、雪や塩害が多く追加コストが必要な場合、十分な容量が設置できない場所など、事業者にとってあまり旨味がない条件だと、そもそも契約を結べないこともあります。いくらPPA方式がメリットが多いといえども、どちらかにデメリットが多いケースでは、あまり導入を推奨できないかもしれません。

まとめ

PPAモデルは、初期費用やメンテナンス費用をかけず、使用した分の電気代を支払えばよい仕組みなので、契約者は特別なことをせずとも太陽光発電の恩恵を受けることができます。近年は電力会社から購入する電気代が、再エネ賦課金の上乗せによって年々上昇傾向にあり、太陽光発電の電気を使用したほうが安上がりになってきました。
20年間の長期契約で不自由がなければ、最も効率的に太陽光発電を始める方法でしょう。メンテナンス費用もPPA事業者が負担してくれるため、追加費用もかからず安心です。
再生可能エネルギー利用促進を促す国から、補助金が貰える場合もあります。太陽光リースとも比較しながら、気候変動対策としてPPA方式の導入を検討してはいかがでしょうか。


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