コラム

テスラのリセールバリューは高い?安い?実情やリセールの良いモデルについて解説

自動車を購入する際、リセールバリューは大事な基準の一つですよね。特に短いサイクルで乗り換えを検討している場合、リセールの良し悪しは特に重視すべきポイントになります。
電気自動車のメーカーとして世界各国で販売台数を伸ばしているテスラのリセールバリューはどうなっているのでしょうか。テスラ車の購入を考えている方、今後電気自動車への乗り換えを予定している方は必見です。それでは、テスラのリセールバリューや後悔しないための選び方などについて解説していきます。

テスラを購入して後悔している人はどんな人?

電気自動車に特化したメーカーとして、販売台数を飛躍的に増加させているテスラですが、買って後悔したという声も少なくないのが実情です。最先端のクルマを手に入れたのにどうして後悔してしまったのか、主な理由を紹介しましょう。

●修理費や維持費が高い
●充電できる場所が少ない
●ロードノイズが気になる

①修理費や維持費が高い
テスラの車両はアルミで作られています。アルミニウム合金で自動車車体を一体成型する「ギガプレス」という工法を採用しています。部品点数のが大幅削減され、製造工程も簡素化されるというメリットがある一方、修理費は高くなってしまうのです。
故障した部品だけを交換することが難しく、修理にかかる時間も長いです。以前、とあるお笑い芸人さんがテスラを購入したことをテレビ番組で公表、納車から1ヶ月も経たないうちに車体を傷つけたそうです。そして、「修理費が大体300万円」と話し、共演者を驚かせていました。従来のガソリン車と異なり、テスラはぶつけたり故障が起きると高額な費用がかかる点は要注意です。

②充電できる場所が少ない
電気自動車は、バッテリーが生命線ですから定期的に充電する必要があります。頻繁に長距離移動する場合、どこに充電スポットがあるか把握しておかなければなりません。
しかし、ガソリンスタンドと比較して、国内で急速充電できる箇所はまだまだ少ないです。自宅周辺に充電施設が無いと、充電のためにわざわざ遠出するケースもでてきます。

③ロードノイズが気になる
電気自動車はモーターで動いているので、走行中はとても静かです。ところがエンジン音がないゆえ、ロードノイズが気になってしまう声も散見されます。
ガソリン車の時には気にもしなかったノイズが耳に入り、それが不満に繋がる恐れもあります。試乗する際にしっかり確認しておくとよいでしょう。

テスラのモデル3のリセール(下取り価格)について解説

新車に買い替えるために手放す、あるいは買って後悔したので売却するなど様々な理由で、中古車市場にも多くのテスラ車が流通しています。売る時に重要なリセールバリューとは、オークションでの落札価格を中古車買取業者が予測して、自社の利益分を差し引いた金額のことです。一般的に買取業者の利益は1台あたり10~20万円といわれ、買い取った車両はほとんどオークションで売却します。

そして、リセールバリューを表す数値として用いられるのが“残価率”です。
「買取平均価格÷新品価格×100」
という計算式で算出し、この数値が高いほど中古車市場で価値が高いというわけです。

では、テスラのエントリーモデルで、コンパクトボディが人気の「モデル3」のリセールバリューを見ていきましょう。

モデル3は2019年に国内で販売開始され、RWD(後輪駆動)、AWD(四輪駆動)ロングレンジ、AWDパフォーマンス、の3タイプがあります。オークションの落札価格などを基に、おおよその残価率を算出しました。

●1年後:70~85%程度
●2年後:55~70%程度
●3年後:40~55%程度
●4年後:30~40%程度
●5年後:20~30%程度

近年のオークション市場の傾向をお伝えしますと、リセールバリューは低下しているようです。2024年4月、テスラは「モデル3」とSUVタイプの「モデルY」の車両価格を30万円値下げしました。モデル3で最も安いRWDタイプですと、従来の561万3000円(税込み)から531万3000円に引き下げています。
新品価格が低下すれば、当然ながら中古車価格も下がります。テスラいわく、在庫が積み上がっている状況のため、値下げを決定したそうです。
オークション相場は、日々変動しており、市場動向によって価格は変動します。ただし、車体に傷がなく綺麗な状態を保っており、バッテリーの消耗が少なければ買取評価は高くなるという基本的な点は変わらないです。

EVのリセールバリューランキングについて独自に調べてみた

テスラ車に限定せず、他社の電気自動車も含めたリセールバリューの動向も紹介します。まだ販売開始から期間が短い車種も多く、5年残価率を算出できないものも多いですが、参考数値としてご覧ください。
現在、テスラの知名度が上がり、先進的なデザインが人気を集めているため、「モデル3」や「モデルX」がリセールバリューランキングの1・2位を争っているようです。輸入車ですと、メルセデスベンツの電気自動車「EQS」も残価率が高い車種です。購入後1.5~2年が経過し、走行距離が1万kmを超えていても、残価率が6割前後のケースも見受けられます。
新車価格が1500万円超えの高級車であり、中古車市場でも1000万円以上で販売されているのは、やはりブランド力の高さを証明しています。同じベンツでも、「EQS」より低価格帯の「EQA」は、3年後の残価率が50~60%程度に低下する傾向にあり、評価がさほど高くないようです。

ポルシェの電気自動車「タイカン」も、1300万円超で高級車の部類に含まれますが、残価率はベンツの「EQS」に匹敵する数値です。昨今の円安進行で新車価格が上昇している背景も相まって、1年後の残価率は90%を超えます。3年後で70%台、5年後でも50%台でリセールできる場合が多く、価値が下がりにくいEV車種といえます。
国内メーカーに目を向けると、マツダが2023年に「MX-30」、日産が2024年に「アリア」全車種の販売を開始しました。1年後の残価率は75~85%程度になると見込まれています。

リセールバリューの上位から選ぶとするならテスラ車、もし予算に余裕がある方はベンツやポルシェなど欧州メーカーが候補になりそうです。残念ながら国内メーカーの電気自動車はまだ人気が高くないため、今後に期待しましょう。

まとめ

テスラは、為替変動や物価高騰で新車価格を値上げした2022年ほどではないものの、リセールバリューは安定しているといえます。「新車は高くて手を出しづらい」「EVが初めてだから中古車で試してみたい」といった需要があるため、今後しばらくは残価率を維持するのではないでしょうか。
ただし、ここで記載した数値などは、あくまで2024年時点におけるデータです。様々な外部要因によって中古車市場は大きく変動するため、もしリセールを考えている場合、複数の買取業者に見積もりを依頼するようにしてください。