太陽光発電のリース契約

太陽光発電はリースでも導入可能?メリットデメリットを中心に解説

太陽光発電システムの導入を検討する際、どうしてもネックになってしまうのが費用面です。いくら太陽光パネルや蓄電池の値段が低下しているとはいえ、通常100万円以上とまだまだ高額です。規模が大きくなればその分費用も膨らみます。
初期費用やランニングコストなどを考えるとどうしても高額出費になる太陽光発電を、お手軽に導入できる仕組みとして注目されているのが、太陽光リースです。リース会社と契約を結ぶことで、住居の屋根などに太陽光発電システムを無償で設置してもらい、毎月定額料金を支払う形となります。
これだけ聞くと、融資を受けて購入するよりリース契約を行う方がお得だと考える人もいるはずです。では、太陽光発電のリースには、どんなメリットやデメリットがあるのでしょうか。注意すべき点もあわせて解説していきます。

リースで行うメリット

太陽光発電リース契約のメリットは、主に以下の通りとなります。

①初期費用がかからない
②発電した電気を自家消費できる
③売電収入を得ることがられる
④メンテナンスや修理費用がかからない
⑤リース費用を経費として計上可能 ※事業者のみ

なんといっても、予算の都合上導入を悩んでいる方にとって、初期費用がかからないのは最大の魅力かもしれません。また、メンテナンス費用も契約の範囲内となっているケースが多く、予期せぬ故障が起きてもリース会社側が費用を負担してくれます。発電を開始すると、電気を自宅の家電製品などに使用するほか、電力会社に売電して収益を得ることも出来ます。
これらの利益は、全て自分のものとなる上、たくさん発電して収益が増えようとリース料金は一定です。増加することはありません。さらに、契約期間満了後は太陽光発電システムが譲渡されます。つまり、取り外すことなく自宅で使い続けられるわけです。万一、譲り受ける必要がない時は、リース業者が撤去してくれますので、その点も心配いりません。
住宅用太陽光発電ではなく、事業として始めるケースですとリース費用を経費として計上することが可能です。通常は、パネルや周辺機器の減価償却分のみ経費に計上しますが、リース契約の場合、毎月のリース料金を全額計上できることも覚えておきましょう。

リースで行うデメリット

次に、太陽光発電リース契約のデメリットについても紹介していきましょう。

①契約期間が一般的に10年〜15年
②電気を使わなくても月々固定のリース料金がかかる
③総額で見ると割安ではない場合も
④製品のメーカーが選べない

太陽光発電のリース契約は、10年程度と長い期間に及びます。形式上、リース会社が所有者に代わって設備を購入して貸与する取引ですので、税法上において途中解約できません。どうしても都合により解約したい時は、リース料金残額を一括で支払うことで解約が認められます。
月々のリース料金は、住宅用で一般的な容量4~5kWですと、1~2万円が相場と言われています。たとえば、長期の旅行や出張で自宅におらず、電気をまったく使用しない日が続いても、リース料金は一定額支払う義務があります。その際は、一時的ながら損をしてしまったと感じる人もいるかもしれません。
リース料金には、太陽光発電システムの使用量だけでなく、当然ながらリース会社への手数料なども上乗せされています。月々の支払額は安く思えても、10年間のトータルで換算すると、それほど割安ではなかったというケースもありえます。また、リース会社によっては、自分が希望するメーカーの製品を取り扱っていない場合もあるでしょう。

リースで補助金はもらえるの?

住宅用太陽光発電の導入において、地方自治体から補助金が給付されるように、リース契約を対象とする補助金制度も存在します。その代表的なものが、「太陽光発電初期費用ゼロ促進事業費補助」です。
これは、住宅を所有する人に向けて、初期費用無料で太陽光発電を設置するサービスを提供する事業者に対し、設置費用の一部を助成する制度です。初期費用負担のハードルを下げることで、太陽光発電の更なる設置促進を目指すことを目的に掲げています。
東京都だと1kWあたり10万円、神奈川県は1kWあたり5万円(※最大25万円)の補助金を事業者に助成します。一見、私たちに還元されていないように思えますが、リース会社は助成金を受け取った分、料金を下げる契約となっていますので、月々の金額が安くなります。
2022年の募集は既に始まっており、交付申請の受付を締め切った地方自治体もあります。お住まいの自治体で補助金制度を設けているか、現在も募集を行っているのか、ホームページなどで調べてみてください。

さらに、中小企業や個人事業主を対象にした補助金制度として、環境省が「脱炭素社会の構築に向けたESGリース促進事業」を実施しています。多額の初期投資費用を負担することが困難な中小企業などを対象に、リースという方法によって脱炭素機器の普及を加速するために設けられました。このように、個人や企業それぞれ補助金が貰える可能性がありますので、ぜひ検討してみましょう。

まとめ

いきなり100万円以上の費用がかかるのは嫌だけど、毎月1~2万円の支払いなら大丈夫という人は、結構多いのではないでしょうか。そんな人には、リースという選択が最適です。特に月々の電気代が1万円以上のご家庭は、リース契約をおすすめします。在宅ワークが多く、日中冷暖房をつけているような方は、昼間の電気使用量が増える傾向ですので、リースによる太陽光発電で電気代がかなりお得になるはずです。
また、私たち一般人ですと、太陽光発電に精通していない人も多く、いざ故障やトラブルが起きた時に対処するのが大変かもしれません。しかしリース契約なら、メンテナンスや修理も基本的にリース会社が対応してくれます。そういった点は、初心者も安心の仕組みと言えます。費用面がネックになっていたり、管理が大変だと悩んでいる方は、一度リース会社に相談してみると良い解決策が見つかるのではないでしょうか。


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