太陽光発電の保険

太陽光発電に関する保険について徹底解説

昨今、集中豪雨といった異常気象により、自然災害が増えています。記憶に新しいところでは、2018年に発生した西日本豪雨で、土砂崩れなどの被害が各地で発生しました。太陽光発電は、住宅用、産業用いずれも屋外に設置するものです。このような自然災害が起こると、甚大な影響を受けてしまう可能性もあることは否定できません。
一般的に太陽光発電を導入する際にはメーカー保証がついており、10年あるいは15年間、決められた範囲の損害を補填してくれます。ただし、注意しなければいけない点は、自然災害はメーカー保証の対象外になるケースが非常に多いのです。
「水害や落雷で機器が壊れた」「台風で太陽光パネルが吹き飛び第三者に危害を加えた」といった事例だと、メーカー保証では対応しきれません。そこで、保険に加入することを検討してみましょう。太陽光発電を長期間運用するうえで、保険は欠かせないものです。
太陽光発電の保険にはどのような種類があるのか、相場が大体いくらぐらいなのか、メーカー保証とは何が違うのか、保険にまつわる様々なポイントについて、この記事にて解説していきます。

住宅用太陽光発電の保険はどんな内容?

私たちが太陽光発電システムを導入する過程において、メーカー保証というものがあります。保証内容は大きく分けて2種類です。

①出力保証
②システム機器保証

出力保証は、太陽光パネルの出力が異常に低下した場合、通常値より明らかに落ちているとメーカーに実証すれば無償で部品交換や修理を行ってくれます。一定水準の発電量を決められた期間、保証するわけです。システム保証は、パネル以外のパワーコンディショナーやケーブルなど周辺機器を含めて、自然故障に対して保証してくれます。つまり、メーカー保証とは、「普通に使用している過程で壊れてしまったら無料で直します」というものです。
それならメーカー保証がつく期間は、わざわざ保険に入らなくてもいいと考える方もいるかもしれません。問題になるのは、台風などの自然災害です。いわゆる「自然災害保証」は、上記に含まれておらず、もし被害を受けた場合、自費で対応する必要があります。多額の出費や売電収入減少といったリスクを避けるためにも、保険はとても重要です。以下、覚えておくべき3つの保険を紹介します。

①火災保険(動産総合保険)
②損害賠償責任保険
③休業損害補償保険

太陽光発電に付けられる保険として最も主流なのは、火災保険および動産総合保険です。加入率は80~90%に達します。補償範囲が重なる部分が多いのですが、違いとして、電気的事故・機械的事故は火災保険のみ補償対象となります。対して、飛来物の衝突や盗難被害については、動産総合保険でないと補償されません。
落雷・爆発・火災・水災・風災・雹災・雪災といった自然災害はどちらの保険もカバーしています。ただし、地震への補償は対象外ですから、もし不安な方は火災保険とセットで地震保険を申し込むようにしてください。

次に、所有する太陽光発電設備によって、第三者に害を与えてしまった時は、「損害賠償責任保険」で損害範囲を補償してくれます。「施設賠償責任保険」ともいわれ、たとえば台風や強風で太陽光パネルが飛び、近隣の住居や住人に直撃する事例が該当します。
もう1つ、「休業損害補償保険」は、災害や事故により、発電が停止してしまい、復旧までの間に本来得られるはずだった売電収入を補償するものです。万が一の事態に備えて検討する価値はありますが、電力会社の出力制御による損失は補償されないので注意しましょう。

太陽光発電の保険料の相場はどれくらい?

これから太陽光発電を導入して保険に加入する場合、どれくらいの保険料がかかると想定すればいいのでしょうか。まず一般論として、火災保険の年間保険料の相場は、初期費用の0.3~2.0%程度といわれています。火災保険の派生商品が動産総合保険という位置付けですが、相場としては動産総合保険の方が多少高いケースが多いようです。高圧に区分される容量50kW以上ですと、初期費用が1,000万円を超えます。損害が起きた際の被害額も大きくなるため、加入をお勧めします。
火災保険の金額は、地域によっても異なります。台風の被害が起きやすい沖縄県や九州地方は、他の都道府県と比較して、保険料が若干上がる傾向にあります。損害賠償責任保険は、規模にもよりますが、補償金額が最大1億円という内容が多いです。年間保険料は1年あたり5,000円程度とさほど高くありません。ちなみに火災保険は5年分一括支払いが一般的ですので、その点も注意しましょう。
休業損害補償保険の相場は、1日あたりの売電収入と同等か若干少ない程度の金額となります。たとえば売電金額が1日10,000円の太陽光発電設備なら、保険料は50,000円前後(5年分)という具合です。

代表的な太陽光発電の保険を比較!

この項目では、東京海上日動、損保ジャパン、三井住友海上、という代表的な保険会社の特徴的な商品を比較していきましょう。東京海上日動は、太陽光発電設備の廃棄費用や賠償リスクを補償する新商品を発売したことで注目を集めています。保険対象は、廃棄費用と施設賠償責任です。オプションの「サイバーリスク特約」では、不正アクセスに代表されるサイバー攻撃で、個人情報漏洩などの損害が生じた時に補償してくれます。容量50kWの場合、基本補償の年間保険料は約17,000円とさほど高くないうえ、地震に起因する廃棄費用を保険で賄うことが可能です。地震が原因で太陽光パネルを廃棄する場合、1kwあたり2千円(最大200万円)を受け取れます。
なお、「修理費用を補償する保険をご希望の場合は、火災保険のご加入をご検討ください」と注意書きが記載されています。自然災害などによる被害を保険でカバーしたい方は、火災保険にも加入すべきでしょう。

三井住友海上では、「E&O保険」という独自の保険を販売しています。“Errors & Omissions”という英語の頭文字を取ってもので、日本語訳すると「業務過誤」、いわゆるオペレーションミスによって事故が起きてしまったときの補償をするものです。「施工業者が、太陽光パネルの向きを誤って取り付けた」「工場で火災が発生して、納期に間に合わなかった」「不良品があった」といった事例で、メーカーや業者がE&O保険に加入していれば、保険金の支払い対応を行います。オーダーメイド性が高い商品のため、まだまだ加入件数は少ないそうですが、想定しうるあらゆるトラブルに対応できる点で、魅力的ではないでしょうか。

損保ジャパンは、個人用火災総合保険「THE すまいの保険」で住居に設置された太陽光発電における損害を補償するほか、事業者向けに「売電収入補償特約」を販売しています。自然災害や盗難、第三者から受けた損害、そして地震保険のオプション加入によって、あらゆる事態をカバーできます。
「売電収入補償特約」は、予想売電収入を算出し、売電収入の減少に伴う実態に即した利益の減少を補償する保険です。最近では、事業者向けに、太陽光発電設備の構造設計について、自然災害リスクに対する構造計算の妥当性を評価、および設備の安全性を再構築する新サービスを開始しました。

まとめ

太陽光発電を導入する方のほとんどは、長期間にわたり稼働させることを前提に考えているはずです。将来、どんな自然災害が発生し、どの程度影響をもたらすかは、誰にも予想ができません。予想せぬ事態が起きて太陽光発電システムに支障をきたす時でも、資金繰りに困らずリスクを低減するため、保険にはぜひとも加入すべきです。先程紹介した大手保険会社はもちろん、中小規模の会社でも火災保険をはじめ、様々な商品を取り揃えています。
やみくもに複数の保険に契約すればいいわけでもないですが、保険の内容はそれぞれ異なり、補償範囲はしっかり確認する必要があります。お住まいの場所や太陽光発電の規模を考慮して、なるべく費用を抑えつつ自身にとって安心度が高い保険を見つけるようにしましょう。


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