コラム

家庭用の風力発電があるって本当?特徴や仕組みを調査してみた

家庭用の風力発電

「風力発電」と聞くと、海岸などに並んで立っている大型の風車を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。ところが、一般家庭にも設置できる家庭用の風力発電も存在します。家庭用の風力発電にはどのような特徴があるのでしょうか。
本記事では家庭用の風力発電について、特徴や仕組みを中心に問題点も交えながら解説していきます。

風力発電の仕組み

家庭用の風力発電が存在することは多くの人にとって驚きかもしれませんが、実際には全国各地の家庭で利用されています。家庭用の風力発電について詳しく見ていく前に、風力発電自体の仕組みについて確認しておきましょう。
風力発電は、風の運動エネルギーを利用して電気を生成するシステムです。このプロセスは、風車や風力タービンを使用して行われます。風力タービンは大きなブレードを持ち、これが風を捉えると回転する機械です。この回転するブレードがタービンの主軸を回転させ、この軸が直接またはギアボックスを介して発電機につながっています。

発電機の中では、機械的な回転エネルギーが電気エネルギーに変換されています。磁場内で導体を動かすことによって、エネルギーの変換が行われるのです。生成された電気は、高電圧に変換された後、電力線を通じて各地へと送られます。
風力発電の効率は、風の速度に大きく依存しています。風速が増加すると、タービンから得られるエネルギーも指数関数的に増加する仕組みです。そのため、風力発電は風の多い地域に多く見られます。風力発電は再生可能で持続可能なエネルギー源であり、燃料費がかからず、温室効果ガスの排出もありません。

家庭用風力発電をおすすめする理由

風力発電はその再生可能な特性から注目されています。この技術は大規模な風力発電所だけでなく、家庭用としても利用されています。家庭用風力タービンは、各家庭が独自にエネルギーを生成し、使用するための装置です。家庭用の風力発電には次のような特徴があります。

コンパクトなサイズ

家庭用風力タービンは、一般的な設備と比べてコンパクトなサイズが特徴です。高さが数メートル程度なので、住宅の屋根や庭に設置できます。都市部や庭のスペースが限られた環境でも設置できるのがメリットです。

起動風速が低い

一般的な大型タービンと比較して、家庭用タービンは低い風速で起動できるように設計されています。つまり、風が弱い地域でも効率的に電力を生産可能です。

設置やメンテナンスが容易

家庭用タービンの設置には高度な専門技術を必要とせず、基本的な工具で行えます。また、メンテナンスも簡単です。それゆえの運用コストの低さが魅力です。

オン/オフグリッドの選択

家庭用の風力発電は、オフグリッドシステムとして完全に独立して運用することも、オングリッドシステムとして電力網に接続して余剰電力を売電することも可能です。自宅で消費する電力を自給自足するだけでなく、余った電力を売ることで家計の助けにもなります。

家庭用風力発電を設置する際の問題点

風力発電にはメリットが多いものの、家庭用の風力発電の設置には特有の問題点も存在します。

発電量が一定しない

家庭用風力タービンの大きな課題の一つは、発電量が一定しないことです。風力発電は風の存在とその強さに直接依存しており、もちろん風は常に一定ではありません。強い風が吹いている日はタービンから十分な電力が得られますが、風が弱い日には発電量が大幅に減少します。この変動性は、家庭が電力網から独立して運用する場合、特に問題となる点です。安定した電力供給を求めるならば、エネルギー貯蔵装置を追加したり、別の代替エネルギーを併用したりといったことが必要になることがあります。

騒音問題

家庭用の風力発電のもう一つの課題は、タービンの運転音です。タービンのブレードが風を受けて回転すると、ブレードが空気を切る音やタービンの機械部分が動作する音が発生します。設計がどれだけ改善されても音を完全になくすことは難しく、ある程度の騒音は避けられません。
この騒音は、静かな住宅地や密集地域では大きな問題になるでしょう。そのため、家庭用風力タービンを設置する際には、騒音の影響を最小限に抑えるための工夫が求められます。たとえば、タービンを住宅から適切な距離に設置したり、騒音を特に抑制した設計のタービンを選択したりなどの対策が必要です。また、設置前に地域の規制やガイドラインで、騒音に関する規定を確認しておかなくてはなりません。

費用がかかる

家庭用風力タービンの設置には、タービン自体の購入費用に加えて、設置工事の費用もかかります。具体的には、基礎を作るための土木工事、タービンを支える塔の建設、電気系統の設定といった作業に伴う費用です。これらの費用は地域やタービンの型によって異なりますが、数百万円単位の投資となることもあるでしょう。
初期コストは長期間の運用で回収可能ですが、それには時間がかかります。すぐにリターンが見込めるわけではありません。そのため、風力発電の導入には、長期的な視点で費用対効果を考慮する必要があります。

またメンテナンスコストもあります。家庭用の風力発電は比較的メンテナンスが容易ですが、それでも定期的な点検や修理は欠かせません。タービンの機械部分、特に回転するブレードやベアリングは、使用するうちに自然と摩耗していきます。放置していると故障の原因となるため、定期的な点検と交換が必要です。また、タービンが高所に設置されている場合、点検や修理作業には特別な機材や技術が必要となります。これもコストを増加させる要因です。

風力発電は自作できる?

初期費用を抑えたいのであれば、風力発電を自作する方法もあります。実際、自作している人はたくさんおり、決して非現実的な方法ではありません。ただし、工具や電気工学に関する基本的な知識が必要ですし、安全に関して十分に考慮しなければならないのは言うまでもありません。知識と技術、それに十分な準備が必要ですが、自宅で電力を自給できるのは魅力的な試みです。
自作の風力発電の構成要素としては、ブレード、ジェネレータ、タワー、それに電気系統があります。ブレードは風を捉える部分で、木材やPVCパイプを使って作られることが多いです。ジェネレータには、小型のDCジェネレータや古い車のオルタネーターを流用する方法があります。
タービンを支えるタワーは、風力タービンを適切な高さに設置し、地面の障害物から離れた場所で風を効率良く受けるために必要です。また、発電した電力を家庭の電力系統に統合するためには、インバーターやコントローラー、バッテリーが必要になります。

実施にあたっては、作業の安全を確保するための適切な措置が必要です。高所での作業や電気を扱う作業は特に危険が伴うため、知識と経験が求められます。また、地域によっては風力タービンの設置に関する規制があり、許可が必要な場合がありますので、事前に自治体に確認してください。

まとめ

家庭用の風力発電は、エネルギー自給自足の実現、エネルギーコストの削減、環境保護という点で、非常に有益な選択肢です。設置場所の制限や初期費用の高さ、風の条件など、導入にあたって考慮すべき要素は多いですが、長期的に見ればそのメリットは大きいと言えるでしょう。