太陽光発電の固定資産税

太陽光発電には固定資産税がかかる?固定資産税について解説

固定資産税とは、償却資産である建物などに課される地方税です。毎年1月1日時点の固定資産の所有状況に応じて、相当額を納める必要があります。私たちが所有する土地や家屋には固定資産税がかかりますが、果たして太陽光発電システムにも固定資産税は適応されるのでしょうか。

結論から申し上げると、「かかる場合とかからない場合がある」と言えます。固定資産税を支払う対象者は、容量10kW以上の産業用太陽光発電を運用する法人や個人事業主です。10kW未満の住宅用太陽光発電を自宅の屋根に取り付けた場合、非課税扱いとなります。一般住居に取り付けるものはほとんど10kW未満ですから、固定資産税を考慮する必要はないでしょう。
一方、10kW以上の産業用太陽光発電は、固定資産税の課税対象となるため、毎年申告しなければなりません。それでは、固定資産税をどのように納めればいいのか、詳しく見ていきます。

太陽光発電における固定資産税の計算方法

土地や建物にかかる固定資産税は、固定資産の評価額に標準税率となる1.4%を掛けた数値となります。評価額とは、「基準日時点で一体いくらの価値があるのか」を、一定の方式にもとづいて算出した数字です。
そして、太陽光発電の法定耐用年数は17年です。太陽光発電設備のような償却資産は、耐用年数をもとに”減価率”が決められます。少々複雑に感じてしまう人もいるかもしれませんが、ひとまず「減価率は0.127」と覚えておいてください。ただし、初年度の減価率は半分になると決められているため、初年度だけは0.064となります。

次に、実例を紹介しながら、固定資産税の具体的な計算方法を確認していきましょう。5,000万円の産業用太陽光発電を購入した場合、固定資産税はそれぞれ以下の通りです。なお、1~3年目のみ、税金額の計算で2/3をかけています。この点については次の項目で解説します。

●1年目
初年度の減価率0.064
評価額=50,000,000円×(1-0.064)=46,800,000円
税金=46,800,000円×2/3×1.4%=436,800円
1年目の固定資産税額=436,800円

●2年目
2年目以降の減価率0.127
評価額=46,800,000円×(1-0.127)=40,856,400円
税金=40,856,400円×2/3×1.4%=381,326円
2年目の固定資産税額=381,326円

●3年目
評価額=40,856,400円×(1-0.127)=35,667,637円
税金=35,667,637円×2/3×1.4%=332,898円
3年目の固定資産税額=332,898円

●4年目
4年目にかかる税金
評価額=35,667,637円×(1-0.127)=31,137,847円
税金=31,137,847円×1.4%=435,930円
4年目の固定資産税額=435,930円

固定資産税の軽減特例の対象にはなるの?

平成24年5月29日以降に取得された太陽光発電設備について、固定資産税の軽減特例が適用されることになりました。これは、新たに固定資産税が課せられる年度から3年分に限り、該当資産の課税標準となるべき価格を3分の2に軽減する制度です。先ほど、固定資産税の計算方法において、1年目から3年目の計算式にだけ2/3を掛けたのは、この特例に基づいています。
ただし、平成30年4月1日以降に取得した設備については、軽減率が変更されました。太陽光発電の容量1,000kW未満は従来通り3分の2でしたが、1,000kW以上の場合4分の3軽減されます。

また軽減特例は、太陽光発電を導入した全ての人が適用できるものではありません。平成27年度以前は、固定価格買取制度の認定を受けて取得された再生可能エネルギー発電設備が特例の対象となっていましたが、平成28年4月1日以降の取得分から当該認定を受けた太陽光発電設備は対象外となりました。これに代わり、再生可能エネルギー事業者支援事業費に係る補助を受けて取得した自家消費型の太陽光発電設備が対象となります。
該当する場合、以下の書類をお住まいの自治体に提出してください。
●固定資産税(償却資産)課税標準の特例適用申請書
●一般社団法人環境共創イニシアチブが発行した再生可能エネルギー事業者支援事業費補助金交付決定通知書の写し

あとのせすると固定資産税はどうなる?

新築を購入した際に太陽光発電システムを設置するのではなく、既築の住居に太陽光発電を導入する人もいるでしょう。住宅の屋根の上に取り付ける形式の太陽光発電に関しては、固定資産の一部とはみなされないため、固定資産税はかかりません。住宅用太陽光発電で一般的となっている、架台を配置して取り付ける方式は、設備の取り外しが可能です。文字通り、屋根に”固定”するわけではないので、課税対象に含まれないのです。

注意しなければならないのは、屋根材一体型の太陽光パネルを設置すると固定資産税の対象となることです。一体型だと家屋の一部として扱われます。太陽光発電設備一体型の新築住宅を含め、住居の固定資産税に上乗せされるかたちで金額が増えます。
ただし、容量10kW未満の住宅用太陽光発電なら、固定資産税はせいぜい年間1〜2万円程度の増額にとどまります。固定資産税の支払いを極力減らしたい方は、後乗せで設置すべきですが、神経質になるほど金額に大差は出ません。新居の建築時にあわせて設置する方が、トータルの費用が安く済む場合もありますから、一体型だと損をするとは一概に言えないでしょう。

まとめ

事業として太陽光発電を運用する方は、毎年1月1日を基準にして、固定資産税を納める必要が生じます。支払い対象者には、だいたい4月~6月の間に納付通知書が届くことになっており、年間4回に分けて納付することになります。
固定資産税の計算は、パターンを覚えてしまえば、あまり苦になるものではないです。むしろ、確定申告の際に費用として計上できるので、節税のため是非とも覚えておくべき知識といえます。制度をしっかり理解して、導入を検討している設備が固定資産税の対象になるのか、事前に確認しておくとよいでしょう。


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